ITSMツール導入を組織変革の契機に。「ユーザー体験価値」向上を目指し継続的に改善する体制を確立
三菱電機エンジニアリング株式会社
- 導入製品/サービス…
- OpenTextTM Core Service Management
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三菱電機エンジニアリング株式会社(以下、三菱電機エンジニアリング)では、サービスデスク業務の課題を解消するため、アシストの支援のもとITサービスマネジメント(以下、ITSM)の改善活動に着手。組織の意識改革を促すワークショップを実施すると同時に、ITSMツールとしてOpenText Core Service Managementを導入したことで、サービス品質の向上の他、継続的に改善できる組織カルチャーの醸成を実現しました。 |
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「ツール導入ありきではなく、自分たちのあるべき姿を明確にすることができました。各メンバーがITSMを自分ごととして捉え、組織として同じ方向を向けたことが、成功の鍵だったと思います。アシストには、その過程で私たちの課題に寄り添い、思考の整理をしていただきました」
情報システム部 IT企画グループ
主任技師 小坂 勇翔 氏
課題/背景
- サービスデスクが個別最適で運用されており、問い合わせ管理やナレッジ整備の方法、各種プロセスが不明確だった
- 活動方針がなく問い合わせ対応は個人任せだった上、改善に必要なデータも取れていなかった
- SLAや目標が曖昧でサービス品質の基準が見えにくく、利用者の満足や評価にも結びつきづらかった
対策
- ITSM勉強会や現状分析、将来構想の検討をアシストがサポートし、現状の課題とあるべき姿を策定
- ITIL資格取得や情報システム部門内での集中検討会を通じて、あるべき姿に向けた部内メンバー全員の意識統一と主体性を醸成
- 柔軟なカスタマイズ性と分析機能を持つITSMツール、OpenText Core Service Managementを導入
効果
- 組織として実現すべき姿やユーザーへの価値提供を全員が意識し、自ら考えて業務を遂行する体制へと進化
- 一次解決率50%・SLA遵守率95%と、業務標準化により対応スピードと品質が向上
- ノーコード実装できるITSMツールによりサービスデスクを構築。さらに運用状況や成果の可視化により、継続的な改善へ
導入ロードマップ
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属人的かつ場当たり的な対応が常態化し、ユーザーファーストの意識が欠如
三菱電機エンジニアリングは、家電から宇宙まで幅広い12の事業領域で開発・設計を専門に行う三菱電機のグループ会社です。開発設計に特化し、生産工場を持たないファブレス事業を展開しています。主力拠点の一つである神戸事業所には約700名の従業員が勤務しており、10名ほどの情報システム部門でユーザーのIT環境をサポートしています。
しかし、ユーザーからの問い合わせに対応するサービスデスク業務において、業務プロセスが確立されておらず、担当者依存の場当たり的な対応が常態化していました。当時の状況について、三菱電機エンジニアリング株式会社 情報システム部 IT企画グループ 主任技師 小坂 勇翔 氏は次のように語ります。
小坂氏
問い合わせ管理方法については、Excelファイルをベースに、各担当が個別にカスタマイズしたフォーマットで運用しており、格納場所も別々だったため、過去に対応したナレッジも組織内で共有しづらい状況でした。そのため、問い合わせへの対応は担当者ごとに異なっており、ユーザーへの対応品質にもばらつきが生じていました。また、承認やエスカレーションの基準を含めた対応のルールをはじめ、SLAも不明確であり、継続的な改善活動やそのためのデータ取得も行えていない状況でした。
最も問題視されていたことは、各担当者が日々の業務に追われ、「ユーザーのために」という意識が希薄になっていたことです。この状況に危機感を覚えた小坂氏は、まずは神戸事業所内の組織風土の改善を決意しました。
ツール導入ありきでなく、目指したのは「組織とプロセスの変革」
課題解決に向けて同事業所は、改善活動を2段階で進める方針を定めました。ステップ1では、情報システム部門のあるべき姿や課題の整理、メンバーの意識改革に着手。そのうえでステップ2として具体的な施策を実行するという方針です。
小坂氏
業務の改善活動を個人に委ねてしまうと、人事異動などで担当者が入れ替わるたびに振り出しに戻り、同じことの繰り返しになってしまいます。そのため、新たなサービスデスクの体制をどのように形成し、ユーザーに価値を提供していくのかという点を明確にしたかったのです。その上で、目的に合致したツールを導入したいと考えました。
そこで、アシストに相談したところ提案されたのが、現状業務の可視化に始まり、課題の整理、組織として目指すビジョンの策定へとつなげていくためのワークショップでした。
小坂氏
ワークショップは非常に有益なものとなりました。アシストは私たちの議論が発散しないよう常に気を配って軌道修正しつつ、「場当たり的な対応から、体系的かつ機能的な対応へ」、「個人依存から、組織全体の成長と最適化へ」を“あるべき姿”とする私たちのビジョンを尊重したファシリテーションで、思考の整理を支援してくれました。
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さらに同事業所は、ワークショップの内容とITILの考え方を実務に落とし込むため、ITSM改善に向けたグループ討議を実施しました。
