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2026.04.09

Citrix環境でクリップボードのリダイレクトを制御する方法

Citrix環境でクリップボードのリダイレクトを制御する方法

こんにちは。Citrix製品のサポートをしている宇津見です。

今回は、Citrix環境におけるクライアント端末と仮想セッション間のクリップボードリダイレクト(コピー&ペースト)を制御する方法についてご紹介します。

※本記事は、弊社サポートセンターのFAQ:32068と同様の内容です。


目次


概要

Citrix環境では、デフォルトでクライアント端末(ローカルPC)と公開アプリケーションや仮想デスクトップ間で、テキストなどのコピー&ペーストが双方向で許可されています。

セキュリティ要件などにより、コピー&ペーストを全面的に禁止したい場合や、ローカルから仮想環境へのコピーのみを許可し、データの持ち出し(仮想環境からローカルへのコピー)を禁止したい場合は、Citrixポリシーを利用してクリップボードの動作を細かく制御できます。

本記事では、Citrixポリシーを用いたクリップボードの制御方法について解説します。


対象環境・前提条件

対象製品:
Citrix Virtual Apps and Desktops、Citrix DaaS、Citrix Workspace app など

前提条件:
・ポリシー設定の変更には管理者権限が必要です。

・クライアント環境やOSによって動作が異なる場合があります。事前に検証環境での動作確認を行うことをお勧めします。

※本記事では、下記のバージョンで確認しています。
Citrix Virtual Apps and Desktops 2402 LTSR CU3
Windows 2022 Server


手順の一例

全体的な許可・禁止の設定


クライアント端末とセッション間のコピー&ペーストを全体的に制御する場合は、以下のポリシーを設定します。


1. Citrix Web Studioにログインします。


2. ご利用中のポリシーを開きます。
下記画像では、「Unfiltered」を編集しています。


3. 以下のポリシー項目を「全ての設定」から検索し、編集をクリックします。

・クライアント クリップボード リダイレクト


4. 要件に合わせて設定し、保存します。

クライアント クリップボード リダイレクト
「許可」(デフォルト値): 双方向のコピー&ペーストが可能になります。
「禁止」: 双方向のコピー&ペーストが全面的に禁止されます。
この設定を「禁止」にした場合、他のクリップボード関連のポリシーは無視されます。


特定の方向のみコピー&ペーストを禁止する設定


データの持ち出しや持ち込みなど、特定方向のコピー&ペーストのみを禁止(単方向の制御)する場合は、以下のポリシーを使用します。

※設定を有効にするには、前提として「クライアントクリップボードリダイレクト」ポリシーが「許可」に設定されている必要があります。


1. Citrix Web Studioにログインし、ご利用中のポリシーを開きます。
下記画像では、「Unfiltered」を編集しています。


2. 以下のポリシー項目を「全ての設定」から検索し、編集をクリックします。

・クライアント クリップボードの書き込み制限
・セッション クリップボードの書き込み制限


下記画像では、「クライアント クリップボードの書き込み制限」を検索しています。


3. 目的に応じて、以下のポリシーを「有効」に設定し、保存します。

クライアント クリップボードの書き込み制限
「有効」に設定すると、仮想環境からクライアント端末(ローカル)へのコピー&ペースト(データの持ち出し)が禁止されます。デフォルトは「無効」です。


セッション クリップボードの書き込み制限
「有効」に設定すると、クライアント端末(ローカル)から仮想環境へのコピー&ペースト(データの持ち込み)が禁止されます。デフォルトは「無効」です。


特定のデータ形式のみを許可する設定


コピー&ペーストを制限した上で、テキストデータなど特定のデータ形式のみを例外として許可することも可能です。

※設定を有効にするには、前提として「クライアントクリップボードリダイレクト」ポリシーが「許可」に設定されており、「クライアント クリップボードの書き込み制限」あるいは「セッション クリップボードの書き込み制限」が有効に設定されている必要があります。


