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Autonomous Database 23ai 新機能!Select AIでSQLやデータを自動生成!
Oracle Database 23aiでは生成AIに関連する新機能が多く追加。特にAutonomous Database 23aiの「Select AI」機能は大規模言語モデル(LLM)を使用して、自然言語による問い合わせやテストデータの自動生成が可能に。本記事では、Select AIの機能について検証結果を交えて紹介します。
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クラウドを使い始めたいけど、何から始めたらいいの?と困っている方は多いはず。
そんな方への情報収集のネタとして、アシスト社内にあるオンプレミス環境とOracle Cloudを接続するために実施した経験を共有します。
これからクラウドを利用したいという方のお役に立てれば幸いです。
前回は、オンプレミス環境とOracle Cloudを接続するためのOracle Cloudの基本構成を用意しました。
今回は、Oracle CloudとVPN接続を構築します。
Oracle CloudにVPN接続を作成し、オンプレミス環境のルータの設定を行います。
そして、オンプレミス環境のノートパソコンとOracle Cloud側のコンピュート・インスタンスを使って疎通確認を行います。
目指すゴールの形は以下の図になります。
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作業工程を記載します。
1. 配線(オンプレミス側)
2. Oracle CloudにCPEを作成
3. Oracle CloudにVPN接続を作成
4. オンプレミス側のルータ設定
5. 疎通確認
オンプレミス側のルータ周辺の配線をします。
今回は、YAMAHAのRTX830を使用します。
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Oracle CloudにCPEを作成します。
CPEとは、Customer Premises Equipmentの略で顧客構内機器を意味します。
つまり、オンプレミス側に設置しているルータのことを指します。
ルータに付与するパブリックIPアドレスの設定や、ベンダー(メーカー)やファームウェアバージョンなどを登録します。
項目 | 設定値 | 備考 |
---|---|---|
名前 | CPE_YAMAHA_RTX830 | |
コンパートメント | Compartment_01 | |
パブリックIPアドレス | X.X.X.X ※セキュリティの観点から、マスクしています。 |
ISPから割り当てられた固定のグローバルIPアドレス。 今回の場合は、NUROを契約した際に発行されたものを使います。 |
CPEベンダー | YAMAHA | |
プラットフォームバージョン | RTX RTX830 Firmware Rev.15.02.03 | 実機のファームウェアと一致するものが選択肢にない場合は、近いバージョンのものを選択します。 選択リストにあるものはOracle社が動作検証を行ったバージョンであり、一致していなくても動作に問題はありません。 |
Oracle CloudにVPN接続を作成します。
上記で作成したCPEとの紐付けや、VPNトンネルに付与するIPアドレスなどを設定します。
項目 | 設定値 |
---|---|
コンパートメント | Compartment_01 |
名前 | VPN_01 |
顧客構内機器コンパートメント | Compartment_01 |
顧客構内機器 | CPE_YAMAHA_RTX830 |
動的ルーティング・ゲートウェイ・コンパートメント | Compartment_01 |
動的ルーティング・ゲートウェイ | DRG_01 |
VPNトンネル | 項目 | 設定値 | 備考 |
---|---|---|---|
トンネル1 | 名前 | Tunnel1 | |
共有シークレット (事前共有キーとも呼ばれる) |
ZfF4Lj2lqTVPYS0P23Yphd22PN2zTGizjcrim16IsaMOAnSleO9QnnEA65qSDptd | Oracle Cloudで自動発行されます | |
IKEバージョン | IKEv1 | ||
ルーティングタイプ | BGP動的ルーティング | ||
BGP ASN | 64512 | プライベートAS番号を使用 | |
トンネルIPアドレス(CPE側) | 10.0.0.16/31 | マスク長が/30か/31の小さいネットワーク・アドレスを指定 | |
トンネルIPアドレス(Oracle Cloud側) | 10.0.0.17/31 | ||
トンネル2 | 名前 | Tunnel2 | |
共有シークレット (事前共有キーとも呼ばれる) |
v8cppI6cv4x2BkzQDCgYWVLRknDlMOvylhIAbCef667SSXB4ITo0U9v9M0uQc0cJ | Oracle Cloudで自動発行されます | |
IKEバージョン | IKEv1 | ||
ルーティングタイプ | BGP動的ルーティング | ||
BGP ASN | 64512 | プライベートAS番号を使用 | |
トンネルIPアドレス(CPE側) | 10.0.1.16/31 | マスク長が/30か/31の小さいネットワーク・アドレスを指定 | |
トンネルIPアドレス(Oracle Cloud側) | 10.0.1.17/31 |
オンプレミス側のルータ設定を行います。
ルータと作業用端末をシリアルケーブルで接続します。
端末ソフトウェアにTera Termを使用しています。
console columns 4096 console lines infinity login timer clear ip route default gateway x.x.x.x ※セキュリティの観点から、マスクしています。 ip route 172.35.0.0/16 gateway tunnel 1 hide gateway tunnel 2 hide ip lan1 address 192.168.200.254/24 ip lan2 address x.x.x.x/24 ※セキュリティの観点から、マスクしています。 ip lan2 nat descriptor 1 tunnel select 1 description tunnel OCI-VPN1 ipsec tunnel 1 ipsec sa policy 1 1 esp aes256-cbc sha-hmac ipsec ike duration ipsec-sa 1 3600 ipsec ike duration isakmp-sa 1 28800 ipsec ike encryption 1 aes256-cbc ipsec ike group 1 modp1536 ipsec ike hash 1 sha256 ipsec ike keepalive log 1 off ipsec ike keepalive use 1 on dpd 5 4 ipsec ike local address 1 x.x.x.x ※セキュリティの観点から、マスクしています。 