
- アシストの視点
Bダッシュ委員会 DAO分科会発信
「DAOをビジネスに適用できるか」社内で実証実験
新商材・サービスの発掘・育成に取り組むBダッシュ委員会活動の中で、分散型自律組織(DAO)のビジネス適用の可能性を探り、アシストのビジネスにどう活かせるかを研究する「DAO分科会」についてご紹介します。
|
本記事では、Panopto社アジアパシフィック担当のクリストフ・ランディ氏に、アシストの佐子雅之、板木栄樹が、Panopto社がエンタープライズ分野に注力している理由、動画活用の動向、今後の展望などを中心にお話を伺いしました。
|
Panopto社アジアパシフィック担当(VP of APAC Sales) |
|
株式会社アシスト |
|
株式会社アシスト |
まずは、Panopto社がエンタープライズ分野で動画活用を推進する理由などについてお聞かせください。 |
佐子 |
ランディ氏 |
2007年米国で創業したPanopto社は、カーネギーメロン大学の研究室からスピンアウトした企業なので、教育機関のニーズに精通しています。2012年にイギリスをはじめとするヨーロッパ市場、そして5年ほど前からアジア市場へと進出し、学びのためのシステムとして始まったPanoptoは、グロ―バルそして日本でも多くの大学や教育機関で採用されています。 |
Panopto社からみて、エンタープライズ分野のどの領域で動画活用プラットフォームの需要が伸びているでしょうか。 |
板木 |
ランディ氏 |
特にニーズが多い分野としては、銀行などの金融関係です。私自身Paypalで働いていたことがあるのですが、金融は規制やセキュリティが厳しいので、いつでもどこからでも誰でも視聴可能な動画環境を安全に構築したいというセキュリティ面でのニーズが高く、Panoptoはそれにマッチします。 |
コロナ禍により教育およびエンタープライズ分野でどのような変化がありましたか? |
佐子 |
ランディ氏
|
当社の元々のメイン市場である学校の場合、例えコロナ禍という事態になってもリモートで当たり前のように授業を継続していかねばならないため、当然のことながら需要は伸びています。 |
コロナが終息しても動画活用は有効だとお考えですか? |
板木 |
ランディ氏 |
オフィスと自宅というハイブリッドの働き方の中で、いつでもどこからでも動画を検索可能なライブラリを持っていることは大きな強みですし、冒頭にお伝えした退職者のノウハウ継承のようなことも企業として必要なことに変わりありません。そのような使い方をするからこそ、セキュリティがしっかりしている動画ツールが必要です。 |
今後対面がまた主流になったとしても、非同期のコミュニケーションや、同じコンテンツを繰り返し利用できるケースでは、Panoptoにより企業の業務効率化や改善が実現しますね。 |
板木 |
Zoom等での会議が浸透し、その場でチャットでコメントしたり、その録画機能を使って動画を共有をするといったことが一般的になってきています。しかしここでさらにPanoptoを利用する理由をお客様にどうお伝えしたらいいでしょう。 |
佐子 |
ランディ氏 |
浸透という観点でいうと、これはSlackが登場した時に非常によく似ていると感じています。私自身Slackが登場したときに「Slackとメールでは機能的に重複するところもあるし、毎日多くのメールをやりとりしているのに、さらにSlackも導入するとなるとやりとりが倍になる。正直不要では」と思っていました。 |
先ほど動画は横のコミュニケーションを活性化するというお話がありましたが、情報を伝えるという観点で文章や図版との違いは何だと思いますか? |
板木 |
ランディ氏 |
特定の情報は文章などで伝えられますが、会社のミッションを伝えるといった場面のように、感情が伴うコミュニケーションには動画が有効だと思っています。 |
動画には、確かに、感情だけでなく、空気感やニュアンスといった、文字では感じ取ることのできない要素が含まれますね。文章や図版だけでもなく、何が何でも動画で伝えるのではなく、従来のコミュニケーションに動画というオプションが追加され、使い分けることで効果が高まるのではないでしょうか。 |
佐子 |
