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2024.06.27

新人オラクル技術者の「登竜門」を2年目が紹介!~DB支援説明テスト編~

新人オラクル技術者の「登竜門」を2年目が紹介!~DB支援説明テスト編~

前記事では、アシストのDB(データベース)製品の技術担当に配属された新人全員が経験する、Oracle Database(オラクルデータベース)を正確に構築するためのテスト「DB構築テスト」を紹介しました。今回の記事では、先輩技術者をお客様に見立ててデータベースの機能やアシストの技術支援内容を説明する「DB支援説明テスト」について紹介します。

新卒入社後にゼロからデータベース構築技術を学んだ筆者(23卒入社・2年目)の立場から、DB支援説明テストの裏側と経験談をお伝えします!


1. DB支援説明テストの進め方を紹介!

DB支援説明テストとは

本記事で紹介する「DB支援説明テスト」とは、アシストのOracle Database構築支援の内容をお客様に説明するスキルが備わっているかを確認する、アシスト独自の社内育成カリキュラムの一つです。

これからIT業界を目指す学生さん向けに補足をすると、そもそも「データベース(DB)」とは、様々な情報が保存されているデータの集合体です。一般的には、データを保存したり、整理したり、検索するなどの操作を可能にするソフトウェアのことをデータベースと呼びます。

アシストが取り扱う製品の一つであるOracle Database(オラクルデータベース)は、現在世界中で広く使われているデータベース製品です。アシストは、Oracle Databaseの販売・導入・サポートを通してお客様のあらゆるシステムを支えています。

Oracle Database構築支援とは、お客様のサーバーへのOracle Databaseのインストールや、お客様の要望に応じたデータベースの設定作業など、Oracle Database導入に関するアシストのサービスのことを指します。


このテストでは、先輩技術者をお客様に見立てて、アシストの支援内容やデータベースの機能、技術的知識や情報などをアシストの技術者として正しく伝えることができるかをチェックします。そのため、このテストを通してデータベースの技術的な知識と説明のスキルを身に付けることができます。

先輩技術者への説明内容やテストの流れについては、順を追って説明します。


アシストの支援内容の説明

DB支援説明テストでは、主に二つの資料について説明を行います。

そのうちの一つは、アシストの支援内容を説明する資料です。この資料を用いて、アシストがOracle Database構築支援でどのような作業を実施するのかをお客様に伝えます。また、サービスを提供するにあたって「アシストが行う作業」と「お客様にご準備いただく作業」の範囲を説明します。

このように、支援の作業概要や役割分担、今後の流れといった説明を行うことで、アシストとお客様の両者の間で認識の相違を無くし、支援内容についての合意をいただくことを目指します。


データベースの設定値の説明

二つ目は、ヒアリングシートと呼ばれる資料で、データベースの設定値を決定するための説明を行います。

このシートを基に、お客様が求めるデータベースの設定をお伺いしたり、データベースの構成を検討します。お客様にはデータベースの各設定値やシートに記載されている内容を理解いただき、ヒアリングシートに記入していただきます。

そのため、データベース技術者は設定値の意味を理解することはもちろんのこと、技術的に正確で的確な説明を行う必要があります。


質疑応答でお客様の疑問に答える

支援内容やヒアリングシートの説明を行った後は必ず質疑応答の時間があります。そのため、お客様の質問に回答する練習も行います。

実際の現場では、お客様から設定値や支援の内容に関する様々な質問を受けます。そのため、お客様の質問の意図を理解しているか、簡潔に回答しているか、回答内容がお客様役の先輩技術者の期待と一致しているかなど、質問に対して適切な回答をしているかを判断されます。

また、DB支援説明テストでは一つでも誤った情報を伝えると不合格になります。なぜなら、嘘の情報や誤った情報を伝えることは技術者としての信頼に関わるからです。

もし質問された内容に対して正確に答えられる自信がないときは、一度質問を持ち帰って、後日メールで正確な回答をするといったこともします。そのため、質問に対してその場で回答をするか、質問を持ち帰ってから回答をするのか、といった判断力も必要です。