1. Citrix Web Studioにログインし、ご利用中のポリシーを開きます。
下記画像では、「Unfiltered」を編集しています。


2. 以下のポリシー項目を「全ての設定」から検索し、編集をクリックします。

・クライアント クリップボードに書き込みを許可する形式
・セッション クリップボードに書き込みを許可する形式


下記画像では、「クライアント クリップボードに書き込みを許可する形式」を検索しています。


3. 以下の該当するポリシーに、許可したいデータ形式を追加し、保存します。
※特定のデーター形式を追加したい場合は、「デフォルト値を使用する」のチェックを外してください。

クライアント クリップボードに書き込みを許可する形式(ローカルへのコピー&ペーストを許可)


セッション クリップボードに書き込みを許可する形式(仮想環境へのコピー&ペーストを許可)


用途に合わせた設定例


いくつか設定例をご紹介します。


1. 【双方向の制御】テキスト(文字データ)のコピー&ペーストのみを双方向で許可し、その他は禁止したい場合

Citrixポリシー 設定値
クライアント クリップボード リダイレクト 許可
クライアント クリップボードの書き込み制限 有効
セッション クリップボードの書き込み制限 有効
クライアント クリップボードに書き込みを許可する形式 CF_TEXTを指定
セッション クリップボードに書き込みを許可する形式 CF_TEXTを指定

2. 【持ち出しの完全禁止】ローカルPCから仮想環境へのコピー&ペーストのみを許可し、逆方向(仮想環境からローカルPC)は完全に禁止したい場合

Citrixポリシー 設定値
クライアント クリップボード リダイレクト 許可
クライアント クリップボードの書き込み制限 有効
セッション クリップボードの書き込み制限 無効

3. 【持ち出しの一部許可】ローカルPCから仮想環境へのコピー&ペーストは許可し、逆方向(仮想環境からローカルPC)はテキスト(文字データ)のみに限定したい場合

Citrixポリシー 設定値
クライアント クリップボード リダイレクト 許可
クライアント クリップボードの書き込み制限 有効
セッション クリップボードの書き込み制限 無効
クライアント クリップボードに書き込みを許可する形式 CF_TEXT を指定

※ファイル(CFX_FILE)やHTML(CF_HTML)など、他のデータ形式に関する詳細は、公式ドキュメントの記載に合わせてご確認ください。


補足・注意事項


ポリシー適用のタイミング
Citrixポリシーの設定は、主にユーザーのログオン時に読み込まれます。
すでに接続中の既存セッションには即座に反映されないため、設定変更後は必ず対象ユーザーのセッションを一度ログオフし、再接続して動作を確認してください。

※リモートデスクトップの画面を右上の「×」ボタンで閉じる(切断)だけでは、セッションが裏で残っているため新しいポリシーは適用されません。必ずWindowsのスタートメニュー等から明示的に「サインアウト(ログオフ)」を行ってください。

※Web Studioでポリシーを保存した後、仮想マシン(VDA)に設定が同期されるまで数分〜10分程度のタイムラグが発生する場合があります。設定直後に再接続しても古いポリシーのまま動作してしまうことがあるため、設定保存後、少し時間を置いてから動作確認を行ってください。


サーバーリプレース時などの意図しない設定変更
サーバーの移行やリプレースを実施した際、移行前のポリシーが正しく引き継がれず、クリップボードの設定が初期値(双方向許可)に戻ってしまったり、逆に制限状態に変わってしまったりする事例が報告されています。
移行後は、意図したポリシーが正しく割り当てられているか再度ご確認ください。

ファイルの持ち出しについて
本記事で紹介した「クリップボードのリダイレクト制御」により、ファイルのコピー&ペースト」という操作自体は防ぐことができますが、「クライアントドライブマッピング」というファイル転送機能が有効なままだと、エクスプローラー経由などでローカルPCのドライブに直接アクセスされ、ファイルを持ち出されるリスクが残ります。
ファイルの持ち出しを完全に制限したい場合は、別途「クライアントドライブリダイレクト」などのポリシー設定を併用してください。


いかがでしたでしょうか。
Citrix環境でクリップボードのリダイレクトを制御する方法、ご参考にしていただければ幸いです。



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