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Oracle AI World Tour Tokyo 2026に今年も出展しました!
今年もアシストはOracle AI World Tour Tokyo 2026に出展しました。「AIの真価はデータ基盤で決まる」をメッセージに、既存システムを改修しない「AIサイドカー戦略」をご紹介。AI活用やOCI移行に関するお客様の興味関心も増したイベントのハイライトを詳しくレポートします。
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前回の記事「VMwareをOracle Cloudで利用するメリットとは?」でお伝えしたとおり、Oracle Cloud VMware Solution(以下、OCVS)を構築するとVMwareの複数の機能が利用可能です。
それらの機能の中で、今回はVMware HCX(以下、HCX)の概要や具体的な機能、OCVSでHCXを利用するメリットなどをお伝えします!
Index
HCXがどのような機能を提供するかご存じでしょうか?
(恥ずかしながら、現在の業務を担当する10か月ほど前まで私は名前を聞いたことがあるかどうかレベルでした。。
OCVSの業務に携わることになり、具体的に勉強を開始したというのが正直なところです。)
HCXは、オンプレミスの仮想マシンをクラウド環境へ移行する機能を提供しています。
実際には、HCXアプライアンスの仮想マシンをオンプレミス環境・クラウド環境の両環境に作成し、そのアプライアンス同士が通信を行うことで、移行を実現させるという動作です。
細かい動作は一旦さておき、HCXとは「オンプレミスの仮想マシンをクラウドへ移行するソリューション」と覚えていただければと思います!
それではもう少し具体的な機能を何点か説明します!
まずはL2延伸です。世の中でクラウド化が一般的となってから、よく耳にする言葉ですね。
同一ネットワークにあるサーバーはLayer 2(レイヤー2、データリンク層)で通信を行っていますが、ルーターがLayer3(レイヤー3、ネットワーク層)にあるため別セグメントにあるサーバーとの通信はできません。
そこで、異なるネットワークを統合し、あたかもLayer2同士のように見せかけ、通信できる状態にする技術がL2延伸です。
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L2延伸の概要 |
HCXでは、HCXの管理UI上から、簡単にL2延伸を設定・実施することが可能です。
実際の設定画面は今後の記事で紹介予定ですので、お楽しみに!
続いて、Mobility Optimization Networking(以下、MON)をご紹介します。
MONは、トロンボーン現象を回避するための機能です。
トロンボーン現象とは、L2延伸したネットワークにあるサーバーが別サイトのゲートウェイ(ルーター)に接続を試みる無駄な通信が発生することです。
これは、デフォルトゲートウェイがL2延伸元のネットワークに存在することが原因です。
例えば、オンプレミスとクラウドのネットワークを2つL2延伸し、それぞれのネットワークにある仮想マシン2台をクラウドへ移行させたとします。
L2延伸したネットワーク上にあるクラウドの仮想マシン同士で通信を行う場合、ゲートウェイはオンプレミスに存在するままなので、一度オンプレミスのゲートウェイを経由してから再度クラウドへ戻ってくるという通信の仕方をします。これは明らかに非効率ですね。
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トロンボーン現象 |
そんなトロンボーン現象を回避するための機能がMONです。
MONを有効にすると、クラウドにあるゲートウェイをデフォルトゲートウェイとして利用できるようになります!
これにより、無駄な通信コストを抑制することが可能です。
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MON有効化時の通信の流れ |
なお、MONを利用するためにはHCX Enterpriseライセンスが必要ですので、MONを利用する際にはご留意ください。
最後に、仮想マシンの移行方法も説明します。
HCXでは、以下の表にある4つの移行方法を提供しています。
| 移行方法 | 起動状態での移行可否 | 複数仮想マシンの同時移行可否 | ライセンス |
| Cold Migration | × | × | Advanced |
| Bulk Migration | △(起動状態で可能であるが、再起動発生) | ○ | Advanced |
| vMotion Migration | ○ | × | Advanced |
| Replication Assisted vMotion(RAV) | ○ | ○ | Enterprise |
簡単にそれぞれを説明します!
・Cold Migration
仮想マシンを停止した状態で移行する方法で、移行時に仮想マシンの停止が許容される際に適しています。
複数仮想マシンを同時に移行させることはできません。必要ライセンスはAdvancedです。
・Bulk Migration
vSphere Replication(仮想マシンを複製する機能)を利用した移行方法で、移行時に仮想マシンの再起動が許容される際に適しています。
複数仮想マシンを同時に移行させることが可能です。必要ライセンスはAdvancedです。
・vMotion Migration
vSphereのvMotion機能を利用した移行方法で、移行時に仮想マシンの停止を許容できない際に適しています。
複数仮想マシンを同時に移行させることはできません。必要ライセンスはAdvancedです。
・Replication Assisted vMotion(RAV)
データのコピーはvSphere Replication、最終ステップの仮想マシンの移動はvMotionを利用する方法で、移行時に仮想マシンの停止を許容できない際に適しています。
複数仮想マシンを同時に移行させることが可能です。必要ライセンスはEnterpriseです。
それぞれの特徴や移行状況を理解し、適切な移行方法を検討してください。
なお、この移行方法もHCX UI上から選択します。実際の選択画面は別の記事で紹介予定です!
ここまでで、HCXの概要や機能をご理解いただけたかと思います。
最後に、OCVSにおけるHCXのメリットもお伝えします。
1) ライセンス利用料がOCVSの費用に含有
2) ネットワークの設定変更不要
OCVSのHCXでは、ライセンス利用料がOCVSの費用に含まれています。
そのため、費用面の管理が容易となるのが一番のメリットかと思います。
ただ、シェイプによってはHCXのライセンス利用料が別途発生する点にはご注意ください。
ESXiはStandard・DenseIO・GPUのシェイプで作成可能ですが、DenseIOで作成した場合、HCX Enterpriseライセンスの利用には別途コストが発生します。
このHCX Enterpriseライセンスは月次でのコスト、つまり最低でも1か月分のコストが発生します。
DenseIOで構築したESXiを構築後1か月以内に削除しても、ライセンスは再利用できないので、Enterpriseライセンス利用時にはご注意ください!
オンプレミスからの移行時に、IPアドレスなどのネットワークの設定変更が不要なので、アプリケーションやシステムの改修が必要ありません!
OCVSでHCXを利用することにより、アーキテクチャを変更せずにそのままクラウドリフトできることは大きな特徴かと思います!
HCXの概要やOCVSでHCXを利用するメリットをお伝えしました。いかがでしたでしょうか。
オンプレミスでVMwareを利用しているお客様にも、HCXがどのような機能か、またOCVSでHCXを利用するメリットを理解いただけたかと思います。
移行先の選択肢としてOCVSがあり、移行方法の1つとしてHCXという便利な機能があることを覚えていただけたら幸いです。
次回のブログでは、「OCVSでHCXを利用するための準備」をテーマにお伝えする予定ですので、どうぞお楽しみに!
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