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2026.10.20

OCI Top Engineerが注目するOracle AI World 2026【マルチクラウド編】―「どこで動かすか」から「どう使いこなすか」へ―

Oracle AI World 2026おすすめセッション【マルチクラウド編】

2026年10月25日から28日まで米国ラスベガスで「Oracle AI World 2026」が開催されます。本イベントでは、オラクルの最新技術やユーザー企業の活用事例を、セッションやデモを通じて知ることができます。

前回の記事では「AI」をテーマに注目セッションについてお伝えしました。
AI編の記事はこちらをご覧ください。


今回は、そのAI活用を支えるデータ基盤を「どこに置き、どのクラウドのサービスと組み合わせるか」という視点から、Oracle AI Databaseを中心とした「マルチクラウド」に注目します。

近年、オラクル社はマルチクラウドに非常に注力しており、その代表とも言えるのが、オラクル社と各ハイパースケーラーが共同で提供している「Oracle AI Database@Hyperscaler」です。

2024年のOracle CloudWorld 2024で発表された「Oracle Database@AWS」(現在の「Oracle AI Database@AWS」)は、現在、日本国内のリージョン(東京リージョン及び大阪リージョン)でも利用することができ、非常に注目度が上がっているサービスの一つです。

さて、今回のOracle AI World 2026ではどのようなマルチクラウド関連セッションが予定されているのでしょうか。

前回の記事と同様に、セッション全体から見えてくる傾向とともに私が特に注目している4つのセッションをご紹介します。
今年のOracle AI Worldに参加される方は、ご自身の関心や業務上の課題に合ったセッションを選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。また、参加を予定されていない方にも、オラクル社のマルチクラウド戦略の動向を知るきっかけになればと思います。

Oracle AI World 2026のセッションから見る「マルチクラウド戦略」の傾向

2026年10月9日時点の公開カタログでは、Area of Interestに「Multicloud」が設定されたセッションは59件あります。

まず注目したいのは、登壇する企業や立場の多様さです。Oracle・AWS・Microsoft・Google Cloudのリーダーが議論するパネルディスカッションや、デルタ航空・PayPal・BNYなどのユーザー企業が登壇するセッションも予定されており、提供側と利用側の双方の視点に触れられる点は、今回の大きな見どころの1つです。

冒頭で述べたように、Oracle AI Database@Azure、Oracle AI Database@Google Cloud、そしてOracle AI Database@AWSの登場により、Oracle AI Databaseを利用する場所の選択肢は大きく広がりました。

こうした中でセッション全体を見ていて感じるのは、マルチクラウドに関するテーマがサービスの提供範囲や仕様だけでなく、企業が実際に採用する際の設計・移行・運用、そして判断の根拠へと広がっているということです。各サービスを支えるアーキテクチャやミッションクリティカルシステムの移行事例に加え、企業がマルチクラウドを選択した理由まで取り上げられています。

「各クラウドでOracle AI Databaseを利用できる」という選択肢を実際の企業システムでどう活かすのか。その具体的な取り組みや判断が語られることを期待しています。

ここからは、このような流れを知るうえで私が特に注目している4つのセッションをご紹介します。参加される方は、「現地で何を知りたいか」を軸にすると、セッションを選びやすくなると思います。


Oracle AI World マルチクラウド関連注目セッション紹介

注目セッション① : 4つのクラウド、1つの対話:OCI、AWS、Azure、Googleのリーダーが語る次なる展開 [LRN1134]

URL : https://reg.rf.oracle.com/flow/oracle/oaiw26/catalog/page/catalog/session/1781804615040001H6gJ

最初に紹介するのは、今回のOracle AI Worldにおけるマルチクラウドを象徴するようなセッションです。

本セッションはパネル形式での進行で、Oracle、AWS、Azure、Google Cloudのプロダクトリーダーが一堂に会し、マルチクラウドの今後について議論します。

個人的に注目しているのは、マルチクラウドを「ベンダーロックインを避けるための手段」ではなく、企業が意図的に採用するIT戦略として捉えている点です。

また、概要文に「率直な議論が交わされます」という言葉もあり、ポジティブトークばかりではなく難しいポイントはどこか?というリアルな会話も聞くことができるのではないかと期待しています。

競合関係にもある4社が、データやAIの活用を背景としてどのような相互運用を目指しているのか。今後のマルチクラウド戦略を考えるうえで、ぜひ確認しておきたいセッションです。

注目セッション②: 閉ざされた壁を打ち破る:Oracle Database@Everywhereを支えるエンジニアリング [LRN2423]

URL : https://reg.rf.oracle.com/flow/oracle/oaiw26/catalog/page/catalog/session/1786404746834001Pehg

次に紹介するのは、Oracle AI Database@Hyperscalerを支える技術そのものにフォーカスしたセッションです。

Oracle AI Database@AWSやOracle AI Database@Azure等のサービスは、OCIのハードウェアや管理機能を各ハイパースケーラーのデータセンター内へ展開することで、Oracle AI Databaseと各クラウドのサービスを低遅延で接続できる環境を実現しています。