ipsec ike local id 1 0.0.0.0/0 ipsec ike nat-traversal 1 on ipsec ike pfs 1 on ipsec ike pre-shared-key 1 text ZfF4Lj2lqTVPYS0P23Yphd22PN2zTGizjcrim16IsaMOAnSleO9QnnEA65qSDptd ipsec ike remote address 1 140.204.10.55 ipsec ike remote id 1 0.0.0.0/0 ip tunnel address 10.0.0.16/31 ip tunnel remote address 10.0.0.17 ip tunnel tcp mss limit auto tunnel enable 1 tunnel select 2 description tunnel OCI-VPN2 ipsec tunnel 2 ipsec sa policy 2 2 esp aes256-cbc sha-hmac ipsec ike duration ipsec-sa 2 3600 ipsec ike duration isakmp-sa 2 28800 ipsec ike encryption 2 aes256-cbc ipsec ike group 2 modp1536 ipsec ike hash 2 sha256 ipsec ike keepalive log 2 off ipsec ike keepalive use 2 on dpd 5 4 ipsec ike local address 2 x.x.x.x ※セキュリティの観点から、マスクしています。 ipsec ike local id 2 0.0.0.0/0 ipsec ike nat-traversal 2 on ipsec ike pfs 2 on ipsec ike pre-shared-key 2 text v8cppI6cv4x2BkzQDCgYWVLRknDlMOvylhIAbCef667SSXB4ITo0U9v9M0uQc0cJ ipsec ike remote address 2 140.204.10.58 ipsec ike remote id 2 0.0.0.0/0 ip tunnel address 10.0.1.16/31 ip tunnel remote address 10.0.1.17 ip tunnel tcp mss limit auto tunnel enable 2 bgp use on bgp autonomous-system 64512 bgp log neighbor bgp neighbor 1 31898 10.0.0.17 hold-time=180 local-address=10.0.0.16 bgp neighbor 2 31898 10.0.1.17 hold-time=180 local-address=10.0.1.16 bgp router id 10.0.0.16 bgp import filter 1 include 192.168.200.0/24 bgp import 31898 static filter 1 bgp export filter 1 include 0.0.0.0/0 bgp export 31898 filter 1 ipsec auto refresh on telnetd service on telnetd host lan dhcp service server dhcp server rfc2131 compliant except remain-silent dhcp scope 1 192.168.200.1-192.168.200.10/24 dns server 118.238.201.33 118.238.201.49 statistics traffic on |
コマンド | 意味 |
---|---|
administrator | 管理者ユーザに移行するコマンド |
cold start | ルータの設定を工場出荷時状態に戻すコマンド |
show config | 全ての設定内容を表示するコマンド |
save | 設定した内容を保存するコマンド |
restart | ルータを再起動するコマンド |
show ipsec sa | IPSec SA(Security Association)を表示するコマンド |
show status bgp neighbor | BGP状態を表示するコマンド |
show ip route | 経路情報テーブルを表示するコマンド |
オンプレミスにあるノートパソコンから、Oracle Cloud上のコンピュート・インスタンスとDBシステムへの疎通確認を行います。
コマンド | 意味 | 備考 |
---|---|---|
ping -sa XXX YYY | XXXのIPアドレスから、YYYのIPアドレスに対してpingコマンドを発行 | ルータには2つのIPアドレス(オンプレミス側とインターネット側)があるため、XXXにIPアドレスを明示的に指定することで疎通確認が可能 |
コマンド | 意味 | 備考 |
---|---|---|
ifconfig | ネットワークインタフェースの情報を表示するコマンド | 自ノードが持つIPアドレスを確認する目的で使用 |
ping | ICMP(Internet Control Message Protocol)のechoコマンドを利用して、指定した相手先とのネットワーク接続の確認をするコマンド |
VPN接続の作成は以上となります。
次回は、閉域網接続を作成します。
オンプレミス環境とクラウドを接続してみよう!~4.閉域網接続の構築~
「オンプレミス環境とクラウドを接続してみよう!」連載一覧
1.オフィス環境準備
2.Oracle Cloud環境準備
3.IPSec VPN接続の構築
4.閉域網接続の構築
学生時代に研究室のSunワークステーションの管理者になったのをきっかけにSIerに就職。
Linux系インフラエンジニアの道を歩みながら,Oracle RACのクラスタリング技術に衝撃を受けてアシストに転職。
Oracle、InfiniDB、Verticaを経て、現在はAWS、Oracle Cloudを担当。
趣味はピアノと筋トレ。...show more
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Oracle Database 23aiでは生成AIに関連する新機能が多く追加。特にAutonomous Database 23aiの「Select AI」機能は大規模言語モデル(LLM)を使用して、自然言語による問い合わせやテストデータの自動生成が可能に。本記事では、Select AIの機能について検証結果を交えて紹介します。
前回の記事では、HCXの概要をお伝えしました。今回はOCVSでHCXを利用するための検討ポイントや前提事項を説明します!
今年9月にラスベガスで開催された「Oracle CloudWorld 2024」。その中で発表されたニュースの中でも一番の注目を集めたのが「Oracle Database@AWS」。今後大注目の『Oracle Database@AWS』に関して、これまでのオラクル社のマルチクラウド対応の歴史なども踏まえてご紹介します。