
株式会社アシスト 代表取締役会長
ビル・トッテン
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アヒルや鶏が闊歩している“土の庭”のせいもあるでしょう。7月から晴天の暑い日が続く中で果樹が弱ってきたので、庭に四つあるスプリンクラーをニつずつ、日没から日の出まで放水するようにしました。打ち水をすると地面の熱が大気中に逃がされて温度が下がるのです。
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以前からウサギが穴を掘っていましたが、最近は鶏が日陰の土で水浴びならぬ、土浴びをしています。土の中に寝転んだりひっくり返ったり、羽をバサバサさせ羽の中に土を入れているのです。考えてみれば、羽毛布団のように暖かい羽根で覆われていますから、冬は強くても夏は弱いはず、日陰の土は触ると昼間でもひんやりしているので気持ちが良いのでしょう。
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先月、国連事務総長は地球温暖化の時代から「地球が沸騰し続ける時代」に移行したと警告しました。気候変動の問題は30年以上前から取り上げられ、暴風雨、干ばつ、洪水が増える、平均海面が30センチ上昇する……といった報告を、私も興味深く研究していました。しかし調べてみると、例えば環境に優しいという投資ファンドは化石燃料企業に資金を注ぎ込み、石油大手の利益は再び記録的な水準に達しています。炭素回収、カーボンオフセット、地球工学などの技術的解決策は「おとぎ話にすぎない」と警告する専門家もいます。
先日は、環境運動で有名なグレタ・トゥーンベリさんがゼレンスキー大統領に会いにいき、ダム決壊による環境云々の意見交換をしたと報じられましたが、ウクライナ戦争はNATOのロシア国境への拡張によって引き起こされたもので、西側の軍事、兵器、石油産業にとって莫大な利益を得るためのものであり、ダムからノルド・ストリーム・パイプラインの爆発まで、戦争の巻き添えは生態系に甚大な被害をもたらします。かたや戦争をしながらCO2削減というのは納得いきません。先日も友人と、人間、自動車や工場、飛行機、あらゆる工業製品がCO2を出し、植物がCO2を消費し酸素を出し、この全ての要素の組み合わせで地球の大気はバランスされているという話をしたところですが、土や植物のある暮らしをするのが最も環境にとって良いことだと改めて思います。
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