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2020.11.27

レガシーシステムのバッチ処理リプレースを成功に導く要素とは?

レガシーシステムのバッチ処理リプレースを成功に導く要素とは?

<目次>
1.レガシーマイグレーションで最も重要なのは「システムの安定性」
2.システムの安定性を構成する5つの要素
3.バッチ処理の実装方式は”適材適所”
4.抜群の安定性を発揮する「データ加工エンジン」とは


レガシーマイグレーションで最も重要なのは「システムの安定性」

「2025年の崖」や「デジタルトランスフォーメーション」を背景にレガシーマイグレーションを検討するお客様の数は増加傾向にあります。

特に基幹システムはレガシーシステム化が進んでいる傾向が強く、この機会に基幹システムのレガシーマイグレーションの実施を計画しているお客様が多いのではないでしょうか。

ただ、基幹システムは企業活動の基盤。障害が許されないシステムの為、どのように安定したシステムを構築するのかはお客様の悩みの種になっていて、なかなかレガシーマイグレーションに踏み込めないという話をよくお聞きします。

そんな背景から、今回はバッチ処理のリプレース時にシステムの安定性を高めるために重要となる要素にどのようなものがあるかを考察していきたいと思います。


システムの安定性を構成する5つの要素

安定性を高めるために重要となる要素はどのようなものがあるでしょうか。

安定性を高める為の要素と各要素のチェックポイントを纏めると以下になると思います。

これらのポイントについて詳しくみていきましょう。


1. 障害の発生率を抑えること

  • 適切なテストの品質と工数をかけてテストが実施できているか
  • 障害発生を前提としたシステム設計となっているか

2. 障害の影響範囲を小さくすること

  • 障害検知および障害発生箇所の特定が容易にできるか
  • リカバリ対応の内容はシンプルになっているか

3. 長期間継続利用可能にすること

  • システム変更に強い(柔軟)なシステムとなっているか
  • ハードウェアやソフトウェアのサポート期間は適切か

4. 属人化させないこと

  • 開発/保守担当者に特別なスキルレベルを求めていないか
  • 開発規約や正確な仕様書が作成されているか

5. 処理性能を安定させること

  • レガシーマイグレーション前の処理性能を担保できるか
  • 年々増え続けるデータ量に耐えることができるか

項目だけ見ると当たり前のことのように思えると思います。ただ、実際にどう実装していくか考えていくと、全てを網羅するというのは結構ハードルが高いと感じます。

現実的に考えても、全てを100%満たすことは難しいので、自社の基幹システムでどの要素をどのレベルまで求めるのかを決め、対応する必要があると思います。


バッチ処理の実装方式は”適材適所”

レガシーマイグレーションを実施する際に決めなければならないことは色々あります。

たとえば、

  • ハードウェアやネットワークの構成
  • 運用監視の方式
  • 開発や運用の体制
  • バッチ処理の実装方式

などです。

それぞれとても重要な要素ですが、本ブログでは「バッチ処理の実装方式」について考えてみます。
バッチ処理の実装方式には大きく分けて3つの方式にまとめられると思います。


プログラミング言語(CやJavaなど)

■強み

  • 要件に応じて、柔軟な実装が可能
  • ツールやDBのようにサポート期限がなく、長期間利用が可能

■考慮事項

  • 開発/運用担当者に一定のスキルレベルが求められる
  • 開発された資産はテキストベースとなり、可視性が低い為、属人化の回避の為の対応が必要

データベース

■強み

  • 要件に応じて、柔軟な実装が可能
  • データベースエンジンのパワーにより、高い処理性能を実現

■考慮事項

  • データベースの障害がシステム全体に影響する
  • 開発/運用担当者に一定のスキルレベルが求められる

ETLツール

■強み

  • GUIで開発/運用ができ可視性が高い為、属人性の低下が可能
  • 開発/運用担当者に求められるスキルレベルを低く、抑えられる

■考慮事項

  • ツールのサポートポリシーの影響を受け、バージョンアップなどが求められる
  • 障害発生時にベンダーの調査が必要となる

実装方式ごとに、強みと考慮事項は大きく異なります。
この為、1つの実装方式で全てをカバーしようとするとどうしても対応が難しい処理内容が出てきてしまいます。
力業で実装することも可能かもしれませんが、その場合実装時に高いスキルレベルが求められたり、いびつな実装になってしまい属人化を引き起こしてしまったりする可能性があります。

このような背景から、アシストでは1つの実装方式で全てのデータ加工を網羅せず、適材適所で組み合わせて使うことをお勧めしています。
たとえば、単純なデータ移行やデータ加工はETLツールを利用し、ETLツールでは実装が難しい複雑な業務ロジック部分だけ、プログラミング言語を利用するといったイメージです。


抜群の安定性を発揮する「データ加工エンジン」とは

安定稼働とデータの処理性能に強みを持つETLツール「DMExpress」をご存知でしょうか。

DMExpressは金融業や通信業での採用が多く、ミッションクリティカルな基幹システムを扱う多くのお客様にて活用実績があります。その安定性はお客様から高い評価をいただいております。

DMExpressは他のETL製品にはない、安定性を担保する独自の機能を多数備えています。

安定性を担保するDMExpressの独自機能

  • サードパーティーツールを利用しないシンプルなシステム構成で、障害点を限定
  • 個々のバージョンにサポート期限を設けず、長期間に渡り同一バージョンを利用可能
  • データ加工の処理性能を向上、データサイズが増えても自動チューニングで性能劣化しない

レガシーマイグレーションを検討中のお客様はぜひ一度DMExpressの利用を検討ください。

実際に試していただけると、お客様のバッチ処理リプレースに貢献できることを感じていただけると思います。


安定稼働視点で考えるバッチ処理のリプレースのポイントについて資料としてもまとめていますので、ぜひダウンロードしてみてください!


執筆者情報:

執筆者 中村遼平

中村 遼平 (なかむら りょうへい)
東日本技術本部 情報基盤技術統括部

2008年株式会社アシストに入社。
入社以来、ETL、EAI製品の担当部署に配属し現在「DMExpress」「DataSpider」の
技術担当として活動中。

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