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2025.06.19

よくあるお問い合わせ:Citrix Studioが開けない場合の対応方法

よくあるお問い合わせ:Citrix Studioが開けない場合の対応方法

こんにちは。Citrix製品のサポートをしている宇津見です。

今回は、Citrix Studioが開けない場合の対応方法についてご紹介します。

※弊社のCitrixヘルプデスク契約があるお客様は本記事についてお問い合わせいただくことも可能です。
本記事は、弊社サポートセンターのFAQ:78490と同様の内容です。

目次


はじめに

Citrix Studioを開いた時、「Delivery Controllerアドレスが変更されました。Controllerのアドレスを再入力するか、新しいアドレスを入力します。」と表示され、Citrix Studioの画面が表示できない場合があります。

Citrix Studioが開けない要因はさまざまありますが、今回は弊社ヘルプデスクで問い合わせの多いエラーと対応方法についてご紹介します。


対象環境とバージョンについて

・本記事の内容は、主にオンプレミス環境におけるCitrix Virtual Apps and Desktops (CVAD) 環境を対象としています。

・本記事におけるCitrix Studioの操作は、CVAD 2203 LTSR、および、それ以前のバージョンに標準搭載されているCitrix Studioを前提としています。
CVAD 2402 LTSR以降のバージョンで標準となるCitrix Web Studioをご利用の場合は、本記事で解説する操作とは異なるため、Citrix Web Studioのドキュメントをご参照いただくか、別途Citrix Studioをインストールしてご確認ください。

・本記事の内容や画像は、弊社の検証環境である Citrix Virtual Apps and Desktops 7 2203 LTSR CU6 をベースに作成しています。
お使いのCitrix環境のバージョンが異なる場合、画面やサービス名などが若干異なる可能性がありますので、その点ご留意ください。


参考記事


Citrix Studioの起動権限がないユーザーで起動している

Citrix Studioを起動する権限のないユーザーで起動している場合は、下記のエラーが表示される場合があります。

「エラー:Central Configuration Serviceの場所を検証できませんでした。
Studioを使用してこのサイトを管理する十分な権限がないか、委託管理サービスに問題があります。」

Citrix Studioは、Citrix Virtual Apps and Desktops 環境の管理を行うための管理コンソールです。
このコンソールにアクセスするためには、ユーザーがCitrixの委任管理機能を通じて、適切な管理者ロールが割り当てられている必要があります。

※Delivery Controllerをインストールしたユーザーは、自動的に管理者ユーザーになります。
※その他のユーザーについては、明示的に追加する必要があります。


管理者を追加する方法


1. 管理者ユーザーでCitrix Studioを開き、左サイドメニューの「構成」>「管理者」をクリックします。


2. 右サイドメニューの「管理者の作成」をクリックします。


3. 「管理者の選択:」に任意のユーザー名を追加し、「スコープ名」の「すべて」を選択して「次へ」をクリックします。
※下記画像の場合、例として「kkauser」と入力しています。


4. 任意の役割を選択します。今回は「すべての管理権限を実行できる管理者」を選択し、「次へ」をクリックします。


5. 「管理者を有効にする」にチェックが入っていることを確認し、「完了」をクリックします。


6. 管理者の画面に任意のユーザー名が追加されていることを確認します。


参考記事


Delivery Controller・SQLサーバーの再起動

Delivery ControllerサーバーとSQLサーバーをOS再起動することで、事象が改善する場合があります。
Delivery ControllerサーバーとSQLサーバーが別サーバーの場合は、SQLサーバーの再起動完了後、Delivery Controllerサーバーを再起動してください。

※Delivery ControllerサーバーやSQLサーバーが複数ある場合は、下記の手順で再起動してください。

例)Delivery Controller 2台、SQL 2台構成の場合
 1. SQLサーバー(ミラー)のOSをシャットダウン
 2. SQLサーバー(プリンシパル)のOSをシャットダウン
 3. SQLサーバー(プリンシパル)のOSを起動
 4. SQLサーバー(ミラー)のOSを起動
 5. SQLサーバーの再起動完了後、Delivery Controller 1号機のOSを再起動
 6. Delivery Controllerサーバー1号機のOS再起動完了後、Delivery Controllerサーバー 2号機のOSを再起動


Citrixサービスの確認

Delivery Controllerサーバー・SQLサーバーの再起動で改善しない場合は、Citrixのサービスがすべて開始されているかご確認ください。

・Windowsのサービス画面から「Citrix」で始まるサービスを確認していただき、スタートアップの種類が「自動」のものが正しく実行中になっているかどうかを確認


SQLサービスの確認

何らかの理由により、Delivery ControllerサーバーがSQLサーバーに接続できない場合は、下記のエラーが発生する場合があります。

「エラー:Central Configuration Serviceの場所を検証できませんでした。
指定された場所で有効なDelivery Controllerサービスが見つかりませんでした。理由:データベース保留中エラー」

