- 鴨川だより
鴨川だより~仙台から深圳へ――日本の針路を考える~
仙台から深圳へ——登壇と中国出張で見た現場の熱量、無人タクシーやフィンテック、BRICSと日米関係から日本の針路を問い直します。
株式会社アシスト 代表取締役会長
ビル・トッテン
高温が続いた日々を経て11月も後半になり、京都では美しい紅葉が見頃を迎えています。我が家の柿の木は昨年はほとんど実をつけなかったのですが、今年は豊作で、この季節、自然の恵みを感じることができるのは何よりの喜びです。
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今月は恒例のアシスト北陸サロンで金沢へ行ってきました。サロンではいつも世の中の動向を鑑みながらスピーチテーマを考えるのですが、10月に仙台でお話ししてからわずか1ヵ月の間に、総理大臣が交代し、就任1ヵ月も経たないうちに新たな講演テーマになるような展開になっています。
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高市首相が、中国が台湾に動けば日本も軍事対応に加わる可能性を示唆したのです。トランプ大統領来日時には米国寄りの姿勢を見せていた高市首相は、トランプ大統領がその発言を肯定してくれると思ったのかもしれません。ところが、習近平主席と電話会談をしたトランプ大統領は、そのあと高市首相に電話をかけて「中国を挑発しないように」と要請しました(日本政府は「そのような事実はない」とこれを否定)。高市首相の政治的パフォーマンスのために米国の経済を犠牲にするつもりはないということであり、また米中関係の安定のために日本を抑制したのでしょう。
今回の件で明らかになったのは、もはや米国と中国は同等の二大国であるということです。そして戦勝国である米国と中国が、戦後の地域秩序を共同で管理していくことに合意したのです。トランプ大統領が敗戦国日本の首相にそれを伝えたかどうかは分かりませんが。
いずれにしても高市首相は日本経済に大きな影響を及ぼしました。中国からの便はキャンセルされ、ツアーグループは日本を避け、水産物の輸入は禁止され、映画や文化イベントは中止になりました。そして観光関連株や中国市場に依存する企業の株価は急落しました。インバウンド(特に中国人)に批判的な高市首相支持者は喜んでいるのかもしれませんが、戦争をあおる人が国のトップに就くことこそ日本の存立危機事態であると私は思います。
仙台から深圳へ——登壇と中国出張で見た現場の熱量、無人タクシーやフィンテック、BRICSと日米関係から日本の針路を問い直します。
上海のHUAWEI CONNECT 2025で、AIとデジタル基盤の最前線を学びました。ファーウェイは、米国の規制下でも新興国で存在感を広げています。帰京後は蛇にヒナが襲われ、3ミリの隙を塞いで備えを強めました。