本セッションは、Oracle AI Database@Hyperscalerのアーキテクチャを聞くことができるという非常に貴重な機会だと感じています。公開ドキュメントで構成を理解するだけでなく、なぜその設計を選んだのか、複数クラウドにまたがる管理をどのように成立させているのか。その設計思想や実装上の工夫を、開発側の視点から聞けることに期待しています。

Oracle AI Database@Hyperscalerが「なぜ各クラウド内でOracle AI Databaseを利用できるのか」という仕組みを理解するうえで、技術者として非常に興味深いセッションです。

注目セッション③: Deltaが飛躍する:Oracle Database@AWSでクラウド移行を加速 [SPO2614]

URL : https://reg.rf.oracle.com/flow/oracle/oaiw26/catalog/page/catalog/session/1787948686819001tTju

3つ目の注目セッションはデルタ航空によるOracle AI Database@AWSの実導入事例です。
事例セッションはどれも注目セッションとしたいところでしたが、今回は本セッションをピックアップしました。

アシストに寄せられるOracle AI Database@Hyperscalerに関するご相談も、やはりOracle AI Database@AWSに関するものは非常に多く、私自身もお客様の関心の高さを実感しています。

一方、Oracle AI Database@AWSへの移行は決して簡単なものではなく、マルチクラウド環境の正しい構成や注意点の理解、クラウド移行に伴うアプリケーション改修や停止時間、性能への影響など、多くの検討ポイントがあります。

こうした課題に対してデルタ航空がどのようなアーキテクチャを選択し、モダナイゼーションの加速やレジリエンス向上、性能改善、コスト最適化を実現したのか。実際のOracle AI Database@AWS活用を知るうえで注目したいセッションです。

注目セッション④ 実際の顧客、実際の理由:データセンターを離れ、マルチクラウドへ [LRN2421]

URL : https://reg.rf.oracle.com/flow/oracle/oaiw26/catalog/page/catalog/session/1786404746320001PuNa

最後に紹介するのは、Oracle AI Databaseを利用する企業が、なぜ従来のデータセンターからマルチクラウドへの移行を選択したのかに焦点を当てたセッションです。
本記事を読んでいる方の中にも、Oracle AI Databaseの将来的な利用として、オンプレミスを継続するのか、クラウド化に舵を切るのかに悩んでいる方が多いのではと感じています。

本セッションでは実際のユーザー企業がコストやリスク、レジリエンス、将来的なAI活用などをどのように評価し、マルチクラウドを選択したのかが紹介されます。また、採用を決めた理由だけでなく、移行後に想定と異なった点や、もう一度取り組むなら変えたい点まで踏み込んでの会話が予定されています。

マルチクラウドというとアーキテクチャやサービスの違いに注目しがちですが、実際の導入では「なぜその構成を選択するのか」という判断も非常に重要です。

Oracle AI Database@Hyperscalerの技術的なメリットだけではなく、実際のユーザーがどのような課題を持ち、何を期待してマルチクラウドへ移行したのかを知ることができる点でぜひ注目したいセッションです。


おわりに

今回は、Oracle AI World 2026で予定されているマルチクラウド関連セッションの中から、私が特に注目している4つをご紹介しました。

これらのセッションを通じて、私が現地で確かめたいのは、次の3点です。

  •  ・既存のOracle AI Database資産を、どこまで維持してOracle AI Database@Hyperscalerへ移行できるのか。
  •  ・クラウドをまたぐ構成で、設計・運用上の課題はどこにあり、それをどう解決できるのか。
  •  ・企業は、コストやリスク、将来のAI活用をどう評価し、マルチクラウドの採用を決めているのか。

「Oracle AI Databaseをどこで動かすか」だけではなく、「どのクラウドと組み合わせ、どのように企業システムへ適用していくか」へ。

今回のOracle AI World 2026では、Oracleのマルチクラウド戦略が次のフェーズへ進んでいることを、さまざまなセッションから確認できるのではないかと期待しています。

私自身も実際に現地で各セッションに参加し、Oracleのマルチクラウド戦略が今後どのように進んでいくのかを確認するとともに、OCI Top Engineerとして、お客様の構成検討や導入判断に役立つ知見を持ち帰りたいと考えています。

今年のOracle AI Worldに参加される方は、「自社のどの課題についてヒントを得たいか」「現地で何を確かめたいか」を考えながら、受講するセッションを選んでみてはいかがでしょうか。今回ご紹介した4つがその参考になれば幸いです。

次回は、AI活用を支えるデータ基盤の安全性に目を向け、「セキュリティ」をテーマに現地で注目したいセッションをご紹介します。

「OCI Top Engineerが注目するOracle AI World 2026」全3回のご案内

執筆者情報

はらだ たくろう プロフィール画像

2015年にアシストに入社後、Oracle DatabaseやOracle Cloudを中心としたフィールド技術を担当。
導入支援だけではなく、最新機能の技術検証も積極的に実施。社内外のイベントにて発表も行っている。...show more


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