
株式会社アシスト 代表取締役会長
ビル・トッテン
天候のせいか、もしくは手入れが行き届かなかったからか、野菜の収穫は散々でしたが、この秋たくさん採れたものがありました。ニホンミツバチの蜜です。10月の晴れた日、ニホンミツバチの師匠である志賀さんが我が家を訪れ、採蜜をしてくれました。
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二つの巣箱にそれぞれニホンミツバチのコロニーがあったのですが、一つの巣箱はいつの間にかミツバチがいなくなっていました。女王蜂は「交尾飛行」といって巣箱に落ち着いたあと、オスと交尾をするために巣から飛び出していくそうです。女王蜂は自分の巣の中でオスと交尾をすることはなく、必ず巣から飛び立って外で複数のオスと交尾をし、巣に戻ってくるとその後巣からほとんど出ることはなく、交尾飛行で蓄えた精子で一生たくさんの卵を産み続けるそうです。志賀さんによれば、ミツバチのいなくなった巣箱は、本来であれば交尾飛行から戻っているはずの女王蜂が戻る途中、カラスか何かにやられてしまい戻ってこられなかったのでは、ということでした。女王蜂が戻って産卵し、その卵からたくさんの働き蜂が生まれ巣が維持されていくわけですから、女王蜂不在となったコロニーは崩壊してしまったのです。
それでも、もう一つ残った巣箱にはぎっしりと蜜が詰まっていて、志賀さんによれば、10キロ近いハチミツが採れるだろうとのことでした。この日は社員の家族も採蜜の見学に来ていました。
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ニホンミツバチの飼育で一番難しいことは春に群れを捕獲することです。捕獲といっても、巣箱を用意しておくだけなのですが、そこに住み着いてくれれば、ニホンミツバチは野生なので世話をせず、餌も与えず、秋になるとこうして貯まったハチミツの一部をもらえるのです。異常な高温、長雨の上に新型コロナという目に見えないウイルスの恐怖や不安が続いた一年だっただけに大量のハチミツは嬉しい収穫でした。
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