
株式会社アシスト 代表取締役会長
ビル・トッテン
家にいる時、私はたいてい音楽を聴きながら仕事をしています。適度な音楽は集中力や思考力を高めてくれる気がします。夏になるとそれに加わるのがカエルの鳴き声です。近くの田んぼへ探しにいこうと思っていた矢先、ちょうど良いタイミングで、綾部でニホンミツバチ養蜂家の集まりがありました。
久しぶりに会う養蜂家の方々との挨拶もそこそこに、田んぼの脇の用水路へ向かいました。近年農薬などの影響で水に住む生物の数が減っているとはいえ、アメンボウ、アカハライモリ、タニシ、そしてオタマジャクシなどがたくさん棲息しています。童心に返ってオタマジャクシを捕りました。
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私を含め、京都近郊の「週末養蜂家」がミツバチの師匠の志賀さんを慕って集まるこの会では、志賀さんが作った石窯で焼くピザをはじめ、美味しい料理がふるまわれます。今回はそれに加えて綾部のお寿司屋さんの船本さんが舞鶴の新鮮なイワシなどでお寿司を握ってくれました。すでに夏がきたかのような暑さでしたが、緑の中で一日皆で談笑し、楽しく有意義な時間を過ごしました。
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用水路でたくさん捕ったオタマジャクシは、ペットボトルに入れてわが家に持ち帰りました。すでに何匹かは手足がでて、カエルの様相を見せ水面に上ってきています。
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普通のカエルは水中に産卵するのですが、樹上に卵を産むモリアオガエルというカエルがいます。卵は白い泡に包まれ、その泡が卵を乾燥から守っているのですが、今年は6月に雨が少なく、京都でも干からびてしまったモリアオガエルの卵塊が多くあったと聞きました。私が環境問題に関心を持つようになって最初に読んだ本は『沈黙の春』で、レイチェル・カーソンという生物学者が、農薬などの危険性を、鳥達が鳴かなくなった春という出来事を通して訴えたものです。
地球、あるいは生命が誕生して以来の、歴史からみるとほんの一瞬といえるような短い時間に、人類は自然や環境を破壊してきました。でも人間は、自然を征服しようとしたわけではなく、生き残るために様々な工夫をしてきたに過ぎないとも言えます。そして、本来ならもう十分満たされた状況になっても、飢餓や不足の時代の記憶が強いためか、その努力を止めることができず今日に至っているのではないでしょうか。
これからも毎年カエルの歌を聴くことができるよう、自分にできることをしていきたいと思います。
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