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OCIでGPUインスタンスを構築してみた
OCIで提供されている生成AIサービスとGPUインスタンスを前回の記事「生成AIにGPUが適している理由」で紹介しました。本記事では、GPUインスタンスをデプロイして、インスタンス上でLLM(大規模言語モデル)の動作環境を構築する方法をご紹介します。
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Oracle Cloud では、安価で拡張性のあるストレージサービスのObject Storageが提供されています。Object Storageはファイルの保存や共有に利用できますが、操作は管理コンソールやREST APIを利用することになります。
あまり慣れていないと大変ですよね?そんな時、Storage Gateway(無償で利用できるOracle Cloud専用ツール)を利用することで、あたかもローカルストレージを利用するようにObject Storageを利用することができるようになるのです。
今回は「Storage Gateway」を利用するための手順第2弾として、ファイル・システムの作成をご紹介します。
Storage Gatewayを経由して、オンプレミスのサーバやOracle Cloud上のサービス・インスタンスからObject Storageへ接続し、ファイルの保存などを行います。ここでは、Storage GatewayをOracle Cloud Infrastructure上に構築する前提でご紹介していきます。
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インストール時に出力されたStorage Gatewayの管理コンソール用URLへアクセスします。
https://<ホスト名>:<ポート番号>
アクセスすると、パスワードの設定が求められます。
ここで設定するのは、Storage Gateweyの管理ユーザ(admin)のパスワードです。
パスワード制限を満たすパスワードを検討、入力して「Save」をクリックします。
[ パスワード制限 ]
・8文字以上32文字以内
・特殊文字、数字、大文字、小文字を全て1文字以上を含む
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ログイン画面が表示されます。設定したパスワードを入力し「Log in」をクリックします。
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Storage Gatewayの管理コンソールへ接続できました。
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Storage Gatewayを介して接続するための、ファイル・システムを作成していきます。
その前に、Object Storageへ接続するために利用するOracle Cloudのユーザーの設定が必要となります。それでは、ユーザーの設定とファイル・システムの作成を進めていきます。
Storage Gatewayを利用するためには、Oracle CloudのユーザーへAPIキーの登録をする必要があります。
ここでは、すでにユーザが存在する前提でAPIキーを登録する方法を記載します。
1.公開鍵と秘密鍵の用意
※鍵ファイルの作成方法は複数あります。。PEM形式のキーを作成可能であれば方法に指定はありません。
<参考>
[root@oel7swg ~]# mkdir ~/.oci --- 鍵ファイル配置用のフォルダ作成
[root@oel7swg ~]# ls -la
total 32
dr-xr-x---. 7 root root 4096 Nov 29 02:23 .
dr-xr-xr-x. 19 root root 4096 Nov 28 01:42 ..
-rw-------. 1 root root 224 Nov 29 02:23 .bash_history
-rw-r--r--. 1 root root 18 Apr 30 2014 .bash_logout
-rw-r--r--. 1 root root 176 Apr 30 2014 .bash_profile
-rw-r--r--. 1 root root 176 Apr 30 2014 .bashrc
drwxr-xr-x. 3 root root 18 Nov 28 01:28 .cache
drwxr-xr-x. 3 root root 18 Nov 28 01:28 .config
-rw-r--r--. 1 root root 100 Apr 30 2014 .cshrc
drwxr-xr-x. 2 root root 6 Nov 29 02:23 .oci --- 鍵ファイル配置用のフォルダが作成されていることを確認
drwxr-----. 3 root root 19 Nov 28 01:05 .pki
drwx------. 2 root root 29 Nov 28 00:29 .ssh
-rw-r--r--. 1 root root 129 Apr 30 2014 .tcshrc
[root@oel7swg ~]# openssl genrsa -out ~/.oci/oci_api_key.pem 2048 --- pem形式の秘密鍵ファイルを作成
Generating RSA private key, 2048 bit long modulus
........+++
.........................................+++
e is 65537 (0x10001)
[root@oel7swg ~]# chmod 600 ~/.oci/oci_api_key.pem --- 権限変更