このように質疑応答では、お客様の質問の意図をくみ取り、正確で的確な情報を簡潔に伝えられることを目指します。


DB支援説明テストで身に付くスキル・知識

DB支援説明テストでは、データベース技術者として、アシスト社員として、様々なスキルや知識を身に付けます。

ここでは、このテストで身に付けるスキルや知識を三つ紹介します。


データベースの機能や構成の理解

DB支援説明テストは、シングルインスタンスという構成のOracle Databas構築支援を前提にしており、まずはデータベースそのものの知識を身に付けます。また、データベースはサーバーに構築を行うため、サーバーに変更を加えた際の影響も理解する必要があります。

データベースの機能や構成に関する習得で身に付ける知識には、次のようなものがあります。
 ・Oracle Databaseの機能や構成の理解
 ・サーバーのメモリーやCPUといった、スペックや機能の理解
 ・サーバーで使用されるOSの種類や内部機能の理解
 ・その他のデータベース構築時の周辺知識

データベースを構築するためには前提条件があります。もし、サーバーの設定がデータベース構築の前提条件を満たしていない場合には、アシストはデータベース構築を行うことができません。そのため、データベース技術者はデータベースだけではなく、サーバーやOSといったコンピューターの知識まで広く深く技術力を身に付けます。


アシストの支援内容の理解

データベースの構築支援では、お客様指定の設定値でデータベースが正常に稼働するか、事前に検証作業を行います。検証で問題がないことを確認できれば、お客様のサーバーにデータベースを構築していきます。

データベース構築支援を行うにあたって、サーバーやOSはお客様にご準備いただく必要があります。そのため、アシストがお客様に依頼する作業が何かを理解しておくことが重要です。

構築作業後にはデータベースの動作確認や、設定書などの成果物の作成、支援内容に関する報告会を実施します。

このように、支援の詳細な内容を理解したり、お客様役の先輩に支援内容を説明する練習を行います。



アシストのデータベース構築支援の進め方

項目 内容
1 支援説明、ヒアリングシートの書き方説明 支援内容の説明、設定値の説明
2 お客様によるヒアリングシートの記入 お客様にヒアリングシートの記入を依頼
3 設定値の合意、設定書の作成 Oracle Databaseの設定値・設定書の合意
4 Oracle Database構築作業 アシストによるOracle Databaseの検証・構築
5 構築後作業(動作確認、設定書更新) 構築したデータベースの動作確認、設定書の修正
6 報告会 支援作業終了の報告

お客様への説明を想定した会話スキル

最後は、お客様への説明を想定した会話スキルです。
支援の前後には、支援内容や設定値の説明が不可欠であり、お客様とのコミュニケーションなしに支援を進めることはできません。そのため、DB支援説明テストでは、ただ資料の内容を説明するだけではなく、コミュニケーション全体のスキル習得も目指します。

お客様対応で身に付けるスキル例は、以下のようなものがあります。
 ・支援説明資料やヒアリングシートの説明スキル
 ・メールや文書のビジネスマナーや作成スキル
 ・技術的な内容を分かりやすく伝える説明スキル
 ・お客様の質問の意図をくみ取るスキル
 ・お客様からの相談に対する提案スキル
 ・話すスピードや声のトーンといった立ち居振る舞い
 ・ジェスチャーなどの非言語スキル

説明時には、資料に記載された内容をただ話すわけではありません。お客様が何を知りたいのか、何を求めているのかを常に考えて理解し、状況に合わせて臨機応変に分かりやすく説明を行います。また、相手の表情を見ながら説明を進めたり、ジェスチャーを付けて説明したり、抑揚や話すスピードを調節するなどの対話スキルも求められます。

このように、DB支援説明テストでは説明に関わる全てのスキルを身に付けることができます。

先輩社員に説明をする練習の様子

2. DB支援説明テストの練習から本番まで

DB支援説明テストのための練習

テストに挑むには、正確な知識と説明スキルを身につけなければなりません。そのため、個人練習はもちろんのこと、先輩も巻き込んで練習を行います。

個人では設定値の勉強をしたり、資料を一通り説明できるように練習したり、質問に対して一問一答で分かりやすく回答する練習を行います。

また対人スキルの向上のためには、先輩をお客様に見立てて実際に説明を行ったり、質問に回答することでスキルを身に付けます。

このような説明練習を1ヵ月の間に3回ほど繰り返して、テスト本番を迎えます。


DB支援説明テスト本番

テスト本番では、上司と先輩の2人に対して、支援内容やデータベースの設定値に関する説明を行います。DB支援説明テストは説明から質疑応答まで全てを含めると、1回につき1時間半ほどかかります。

