よくあるお問い合わせ：Citrix Workspace app利用時のエラーコード切り分け方法

こんにちは。Citrix製品のサポートをしている宇津見です。
今回は、Citrix Workspace app利用時に発生するエラーコードと対処方法についてご紹介します。

Citrix Workspace appからアプリケーションやデスクトップに接続する際、何らかの要因で下記のエラーが発生する場合があります。

上記画像のように、エラーコードが2つ記載されている場合もあります。
また、「ソケットエラー：＊＊＊」と記載されている場合もあります。

今回は弊社ヘルプデスクで問い合わせの多い、エラーコードが出力された場合の切り分け方法についてご紹介します。

・本記事の内容は、主にオンプレミス環境におけるCitrix Virtual Apps and Desktops (CVAD)環境を対象としています。

・本記事の内容や画像は、弊社の検証環境である Citrix Virtual Apps and Desktops 7 2203 LTSR CU6をベースに作成しています。
お使いのCitrix環境のバージョンが異なる場合、画面やサービス名などが若干異なる可能性がありますので、その点ご留意ください。

問題発生時の切り分けについては、以下をご案内することがあります。
エラーコード別の確認内容は、次項の「本資料で紹介するエラーコード」に記載しています。

ご利用のクライアント端末がインターネットに正しく接続されているか、社内ネットワークが安定しているかをご確認ください。
VPNやWi-Fiが不安定でないかをご確認の上、時間をおいて接続確認をしてください。
また、再起動することで改善する場合もありますので、一度クライアント端末のOS再起動をお試しください。

コマンドプロンプトからpingコマンドやnslookupコマンドを実行し、各サーバーへのFQDN、またはIPアドレスへの疎通や名前解決ができているかを確認します。
これらのコマンドが失敗する場合、DNSサーバーの設定や、ネットワーク経路に問題がある可能性があります。以下の通信経路でそれぞれお試しください。

・クライアント端末 → StoreFrontサーバーあるいはCitrix Gateway
・Citrix Gateway → ドメインコントローラーサーバー
・StoreFrontサーバー → Delivery Controller
・VDA → Delivery Controller
・VDA → ドメインコントローラー
・クライアント端末 → VDA
・Delivery Controller → SQLサーバー
・Delivery Controller → ドメインコントローラー

　pingが成功する場合の例

　pingが失敗する場合の例

　nslookupが成功する場合の例

　nslookupが失敗する場合の例

Citrixの通信に必要なポートが、ファイアウォールやセキュリティ機器でブロックされていないかを確認します。
利用するポートについては下記参考記事に詳細をまとめていますので、そちらもご参照ください。

・クライアント端末 ⇔ VDAサーバー（またはCitrix Gateway）間:
TCP 1494, 2598
UDP 1494, 2598 （Adaptive Transportを利用している場合）

・VDAサーバー ⇔ Delivery Controller間:
TCP 80 （SSL通信が無効な場合）
TCP 443 （SSL通信が有効な場合）

・VDAサーバー⇔ ドメインコントローラーサーバー間:
TCP/UDP 53 (DNS)
TCP/UDP 88 (Kerberos)
TCP/UDP 389 (LDAP)
TCP 135 (RPC)

プロキシを使用した外部アクセスでエラーが発生する場合があります。
クライアント端末がCitrix環境への接続にプロキシサーバーを経由する必要がない場合は、端末のプロキシ設定を解除してお試しください。

クライアント端末にインストールされているウイルス対策ソフトやファイアウォール機能が、Citrixの通信を誤ってブロックしてしまうことがあります。
可能であれば一時的にこれらのソフトウェアを無効にした状態で、再度接続をお試しください。

クライアント端末にインストールされているCitrix Workspace appの設定ファイルが破損していたり、利用バージョンが古いために互換性の問題が発生している可能性があります。

6-1. Citrix Workspace appの設定をリセットする
タスクトレイにあるWorkspace appのアイコンを右クリックし、「高度な設定」から「Citrix Workspaceのリセット」を選択して実行します。これにより、設定が初期化されます。

6-2. 再インストール
リセットで改善しない場合は、一度Citrix Workspace appをアンインストールし、クライアント端末を再起動してから、Citrix社の公式サイトから最新版のインストーラーをダウンロードして再インストールを実行してください。
※アンインストールや再インストールがうまくいかない場合は、下記参考記事を参考にクリーンアンインストールをお試しください。

Citrix Studioにて、対象のVDAが「登録済み」の状態になっているかを確認します。

　正常に登録されている場合

　未登録の場合

未登録の場合や別のエラーが出る場合は、下記の参考記事をご参照ください。

Citrix社からは、これらのエラーコード一つ一つの詳細な意味を解説した公式ドキュメントが提供されていない場合があります。
本記事では、今まで弊社がお客様にご案内したことがある各エラーコード発生時の切り分け方法をご案内します。

【弊社がよくご案内する確認内容】
1. ネットワーク接続の確認
2. 名前解決や疎通確認
3. ファイアウォールの設定やルーティングの問題
4. プロキシ設定の確認

【弊社がよくご案内する確認内容】
2. 名前解決や疎通確認
4. プロキシ設定の確認

【弊社がよくご案内する確認内容】
5. セキュリティソフトウェアの一時的な無効化
6. Citrix Workspace appのリセット・再インストール

「ソケットエラーXXXXX」と出力されているエラーは、Citrix独自のエラーコードではなく、Windows側のネットワーク通信中に発生するエラー内容になります。このエラーも、Citrix独自のエラーコードと同時に出力される場合があります。
ソケットエラーについては、下記の内容をご参照ください。

エラーコードやソケットエラーに関する公式ドキュメントになります。
下記サイトの事例が当てはまらない場合や、情報が古い場合がありますので、ご確認の上ご活用ください。

いかがでしたでしょうか。
エラーコードが出力された際の参考にしていただけますと幸いです。

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