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Oracle Cloud VMware SolutionでのVMware HCX環境構築手順(後編)
前回の記事でOCVS)でHCXを利用するための前提となる手順の前半をお伝えしました。本記事では後続の手順であるサービスメッシュ作成・L2延伸手順を記載し、仮想マシンを移行できる状態、つまりHCX環境の構築完了までを説明します。
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サポートセンターでOracle製品のサポートを担当している栗原です。
今回は、2013年にリリースされたOracle Database 12cの新機能であるFlexCluster / FlexASMの構築手順やエラー対応についてご紹介します。
[検証環境]
OS:Red Hat Linux 5.9 64bit
DB:12.1.0.1.0 Enterprise Edition
構成:4Node Real Application Clusters環境(FlexCluster / FlexASM)
まずは、構築に必要なステップを把握しておくと、作業がスムーズに進みます。今回は、検証環境としてVMWareで仮想環境を作成するところから解説します。
FlexCluster / FlexASM の構築ステップ
1. VMware Playerインストール
2. Linuxインストールと設定
3. Grid Infrastructure 12.1.0.1のインストール
4. Oracle Database 12.1.0.1のインストール
5. DBCA(Database Configuration Assistant)でデータベース作成
FlexCluster / FlexASM の構築手順書を無料で提供します。以下よりご自由にダウンロードしてください。
Oracle Database 12c FlexCluster / FlexASM の構築手順をまとめた資料です。ご自由にダウンロードいただけます。 |
インストール時に発生する可能性があるエラーについても、いくつかピックアップして対処方法をご紹介します。
ASMLibのcreatediskが以下のように失敗する場合があります。
[root@sapox1 rpm]# /usr/sbin/oracleasm createdisk DG_SDF /dev/sdf1
Writing disk header: done
Instantiating disk: failed
Clearing disk header: done
[root@sapox1 rpm]#
oracleasmのサービスが起動しているかどうかを確認しましょう。
--oracleasmのサービス起動有無を確認
[root@sapox1 ~]# oracleasm status
Checking if ASM is loaded: no
Checking if /dev/oracleasm is mounted: no
[root@sapox1 ~]# service oracleasm status
Checking if ASM is loaded: no
Checking if /dev/oracleasm is mounted: no
--oracleasmのサービスを起動
[root@sapox1 ~]# service oracleasm start
Initializing the Oracle ASMLib driver: [ OK ]
Scanning the system for Oracle ASMLib disks: [ OK ]
--oracleasmのサービス起動を確認
[root@sapox1 ~]# service oracleasm status
Checking if ASM is loaded: yes
Checking if /dev/oracleasm is mounted: yes
--oracleasm creatediskを再実行
[root@sapox1 ~]# /usr/sbin/oracleasm createdisk DG_SDF /dev/sdf1
Writing disk header: done
Instantiating disk: done
Oracle Grid Infrastructure 12.1.0.1 インストール時にroot.shを各ノードで実行する手順があります。ノード1で実行する際に、CLSRSC-1003、CLSRSC-287が発生する場合があります。
[root@sapox1 ~]# /Oracle/app/grid/product/12.1.0/grid/root.sh
・・・略・・・
CRS-2672: 'ora.net1.network'('sapox1')の起動を試行しています
CRS-2676: 'ora.net1.network'('sapox1')の起動が成功しました
CRS-2672: 'ora.gns.vip'('sapox1')の起動を試行しています
CRS-2676: 'ora.gns.vip'('sapox1')の起動が成功しました
CRS-2672: 'ora.gns'('sapox1')の起動を試行しています
CRS-2676: 'ora.gns'('sapox1')の起動が成功しました
CRS-2672: 'ora.ASMNET1LSNR_ASM.lsnr'('sapox1')の起動を試行しています
CRS-2676: 'ora.ASMNET1LSNR_ASM.lsnr'('sapox1')の起動が成功しました
CRS-2672: 'ora.asm'('sapox1')の起動を試行しています
CRS-2676: 'ora.asm'('sapox1')の起動が成功しました
CRS-2672: 'ora.DATA.dg'('sapox1')の起動を試行しています
CRS-2676: 'ora.DATA.dg'('sapox1')の起動が成功しました
2013/09/04 16:27:26 CLSRSC-1003: Failed to start resource OC4J
2013/09/04 16:27:26 CLSRSC-287: FirstNode configuration failed
Died at /Oracle/app/grid/product/12.1.0/grid/crs/install/crsinstall.pm line 2347.
The command '/Oracle/app/grid/product/12.1.0/grid/perl/bin/perl -I/Oracle/app/grid/product/12.1.0/grid/perl/lib -I/Oracle/aid/crs/install /Oracle/app/grid/product/12.1.0/grid/crs/install/rootcrs.pl ' execution failed
[root@sapox1 ~]#
ノード1に引き続き、ノード2~4でroot.shを実行すると、CLSRSC-366が発生する場合があります。例として、ノード2の実行結果を記載します。
[root@sapox2 ~]# /Oracle/app/grid/product/12.1.0/grid/root.sh
・・・略・・・
Creating /etc/oratab file...
