
株式会社アシスト 代表取締役会長
ビル・トッテン
11月の第4木曜日、私が生まれ育ったアメリカでは、感謝祭、サンクスギビングデーのお祝いをします。それはクリスマスと同じくらい盛大で大切な行事です。私が子供の頃、母が大きな七面鳥の丸焼きと、ドレッシングと呼ばれる詰め物をたくさん作って、収穫の恵みに感謝しながら家族でいただいたことは今でも忘れられません。大量に作った七面鳥やポテトは、お正月のおせち料理のようにその後1週間くらい食卓にのぼりますが、私はそれを食べるのが大好きでした。
日本で同じように家族が集まるのはお正月しかないと思っていましたが、家庭菜園や養蜂を始めてから、日本でも秋に「収穫祭」が行われていることを知りました。稲穂の国、日本人の主食である米を始め、実りの秋に食糧が確保されたことを神様に感謝したのが始まりでしょう。
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そんなわけで今年も、京都府綾部市の北西部にある志賀郷(しがさと)で開かれた収穫祭に参加させてもらいました。ニホンミツバチの師匠や先輩たちが集う楽しい会です。主催の志賀さんによると、以前は近くで採れた松茸を楽しむことを目的に皆で集まっていたそうですが、ここ7,8年は採れなくなってしまったとのこと。でも松茸がなくても感謝していただくものがたくさんあります。
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ミツバチの巣箱を作られている志賀さんが自作された、イノシシ捕獲用の罠を見せてもらいました。
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さらに石窯まで手造りされたのには驚きでした。集まった面々には地元の和菓子屋さんやお寿司屋さんもいらっしゃるので、手作りのピザがどんどん焼かれ、差し入れされたアジがさばかれていきます。私はもっぱら料理と会話を楽しませてもらいました。
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ニホンミツバチについて言えば、今年は我が家だけでなく京都や大阪から参加された他の方もまったくだめだったそうです。13群もいたニホンミツバチが0になってしまった方もいて、ダニや、「サックブルート病」も原因の一つだと伺いました。蜂の体力が弱り、蜂子を捨ててしまい最後にスムシが涌いて群れが崩壊するというものです。
ニホンミツバチは在来種で野生の蜂です。セイヨウミツバチは明治時代に輸入された外来種で、スズメバチの影響で野生化できませんが、はちみつはたくさん採れるので市販のはちみつはほとんどがセイヨウミツバチだそうです。
セイヨウミツバチを趣味で飼う人もいるそうですが、収穫祭に集まったのは、はちみつを採ることが目的ではなく、ニホンミツバチの飼育を通して様々な人と知り合うことを楽しむ週末養蜂家です。今年、はちみつは採れませんでしたが収穫祭を満喫させていただきました。来春こそニホンミツバチを捕獲できるのを期待します。
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