アシストのブログ

  • 鴨川だより
2019.03.19

鴨川だより~虫のいない世界~

株式会社アシスト 代表取締役会長
ビル・トッテン


家庭菜園を始めて屋外で過ごす時間が増え、自然と触れ合うことが多くなり、そのせいか気候変動に関するニュースについ目が行きます。3月6日は二十四節気の一つ「啓蟄」でした。冬の間、土の中にいた虫たちも春が来て動き始めて顔を出す時季ということですが、その虫たちが急激に減りつつあるというのです。

学術誌バイオロジカル・コンサヴェーションに発表されたオーストラリアの大学教授たちの研究論文によれば、1年間に2.5%のペースで地球に生息する昆虫の数が減少しているとのこと。計算では10年で25%、50年で半分、100年で虫がいなくなります。原因は農業や都市化によって生息地を奪われたこと、農薬や化学肥料による汚染、病原体や侵入種などの生物学的要因、そして気候変動だそうです。

世界中に生息する昆虫の40%が劇的な速度で個体数を減らしており、ハチやアリ、カブトムシなどは、哺乳類や鳥、爬虫類と比べて8倍の速さで減少している一方で、イエバエやゴキブリは数が増えているそうです。ハエやゴキブリは殺虫剤への抵抗力をつけてしまったのでしょう。

絶滅危惧種と言えば日本ではシマフクロウやコウノトリ、ツキノワグマなどの鳥や動物を思い浮かべますが、昆虫の減少は大問題です。なぜなら鳥や魚、哺乳類など数多くの生き物は虫を食べて生きているからです。さらにミツバチやチョウは、野菜や果物の栽培において受粉という重要な役割を担っています。

我が家では今年、まさにこれを痛感しました。昨年ウサギ小屋を増設し、今までウサギ小屋として使っていた西側の部屋をハーブなどを育てる温室に変えました。日よけのために窓の外側にはキウイが、天井にはブドウ棚があります。うさぎ小屋の時は屋根の一部が開いていたので寒かったですが、温室にしてそれをほとんど閉じたため暖かく、ハーブがよく育っています。この自慢の温室を友人に見せたところ、このままだと今年はブドウの実が収穫できなくなる可能性を指摘されたのです。

温室_1

温室_2

温室_3


天窓が少ししか開いていないので温室にハチや蝶が入ってこないというのです。そうなればブドウは受粉されず、今年はブドウの実がならないかもしれません。温室効果ガスに覆われた地球が温室のように暖かくなって氷河がとけ、虫がいなくなって受粉ができなくなる。そんな生息空間をはからずも作ってしまうところでした。

私はブドウのほかにも食べる物はありますが、モグラや両生類、鳥や魚の多くは昆虫を常食とし、子育ても昆虫に依存しています。ゴキブリも殺さず、殺虫剤も農薬も一切使わない家庭菜園を自慢していましたが、どれほど虫たちの助けを借りて収穫ができていたか、改めて痛感しました。

ウサギ小屋_1

ウサギ小屋_2


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