Entries will be added to the /etc/oratab file as needed by
Database Configuration Assistant when a database is created
Finished running generic part of root script.
Now product-specific root actions will be performed.
Using configuration parameter file:
/Oracle/app/grid/product/12.1.0/grid/crs/install/crsconfig_params
2013/09/05 11:38:03 CLSRSC-363: User ignored prerequisites during installation
OLR initialization - successful
2013/09/05 11:38:33 CLSRSC-330: Adding Clusterware entries to file
'/etc/inittab'
CRS-4133: Oracle高可用性サービスは停止されました。
CRS-4123: Oracle高可用性サービスは起動されています。
CRS-4133: Oracle高可用性サービスは停止されました。
CRS-4123: Oracle高可用性サービスは起動されています。
2013/09/05 11:40:19 CLSRSC-366: Failed to import credentials for ASM
Died at /Oracle/app/grid/product/12.1.0/grid/crs/install/crsinstall.pm line
926.
The command '/Oracle/app/grid/product/12.1.0/grid/perl/bin/perl
-I/Oracle/app/grid/product/12.1.0/grid/perl/lib
-I/Oracle/app/grid/product/12.1.0/grid/crs/install
/Oracle/app/grid/product/12.1.0/grid/crs/install/rootcrs.pl ' execution failed
[root@sapox2 ~]#
このエラーは、インストール要件を満たさない、Red Hat Linux 5 Update 6(5.6)未満で実行した場合に発生します。Grid Infrastructuerの前提チェック実行ではエラーとして出てこないため、注意が必要です。
このエラーが発生した場合は、Red Hat Linux 5 Update 6(5.6)以上へアップグレードして下さい。なお、アップグレードを行う前にDeinstallツールを使用し、Grid Infrastructuerのアンインストールを実施する必要があります。その後、OSのアップグレードを実施して下さい。
対処方法1でエラーが解消されない場合には、/etc/hostsにおいて、localhostがIPv6の::1にマップされていることを確認してください。また、localhostへのpingも確認しましょう。
[root@sapox1 work]# cat /etc/hosts
# Do not remove the following line, or various programs
# that require network functionality will fail.
::1 localhost.localdomain localhost <-- ★
・・・略・・・
[root@sapox1 work]# ping -c 4 localhost
ping: unknown host localhost <-- ★
・・・略・・・
localhost がIPv6をマッピングしている場合には、その設定を解除し、root.shを再実行してください。/etc/hostsの設定は以下のように変更します。
[root@sapox1 work]# cat /etc/hosts
# Do not remove the following line, or various programs
# that require network functionality will fail.
#::1 localhost.localdomain localhost
127.0.0.1 localhost.localdomain localhost
・・・略・・・
データベースの記憶域を選択する箇所でディスクグループを選択する箇所で、下記のようにディスクグループが表示されない事象が発生する場合があります。
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DBCAを起動したユーザ(v121ユーザ)が所属するグループにasmadmin、asmdbaが含まれていることを確認してください。含まれていない場合には、グループを追加し、DBCAを再度確認してください。
--v121ユーザとgridユーザに対してidコマンドを実行
[root@sapox1 ~]# id v121
uid=503(v121) gid=1000(oinstall) 所属グループ=1000(oinstall),501(dba)
[root@sapox1 ~]# id grid
uid=502(grid) gid=1000(oinstall) 所属グルー
プ=1000(oinstall),1100(asmadmin),1200(asmdba),501(dba)
--グループを追加
[root@sapox1 ~]# usermod -g oinstall -G dba,asmadmin,asmdba v121
--グループ追加を確認
[root@sapox1 ~]# id v121
uid=503(v121) gid=1000(oinstall) 所属グルー
プ=1000(oinstall),1100(asmadmin),1200(asmdba),501(dba)
上記の対応により、ディスクグループの選択画面は以下のようになります。
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今回は、通常のサポート契約ではご案内できないVMwareやOSの設定を含めて、サポートセンターが持つ技術ノウハウをご紹介しました。今後もブログならではの情報を発信していきたいと思います。
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2006年にアシストに入社し、2011年よりバックサポートとしてお客様対応を行なっているメンバーのフォローを主に行っています。バックサポートの活動として、メンバーが利用する検証環境を構築しています。このブログでは、検証環境構築の手順や、これまでのサポート業務で蓄積してきたノウハウを提供します。
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前回の記事でOCVS)でHCXを利用するための前提となる手順の前半をお伝えしました。本記事では後続の手順であるサービスメッシュ作成・L2延伸手順を記載し、仮想マシンを移行できる状態、つまりHCX環境の構築完了までを説明します。
23aiで読取り専用モードの機能が拡張されました。ユーザー/セッション単位で読み書き可能/読取り専用モードの使い分けができるようになり、今まで以上にメンテナンス操作やアプリケーションからの接続の権限管理が柔軟にできるようになっています。
Oracle Database 23aiの新機能であるロックフリー予約により、トランザクション同士がブロックすることなく、効率的なデータ更新を実現できます。本記事では、ロックフリー予約の使い方をご紹介します。