
株式会社アシスト 代表取締役会長
ビル・トッテン
わが家のニホンミツバチの群れは無事に夏を越し、いよいよ採蜜の時期になりました。
一年に何度もハチミツが採れるセイヨウミツバチと違い、ニホンミツバチの採蜜は1年に多くても数度です。春に捕獲した群れは夏頃から十分な量のハチミツが貯まるようですが、今回の群れは譲っていただいた群れで、わが家に来たのも5月半ばを過ぎていたので、10月末に採蜜をすることになりました。といっても私一人ではできないので、ニホンミツバチ愛好家の志賀さんに来ていただきました。ニホンミツバチは大人しく、庭に巣箱が置いてあっても刺されたことはありません。一度刺すとミツバチは死んでしまいますのでそう簡単に刺すことはないのです。でも自分たちの巣を守る場合は別なので、採蜜作業の時は面布を被ります。
|
|
|
巣箱の上にいるハチを下の方へ行かせるために巣箱の上をたたき、それからふたを開けました。それでもまだ上の方に、背中にふわふわの綿毛を背負ったたくさんのニホンミツバチが残っていて、そんなミツバチたちが花と巣箱を往復してためたハチミツを横取りするわけで、申し訳ないと思いつつも巣の上部に溜まった金色に光るハチミツにわくわくします。巣箱の中に風を送って中に入っているハチを下の巣箱の方に移動させます。それから箱の下の板1枚をワイヤーで横に切り離し、志賀さんが持ってきてくれたボックスへ移しました。上蓋の中まで巣ができています。巣箱一段ごとに、びっしりと蜜蝋で作られた巣板の中にハチミツが溜まっていて、さらさらした蜜が垂れて良い香りがします。
|
|
|
わが家には濾過器がないので、これ以降の作業は持ち帰ってもらって志賀さんにお願いすることになります。蜜は糖度が低いと発酵してしまい保存ができないので、糖度を上げる必要があり、かといって発酵しないよう加熱すれば菌は死んでもハチミツの風味が損なわれるので40度に加湿し除湿機で水分を抜き、糖度を上げるのだそうです。
|
|
蜜の詰まった巣は、金色だったり琥珀色だったり、巣箱によって色が微妙に違っても、どれも美しいおなじみの六角形が並んでいます。働きバチはこの中で育児をしたり、ハチミツを貯蔵しているのだと思うと、自然の営みに畏怖の念を抱かずにはいられません。
|