企業では部門間、部門内で意見が対立するということはよくあることですが、それは当社にももちろんあります。対立して落としどころが見つからない時に、上司に動画で会議の空気感を共有することで打開できたという事例がありました。また、お子さんが生まれた社員にプレゼントを渡している動画では、プレゼントを受け取った社員の喜ぶ顔が見え、心が温まります。それは動画ならではですね。 |
板木 |
ランディ氏 |
例えば最近Facebook(Meta)がメタバース構想を立ち上げましたが、いずれ企業の社長もアバターで会議に出席するようになるかもしれません。しかし従来のビジネスからすると、かなり大きな変革になるので、そこに行きつくまでに相当のステップが必要です。 |
アジア圏での動画の活用方法で何か特徴的なことはありますか? |
板木 |
ランディ氏 |
アジアではスマートフォンの利用率が高く、動画を活用しているケースは多いです。しかし、日本でもそうだと思いますが、企業文化的にカメラの前に立つのは役員層に限られていました。 |
アシストがお客様向けに販売を開始したのは2020年8月からですが、その1年前の2019年に、私のミッションである商品発掘の過程でPanoptoに出合いました。当初は、ツールの良さとは裏腹に、社内利用や外販に繋げるきっかけを見いだすことが難しいと感じました。ところが、コロナ禍の影響で、社員同士の繋がりがリモートになったことから「動画」に注目が集まり、社内ナレッジの共有の目的で社内導入に至りました。 |
板木 |
しかし、導入当初は、先ほどのSlackのケースと同じで「これ必要?」という社員の声も実際にあり、動画活用がすぐに軌道にのったわけではありませんでした。そこで「アンバサダー制度」を導入して社内推進役を任命し、業務でどう活用ができるか、各部門がアイデアを出し合い実践することでしだいに動画活用が定着していきました。 |
佐子 |
ランディ氏 |
「アンバサダー制度」は非常に有効ですね。みんながビデオの撮り方や共有のしかたを理解でき、動画を撮る・共有するハードルを低くできます。その他に、Panoptoのユーザーコミュニティの場を設定されたと聞いています。このように、ベストプラクティスを増やし、それを日本のお客様に広めていく活動を継続して一緒にやっていきたいですね。 |
コロナ禍の影響や働き方改革がある中で、日本だけでなく世界から様々な要望が集まってきてると思いますが、今後どういった機能を実装されていく予定なのか、可能な範囲で教えてください。 |
佐子 |
ランディ氏 |
教育分野とエンタープライズ分野の要望は異なることがありますが、当社は「みんなが簡単に使えること」を開発の基本方針にしています。ユーザーインターフェースは日々改良を重ねており、マイナーリリースは2週間ごと、メジャーリリースは年に2回です。また、ユーザーが使い慣れたプラットフォームで簡単に使えるように、サードパーティ製のプラットフォームとの連携を模索していて、最近のリリースではMicrosoftのTeamsや365との連携を発表しました(取材対応時:2022年5月)。 |
最後にアシストに期待しているところをお聞かせください。 |
板木 |
ランディ氏 |
当社は日本にオフィスがないため、日本企業のニーズをきちんと把握しているパートナーの存在が必要不可欠です。教育分野に強いパートナーは数社いますが、アシストは日本の大手企業6,000社のITを支援しており、日本企業のニーズとテクノロジー、この両方に精通しているところが大きな強みです。 |
仰っていただいたように、我々が社内で実践していること、ユーザーコミュニティで得た気づきなどをお客様にもお伝えし、動画活用でお客様に貢献していきたいと考えています。 |
佐子 |
(取材日:2022年5月9日)
最後までご覧いただきありがとうございました。
本記事でご紹介した製品・サービスに関するコンテンツをご用意しています。また、この記事の他にも、IT技術情報に関する執筆記事を多数公開しておりますのでぜひご覧ください。
新商材・サービスの発掘・育成に取り組むBダッシュ委員会活動の中で、分散型自律組織(DAO)のビジネス適用の可能性を探り、アシストのビジネスにどう活かせるかを研究する「DAO分科会」についてご紹介します。
生成AI時代に改めて考えたいセキュリティ対策について、後編では「生成AIを活用したセキュリティ対策」を中心に解説します。
生成AI時代に改めて考えたいセキュリティ対策について、前編では「生成AIが使われる攻撃への対策」、「生成AIを利用する場合の対策」を中心に解説します。