[root@oel7swg ~]# openssl rsa -pubout -in ~/.oci/oci_api_key.pem -out ~/.oci/oci_api_key_public.pem --- 公開鍵ファイルを作成
writing RSA key
[root@oel7swg ~]# cd .oci
[root@oel7swg .oci]# ls -ltr --- 秘密鍵/公開鍵ファイルが作成されたことを確認
2.APIキー登録
2-1.Oracle Cloudのユーザ詳細画面を表示し、「APIキー」をクリックします。
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2-2.「公開キーの追加」をクリックすると、追加設定画面が表示されます。
1で作成した公開鍵の内容を貼り付けます。完了したら「追加」をクリックします。
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2-3.フィンガープリントが表示されたことを確認します。
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ファイル・システムを作成していきます。
1.管理コンソールへアクセスし、右上にある「File System」をクリックします。
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2.「Create a File System」をクリックします。ファイル・システムの作成画面が表示されます。
必要項目を入力します。
[ 入力項目 ]
項目 | 補足、参考 |
---|---|
ファイル・システム名 | オブジェクトストレージのバケット名としても利用されます。 ※バケットが事前に作成されていない場合は、作成されます。 [命名規則] ・1文字以上256文字以内 ・大文字または小文字(英字に限る)、数字、ハイフン、アンダースコア、ピリオド |
Object Storageのタイプ | 標準のObject StorageまたはArchive Storageから選択します。 |
Object Storageのエンドポイント | 以下より、該当のエンドポイントを選択します。 https://docs.cloud.oracle.com/en-us/iaas/api/#/en/objectstorage/20160918/ (例)東京リージョンの場合:https://objectstorage.ap-tokyo-1.oraclecloud.com |
コンパートメントのOCID | ファイル・システムで指定するObject Storageのバケットを作成するコンパートメントのOCIDです。 OCIDはOracle Cloudの管理コンソールより以下の様に確認します。 ダッシュボード画面の左上のメニュー >> ガバナンス >> コンパートメント >> 対象のコンパートメント★この画面に、OCIDの出力があります。 |
テナンシのOCID | ファイル・システムで指定するOracle Cloud環境のテナンシ(クラウド・アカウント)のOCIDです。 OCIDはOracle Cloudの管理コンソールより以下の様に確認します。 ダッシュボード画面の左上のメニュー >> 管理 >> テナンシ★この画面に、OCIDの出力があります。 |
ユーザーのOCID | ファイル・システムで利用するObject Storageへ接続するユーザーのOCIDです。 OCIDはOracle Cloudの管理コンソールより以下の様に確認します。 ダッシュボード画面の左上のメニュー >> アイデンティティ >> ユーザー >> 対象のユーザー★この画面に、OCIDの出力があります。 |
公開鍵のフィンガープリント | ファイル・システムで利用するObject Storageへ接続するユーザーに設定したAPIキーのフィンガープリント情報です。 |
秘密鍵 | APIキーを設定する際に指定した公開鍵と対になる秘密鍵の情報です。 |
秘密鍵のパスフレーズ | 秘密鍵作成時に指定したパスフレーズです。 |
※他にオプション設定もありますが、ここでは割愛します。
※最初の表示では、入力項目は3つのみですが、”Object Storage API Endpoint”を入力すると入力項目が追加で表示されます。
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3.ファイル・システムが作成されます。
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4.「Connect」をクリックし、ファイル・システムへ接続します。
接続が完了すると、ファイル・システムの右側にある〇が緑色に変わります。
また、ファイル・システムのタブに”Activity”と”Completed Update”が追加されます。
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今回は、Storage Gatewayの管理コンソールを利用して、ファイル・システムを作成しました。
次回は、作成したファイル・システムをマウントして、ファイルをObject Storageへアップロードしていきます。
Storage Gatewayを利用して、Object Storageを活用できる環境を作成していきましょう。
※参考情報:Storage Gateway初期設定
2012年アシスト入社後、Oracle Databaseフィールドエンジニアに従事。2017年からはOracle Cloudを中心としたプリセールスおよびフィールド技術を担当。 ...show more
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