小坂氏
ワークショップから得た知識やITSMの考え方を、どのように業務で実践していくのか、皆ですり合わせしました。この取り組みを経て、当初は受け身で参加していたメンバーの間にも、様々な課題を“自分ごと”として向き合う意識が次第に醸成され、組織全体の共通目線を持てるようになりました。
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カスタマイズ性の高いITSMツールを選定、利用者の体験価値低下を防ぐ方法で導入を推進
あるべき姿を実現するステップ2の施策として、ITSMツールの選定を行い、ノーコードで実装できる「OpenText Core Service Management」の採用を決めました。
小坂氏
選定理由は大きく3点あります。1点目は柔軟なカスタマイズ性です。標準機能をベースとしつつ、自分たちの業務プロセスにワークフローや自動化ルールなどを合わせることができます。2点目は対話型仮想アシスタント機能です。ユーザーの問い合わせ内容を解析して関連するナレッジや手順を提示したり、必要に応じてチケット起票まで誘導できるため、一次対応を自動化し情報システム部門の負荷を大幅に軽減できると考えました。3点目は、分析を支えるレポート・ダッシュボード機能です。OpenText Core Service Management標準で問い合わせ傾向や担当者の業務量を可視化できることに加え、Microsoft Power BIと連携して他システムのデータと照合・突合した分析も柔軟にできます。これにより、運用状況を客観的に把握し、データに基づいた改善を継続的に行えるようになると考えました。
ツールの導入に関してもアシストの伴走支援を受けることで、約3ヵ月という短期間で最初のリリースを実現しました。
小坂氏
私たちが策定した業務の改善方針をツールが提供する機能の中でどう実装すればよいか、アシストからの的確なアドバイスを受け、今後の運用内製化にもつながるノウハウを得られました。繰り返しになりますが、ステップ1で情報システム部門のメンバー全員の目的意識を統一し、問い合わせ対応の“あるべき姿”への共通認識を持てたことが、ツールをスムーズに導入できた大きな成功要因となっています。
なお、OpenText Core Service Managementをユーザーへ展開するにあたり、2段階に分けて実施したと言います。
小坂氏
第1段階では、各部署においてIT関連の取りまとめを行っている担当者向けに先行展開しました。これまでメールや電話などで受け付けていた問い合わせがポータル入力へ一本化されるため、問い合わせプロセスの変更に伴う不満が予想されました。そこで、新ツールによる提供価値を丁寧に説明し、業務部門側のIT担当者を「味方」に巻き込む戦略を取りました。
続く第2段階では、IT担当者からのフィードバックを得て運用を検証した上で、全ユーザーへ本格展開を図ることで、スムーズな移行を実現できました。
SLA遵守率95%達成と「自発的に改善を考える組織」への変革が大きな成果
一連の取り組みを通じて情報システム部門のメンバー全員の意識が変わり、これまでの場当たり的な問い合わせ対応から脱却。ITサービスに対する様々な課題に対して、その解決策を一歩進め、先々のことまで考える姿勢を獲得できたことが最大の成果です。
小坂氏
定量的な効果としては、問い合わせの平均解決時間2.5時間、SLA遵守率95%を達成しました。サービス品質が安定し、ユーザー満足度の向上につながっています。また、当事業所のサービスデスクは、幅広い問い合わせへ対応できるメンバーを一次窓口として配置し、解決できない内容はスペシャリストにエスカレーションしています。これまではナレッジ共有が進まず、一次窓口の解決率が低くなり、スペシャリストへの負荷が高まっていました。ナレッジ活用ができるようになったことで、一次窓口での解決率が50%に向上し、スペシャリストの負担が軽減されています。
また、ナレッジは一度作成して終わりではなく、常に情報が最新である(陳腐化していない)状態を保ち、継続的に活用できるように運用し続けることが重要です。そのために、チケットクローズ時にナレッジ化を検討するフラグを立てておき、継続的なナレッジ追加の議論を促進しています。ナレッジ以外にも、問い合わせの傾向分析や担当者ごとの業務量分析など、データの可視化により運用状況を的確に把握できるようになったことで継続的な改善へとつなげられるようになりました。
同事業所では引き続き、OpenText Core Service Management導入に伴い取得できるようになったデータを活用し、よりデータドリブンな改善活動を推進していく意向です。
小坂氏
今回はサービスデスクの変革に取り組みましたが、ここで実践してきた改善活動の方針は他の課題にも応用できます。先行して神戸事業所で培った経験を活かし、全社組織の改善につなげていきたいと考えています。
- ※本稿は取材時の内容に基づくものです。製品やお客様情報など最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
- ※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
お客様情報
| 会社名 | 三菱電機エンジニアリング株式会社 |
|---|---|
| 本社 | 東京都港区芝五丁目34番2号 |
| 設立 | 1962年2月1日 |
| URL | https://www.mee.co.jp/ |
| 取材日 | 2025年9月 |
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