また、実際のお客様対応を想定してテストを行うため、会議室に入室してから説明を行う様子、そして退室までの全てが評価されます。実際にお客様と話しているかのような雰囲気の中、データベースの支援説明を行います。

説明が終了したら、チェックを担当した上司と先輩からフィードバックを頂きます。全ての項目においてお客様の前で説明しても問題ないと判断されれば、DB支援説明テストは晴れて合格となります。


3. テスト合格後からお客様対応デビューまで

無事に支援説明テストに合格することができれば、アシストのデータベース技術者の仲間入りです。

初めは先輩の説明を見て学び、少しずつ案件に参画していきます。そして主担当としてデータベース構築を任されるときには、アシストの技術者としてお客様に支援説明を行うことになります。

実際に支援説明を行うと、予期せぬ質問にも数多く出合います。そのため、事前に理解を深めておくなどの対策をして、質問への準備を行います。それでもその場で回答できない質問を頂いた場合には、質問を一度持ち帰ったり、先輩にフォローいただいたり、お客様との打ち合わせのその場で先輩が代わりに回答するなど、その時の状況に合わせて対応します。

このように実際の支援説明では、練習やテストで学んだことを発揮しつつ、時には先輩の助けを借りながらも新しい知識を身に付け、技術者として成長していきます。


4. DB支援説明チェック中に起きた失敗談

テスト本番で不安になりすぎて質問を持ち帰りすぎた話

DB支援説明チェックのテスト本番では、質問への即答が難しい場合、回答を待っていただくことは可能です。しかし、テストではデータベースや支援内容の知識が身に付いているかのチェックも目的として含まれているので、後日の回答はなるべく避けたいものです。

テスト本番は、会議室に上司と先輩、そして自分の3人だけになります。経験と技術力を豊富に持っている先輩を前に説明するのは非常に緊張するものです。テストでは緊張しやすい筆者は、練習では自信を持って答えられた質問にも、回答時には不安を感じてしまいました。約20個の質問のうち、半分ぐらいを持ち帰ってしまいました。

結果として、私の支援説明テストの合否はメールでの回答によって決まることとなりました。

いざ回答をメールで作成してみると、文字数は2000字を超えてしまっていました。そのため、先輩に添削を依頼し、文字数を減らした上でメールをお送りしました。その結果、知識やスキルは十分備わっていると判断いただき、無事に合格することができました。


5. さいごに

DB支援説明テストは、データベースの知識やアシストの支援内容を幅広く学びました。そして、テストを通じて対人スキルや説明の仕方、質問の答え方を学びました。

支援説明の練習の際、私はお客様役の先輩がどのような意図で、何を気にして質問しているのかを考えるのが非常に難しかったです。その質問の裏には、先輩がお客様から受けた質問を再現していたり、先輩自身が新人の時に疑問に思っていた点を質問してくださっていたようです。

このように、先輩からたくさんの質問やアドバイスを頂いて練習を繰り返したおかげで、今では相手がどのような点で悩んでいるか、質問の意図をくみ取り、相手が求めている回答を分かりやすく伝える力が身に付いたと感じます。繰り返し練習や現場での経験を積むことで、先輩技術者のように、お客様の期待に応えられる技術者に一歩ずつ近づいているように感じます。

今後、様々なお客様と接する機会が増えていきます。その度に、DB支援説明テストで身に付けた能力を発揮して、お客様の悩みを解決できるようにアシストしていきたいと思います。


執筆者情報

あおやま けんた プロフィール画像

2023年新卒入社し、Oracle Databaseの技術部門に配属。フィールドエンジニアとしてデータベース構築を担当後、現在はサポートエンジニアとして活動する。趣味は写真撮影と国内旅行。相棒のカメラと共に全国を旅してまわっている。


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