
株式会社アシスト 代表取締役会長
ビル・トッテン
10月半ばの晴れた週末、京都の北部にある美山町へ鶏のヒナを買いに行きました。美山町は京都市の北に接する南丹市にあります。かやぶきの里で有名な町で、その美しい景観はまさに日本の田舎と呼ばれるにふさわしいところです。そんな緑あふれる山ときれいな空気、名水もある美山にはいくつも養鶏場があります。
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私が訪ねたのは友人から紹介された養鶏場です。友人は京都のイタリアンレストランのオーナーシェフで、彼のレストランでは美味しい生パスタや生ハムなど、何でも自家製なだけでなく、有精卵も自家飼育です。彼が飼っている鶏が美山の養鶏場から来ることを聞き、我が家も鶏を譲ってもらうようになりました。美山へは家から車で1時間半くらいかかります。車というとリヤカーと自転車しか持っていないので、こういう時には車を持っている友人に頼んで一緒に行ってもらいます。
美山は、新緑や紅葉、真冬の雪景色と、いつ訪れても美しい景観を見せてくれます。10月なのでまだ紅葉には少し早かったのが残念ですが、山間のため赤く色づき始めた木々もありました。
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我が家で元々飼っていた6羽の鶏はまだ卵を産んでいます。でも産まなくなってからヒナを飼いだすと、卵を産むまでに数か月かかるため、その間卵のない時期ができてしまうので今回はそれを見込んで早めにヒナを迎えることにしました。養鶏場の人が捕まえてくれて、持参した段ボールに積み込みます。
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帰りみち、美山の名水で水を汲みました。美山は水も、とても美味しいのです。
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家に着いた頃にはすっかり日も落ちていました。鶏小屋にはまだ6羽の鶏がいるので、近所の農家からたくさんもらってきた藁を納戸に敷いて、数ヵ月間、このヒナたちはここで暮らすことになります。段ボールをあけると6羽のヒナたちは、美山のたくさんの仲間たちから離されたためか、最初はおびえているようでしたが、すぐに餌のところへやってきました。
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自給自足の生活で菜食主義に徹すれば菜園活動はもっとシンプルになるでしょう。でも肉や卵のような動物性の食物も私は捨てがたいのです。先日、WHOがハムやソーセージなどの加工肉が発がん性があるという警告のレポートを出しましたが、現代社会では「身体に有害」と言われるものを徹底的に排除することは、外食も多い私にとって容易ではありません。だからこそ、家で食べるものは、なるべく自然なもの、自分で手掛けたものを食べたいと思います。
飼っている鶏やウサギを食用にするという話をすると、顔をしかめる人もいますが、そういう人たちも、誰かが育て、さばいた動物たちを食しているのです。我が家の鶏たちもいずれ食卓に上ることになります。それまでの間、抗生物質などの入っていない自然な餌を与え、私が畑仕事をするときは畑に放したりして、しばらくの間、共に暮らしていくことになります。ヒナたちを含めて、今、我が家の鶏は12羽になりました。
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