「エラー:Central Configuration Serviceの場所を検証できませんでした。
指定された場所で有効なDelivery Controllerサービスが見つかりませんでした。理由:データベースに接続できませんでした。SQL Server上のデータベースの状態を確認してください。データベースがリモートからの接続を受け入れていません。データベースサーバーが正しくセットアップされており、ファイアウォールで接続がブロックされていないことを確認してください。」


SQLサービスの状況確認方法


「SQL Server XXXX(SQLのバージョン)Configuration manager」アプリを立ち上げ、下記のサービスが起動しているかをご確認ください。

 ・SQL Server(SQLExpress)
 ・SQL Server Browser


SQLサーバーが別建ての場合の疎通確認

Delivery ControllerサーバーとSQLサーバーが別々のサーバーとして構成されている場合は、Delivery ControllerサーバーからSQLサーバーへの疎通が問題なく行われているかどうかご確認ください。


名前解決ができているか

pingやnslookupにて、SQLサーバーの名前解決や疎通確認が問題なく行われているかどうかご確認ください。


利用データベースへの接続確認

Delivery Controllerサーバーにて、Powershellで下記のコマンドを実行してください。


PS> Get-BrokerDBConnection(Citrixで利用中のデータベースを確認します)
PS> Test-BrokerDBConnection -DBConnection "*****"(上記コマンドで確認したデータベース情報を引数に入れ、疎通を確認します)
※ 「OK」が出れば問題ありません。

例)
SQLサーバー(プリンシパル):yu-sql01-06.maruchan.com
SQLサーバー(ミラー):yu-sql01-07.maruchan.com
Citrixで利用しているデータベース名:CitrixMirrorSite


PS> Get-BrokerDBConnection
Server=yu-sql01-06;Initial Catalog=CitrixMirrorSite;Integrated Security=True;Failover Partner=YU-SQL02-07.MARUCHAN.COM

PS> Test-BrokerDBConnection -DBConnection "Server=yu-sql01-06;Initial Catalog=CitrixMirrorSite;Integrated Security=True;Failover Partner=YU-SQL02-07.MARUCHAN.COM"


ServiceStatus ExtraInfo
------------- ---------
OK {[Database.Status, Normal], [Database.RecoveryModel, Full], [Database.LastBackupDate, 03/28/2025 ...


SQLサーバーの容量確認


ログなどにより、SQLサーバーの容量がひっ迫していないかどうかご確認ください。


1. ディスクドライブの容量確認
SQLサーバーがインストールされているドライブ(通常はCドライブ)や、データベースファイル(.mdf)、トランザクションログファイル(.ldf)が保存されているドライブの空き容量を確認してください。

※下記画像の場合は、Cドライブを確認しています。

データベースファイルやトランザクションログファイルがどこに保存されているのか不明な場合は、下記SQL Server Management Studioを利用してご確認ください。


2. SQL Server Management Studioでの確認
SQL Server Management Studioを起動してSQLサーバーにログインします。

 例)
  SQLサーバー:yu-sql01-06.maruchan.com
  SQL Serverインスタンス名:YU-SQL01-06(SQL Server 15.0.2000.5 - MARUCHAN\Administrator)
  Citrixで利用しているデータベース名:CitrixMirrorSite

※本記事ではSQL Server Management Studio 19.1で確認しています。

※SQL Server Management Studioのインストールや利用方法については下記サイトをご参照ください。


・SQLサーバのインストールパスの確認

1. 左サイドメニューから一番上に表示される「SQL Serverインスタンス」を右クリックし、「プロパティ」 を選択します。


2. 「ルートディレクトリ」にSQLサーバーのインストールパスが表示されます。このパスから、SQLサーバーがインストールされているドライブを確認できます。


・データベースファイル・トランザクションログファイルの保存場所確認

1. サイドメニューから「SQL Serverインスタンス」>「データベース」を展開し、Citrixで利用するデータベースを右クリックして「プロパティ」 を選択します。


2. 「データベースのプロパティ」ウィンドウの左メニューから「File」を選択すると、データファイル (.mdf) とログファイル (.ldf) の 「パス」が表示されます。
このパスから、ファイルがどのドライブに保存されているかを確認できます。


・データベースファイルやトランザクションログファイルのサイズと空き領域の確認

サイドメニューから「SQL Serverインスタンス」>「データベース」を展開し、Citrixで利用するデータベースを右クリックして「レポート」>「標準レポート」> 「ディスク使用量」 を選択して確認します。


いかがでしたでしょうか。
Citrix Studioが開けない場合のご参考にしていただけますと幸いです。



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