鴨川だより～中国の先端テクノロジー～

中国出張から大晦日に京都に帰ってきて、翌日には能登半島地震が起こるなど、慌ただしい年明けとなりました。

今回の出張では上海、杭州、蘇州を回り日系企業と中国企業を訪問しましたが、中国の発展は予想以上でした。2020年に来た時は上海の超高層ビルに驚きましたが、今回は現地で活躍されている日系企業の方に、特別感を感じられるカフェ、アートと融合したホテル、と畜場をリノベーションしたイベント施設、そして地震が少ない上海ならではのインパクトの強い高層ビルなど、トレンドの先端をいく場所を案内していただきました。驚き、感動、特別感を体験したい若者が中国でも増えており、モノではなくコトにお金をかける人が増えていることからも、各企業のブランディングや商品・サービスのコンセプトを効果的にアピールしていくことがより一層重要になってきていると感じました。

2023年、中国の自動車生産と販売はいずれも3,000万台を突破し、日本を抜いて世界一の自動車輸出国となりました。ダントツシェアを誇るBYDは元々バッテリーを作っていた会社で「バッテリーを制する者がEVを制す」と言われるほど、電気自動車（EV）にとってバッテリーは重要です。中国にはEVメーカーが100社ほどあるそうですが、成功しているのはBYD、NIOなど数社で、NIOの場合、フル充電されたバッテリーと交換するのにかかる時間がわずか2分半（ガソリン満タンにする時間と同じくらいの時間で交換できることを目指した）を実現し、またフル充電で1000km走行も可能と聞いて驚きました。

上海に着いた翌日は40年ぶりという寒波が襲来していて、氷点下の上海の街を歩き回ったためか、その次の日に風邪の症状が出てきました。同行していた社員がすぐにスマホのアプリで近所の薬局を検索し、オンラインで薬を購入すると20分後にはホテルのフロントに届けられました。そこからはホテル内配達ロボットが私の部屋まで運んでくる仕組みです。

エレベーターに乗るとき、人間はルームキーをかざしてフロアボタンを押しますが、ロボットはエレベーターと通信しているのでその必要はありません。ロボットが部屋の前にくると部屋の電話がなり、到着を知らせてきます。結局、薬を注文してから30分以内には葛根湯と喉トローチが手に入りました。この3年間の厳しい感染症対策のため、発熱していれば飛行機にも乗れないし、困ったことになったと思いましたが、熱も出ず、1日だけ部屋で休養して次の旅程に進むことができたのは幸いでした。

このような便利なサービスが中国では浸透しており、若者からシニア層まで幅広い年齢層で活用されています。私と同じような年齢の人もスマートフォンアプリを使いこなしているのです。私ももっと新しいテクノロジーを柔軟に使ってみようと思います。