アシストのブログ

  • 鴨川だより
2019.02.20

鴨川だより~気候変動と雪まつり~

株式会社アシスト 代表取締役会長
ビル・トッテン


日本に来てまもない頃、寒い朝などよく池の水が凍っていました。50年くらい前のことです。日本の冬では当たり前の光景でしたが、南カリフォルニアから来た私にとってはそんな寒さが新鮮でした。2月になると寒さはピークを迎え、それでも日差しに春を感じる日も増えて嬉しかったのを覚えています。

昨年から気候変動や地球温暖化問題に興味を持って調べていますが、今年になって驚いたことがありました。私は京都と東京をいつも新幹線で往復し、天気が良い日は車窓から富士山を見るのを楽しみにしています。1月の半ば頃、真っ白な雪の衣をまとった美しい富士山を期待して見ていたのですが、黒い山肌が目立ち雪はほとんどないのです。どうやら今年は乾燥と暖冬でそんな姿になったようでした。特に上りの新幹線から見る富士山は南側からなので、雪も風でとばされるか溶けてしまったのでしょう。

同じ時期、アメリカ中西部と北西部は激しい寒波に見舞われました。シカゴは風の街(Windy City)と言われるほどなので、氷点下30度は強風により体感温度はさらに低かったはずです。この寒さについてトランプ大統領は「地球温暖化は一体どこへ行ったんだ?」とツイートしたそうですが、気象専門家によればこの異常寒波も温暖化によるものだそうです。

アメリカ海洋大気庁は北極圏で近年温暖化が進行し、北極圏では地球全体の平均の2倍を超える速度で気温が上昇しているといいます。北極の上層には極渦という寒気の渦があり、その渦が本来はそこにとどまっているのですが、北極圏の温度が上がり中緯度地域との温度差が不鮮明になると極渦が崩れて寒気が南下し、中緯度地域に異常な降雪や寒波をもたらすというのです。それが近年欧州や北米で起きている現象でしょう。

暖冬の京都ではこの冬まだ雪を見ていませんが、カリフォルニアから日本へ旅行に来た友人を連れて札幌の雪まつりへ行ってきました。オフィスを案内したり社員と一緒に食事をしたりして、日本の冬を満喫してもらいました。寒波がくるとトランプ大統領のように「温暖化はどこへ?」と思いますが、北海道でも「厳冬」とよばれる期間が短くなり、流氷や雪の減少、動植物の生息域の変化が見られているそうです。温室効果ガスの排出量を削減する努力だけではなく、猛暑、厳寒に適応する準備も行う必要がありそうです。

札幌オフィスにて友人と

友人と社員

雪まつり_馬

雪まつり_雪だるま


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