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  • AWS
2023.07.11

AWSの料金見積もり方法|料金計算ツールの使用方法を詳しく紹介

AWS Transit Gateway

従量課金制のAWSは利用するにあたり、どのくらいの予算を確保すべきなのか見当が付きにくい傾向があります。実際に利用を検討している方の中には、「いくらくらいかかるのだろう?」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで当記事では、AWSの利用料金の見積もりを自分で行う方法をご紹介します。


1.AWSの見積もりを自分で行う方法

自分でAWSの利用料金を見積もりたい場合は「AWS Pricing Calculator」というWebベースのツールが便利です。
AWS Pricing CalculatorはAWSが提供している料金計算ツールで、無料で利用できます。AWS Pricing Calculatorを使用することで、サービス毎の利用料金の算出、見積もり結果のエクスポート、共有が可能です。

AWS Pricing Calculatorの見積もり画面

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中には複雑な料金体系もあり、入力内容に迷う場合もあると思います。人手や期限など、状況によっては支援サービスの利用も選択肢の一つです。例えば、弊社の請求代行サービスでは、弊社社員がお客様に代わって利用料を見積もることも可能です。

 アシストの「AWS請求代行サービス」とは?

2.料金計算ツール「AWS Pricing Calculator」の使用方法

以降では、料金計算ツール「AWS Pricing Calculator」の使用方法を解説します。なお、本記事の画面キャプチャーについては、記事執筆時点の画像ですので最新の画面とは異なる可能性もございます。

2-1.「料金計算ツール」の利用手順

料金計算ツール「AWS Pricing Calculator」の利用手順をご紹介します。

1. 事前準備

(ア) 次のURLをクリックして、AWS Pricing Calculatorにアクセスします。
 
   https://calculator.aws/#/

(イ) 表示言語を日本語に変更します。

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(ウ) [見積もりの作成]をクリックします。

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2. サービス毎の見積もり

例として以下の構成における利用料を見積もります。

見積り対象のAWS構成図

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(ア) EC2の見積もり
① 「リージョンを選択」で「アジアンパシフィック(東京)」を選択し、「サービスを検索」で「EC2」と入力し、表示された「Amazon EC2」の[設定]をクリックします。

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② 「説明」にサービスの利用目的など任意の情報を入力します。本例では「Webサーバ」と入力します。

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③ 以降は要件に合わせて入力内容を編集します。本例では以下の項目を編集します。
 1. インスタンスタイプを「m6i.xlarge」に設定

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 2. お支払いオプションを「オンデマンド」に設定
 ※オンデマンドは一般的な従量課金の支払いタイプです。

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 3. Amazon Elastic Blok Store (EBS)のストレージ量を「100GB」に設定

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④ 設定が完了したら最下部の[サービスを保存して追加]をクリックしてEC2の見積もりは完了です。

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(イ) RDSの見積もり
 ① 「サービスを検索」で「RDS」と入力し、表示された「Amazon RDS for MySQL」の[設定]をクリックします。

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 ② 「説明」にサービスの利用目的など任意の情報を入力します。本例では「Web用DB」と入力します。

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 ③ 以降は要件に合わせて入力内容を編集します。本例では以下の項目を編集します。
  1. デプロイオプションを「Single-AZ」に設定

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  2. ストレージ量を「500GB」に設定

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④ 設定が完了したら最下部の[サービスを保存して追加]をクリックしてRDSの見積もりは完了です。

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(ウ) VPCの見積もり
 ① 「サービスを検索」で「VPC」と入力し、表示された「Amazon Virtual Private Cloud (VPC)」の[設定]をクリックします。

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 ② 「説明」にサービスの利用目的など任意の情報を入力します。本例では「Web用VPC」と入力します。

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 ③ 以降は要件に合わせて入力内容を編集します。本例では以下の項目を編集します。
  1. 「見積る VPC サービスを選択」で「VPN Connection」をオフにし、「Data Transfer」をオンに設定

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  2. 「データ転送」の「送信データ転送」でInternet通信を100GB/月に設定

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 ④ 設定が完了したら最下部の[サービスを保存して追加]をクリックしてVPCの見積もりは完了です。

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3. 合計料金の確認

 (ア) 合計料金の確認をするには画面右下の[概要を表示]をクリックします。

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 (イ) 見積り金額を確認します。本例の場合1か月の利用料金見積合計は509.02 USD、12か月の場合は6,108.24 USDであることが確認できます。

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2-2.算出した見積もりは共有が可能

「AWS Pricing Calculator」で算出した見積もりは複数人で共有可能です。見積りデータは AWS のパブリックサーバーに保存され、パブリック共有リンクを持つユーザーは誰でも見積りにアクセスできます。共有しておけば、社内説明での利用や、後から見積もり内容を確認するのに役立ちます。

1. 見積もりを共有する手順は以下の通りです。画面左上の[編集]をクリックします。

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2. 任意の名前を入力し[保存]をクリックします。本例では「Webサイト見積」と入力します。

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3. [共有]をクリックします。

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4. 内容を確認して問題なければ[同意して続行する]をクリックします。

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5. 表示されたパブリックリンクをコピーします。

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6. パブリックリンクのURLにアクセスすると作成した見積を閲覧できます。

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3. 「料金計算ツール」の注意事項

AWS Pricing Calculatorは便利なツールですが、中にはカバーしきれていない情報もあります。
例えば、東京リージョンではAWS Directory ServiceのSimple ADで「Large」か「Small」タイプを利用可能です。しかし、AWS Pricing Calculatorでは「Large」しか見積もることができません。

「Simple ADのサイズ」に「Large」しか表示されない

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このような場合は各サービスのオフィシャルページの料金表を確認します。Simple ADの場合は以下のページで「Small」の料金を確認することができます。

 その他のディレクトリタイプ の料金表
  https://aws.amazon.com/jp/directoryservice/other-directories-pricing/

「Simple ADのサイズ」に「Small」(スモール)の料金も確認可能

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まとめ

本記事でご紹介したAWS Pricing Calculatorを使用すれば、簡単に見積を作成できるようになります。

ただし、中には複雑な料金体系のサービスも存在するため、そのサービスを全く利用したことがない場合は、どのような値を入力すべきか迷う場合もあると思います。弊社の請求代行サービスをご利用いただける場合は、弊社社員がお客様に代わって利用料を見積もることも可能です。もし、料金見積りについてお困りごとがあれば、ぜひお問い合わせください。

 アシストの「AWS請求代行サービス」とは?  AWS関連のお問い合わせはこちら


執筆者情報

さえき りゅうすけ プロフィール

2008年新卒入社。eラーニング製品、MySQL、Verticaなどのエンジニアを経て、2019年から2年間限定で採用活動を担当。2021年に技術職に戻り、AWSに関する支援や研修の提案に従事している。趣味は大学時代から続けているギター。「最近成長が止まっている」と思い始めて10年以上経過している。...show more



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