- アシストの視点
Bダッシュ委員会 DAO分科会発信
「DAOをビジネスに適用できるか」社内で実証実験
新商材・サービスの発掘・育成に取り組むBダッシュ委員会活動の中で、分散型自律組織(DAO)のビジネス適用の可能性を探り、アシストのビジネスにどう活かせるかを研究する「DAO分科会」についてご紹介します。
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デジタルトランスフォーメーションを成し遂げることが命題となる中、企業のITにはダイナミックな変革を支える柔軟性とスピード感が求められています。しかし、ビジネスの中核を担う基幹システムが変革を阻む枷となってしまっているケースがあります。従来、基幹システムで最も重視されたのは自社のビジネスを止めないための堅牢性であり、そこに多額の投資が行われてきました。さらにそこには様々な機能が追加され長年使い続けられています。(全5回連載)
企業の基幹システムには、顧客データ、会計データをはじめ、様々な企業の資産としてのデータが集約されています。業務にあわせた様々な機能要件がカスタマイズして付け加えられた結果、年月を経て最終的に誰も全貌を把握できないような複雑なシステムになってしまうケースもあります。このような「“超”基幹システム」を抱えて苦労している情報システム部門は非常に多く、デジタルトランスフォーメーションの時代を迎えた今になって、いわば「独自進化」の袋小路で立ち往生しています。
ビジネスルールのCOBOLコードからの切り離しについては、COBOL文法ベースのパターンマッチングが提唱されたこともありますが、実用化されていません。やはり、ビジネス戦略を担うディシジョンの構造を詳らかにすることが重要です。この連載でも触れている「DMN」を利用することで、本当に切り出すべきビジネスルール=ディシジョンが明確になるはずです。ちなみにチェックロジックも含めた全てのビジネスロジックを切り出してしまうことを米国の第一人者は「大きなルールのバケツ」と名付け、アンチパターンとしています。先の文法ベースのパターンマッチングもそもそも、システム観点でしか物事をとらえていなかったがゆえ、実用化されなかったのかもしれません。
システムのマイグレーションを行う際、従来利用してきた仕様をそのまま再現しても、それは新しい言語で作られただけの旧システム。海外では「ニューレガシー」などと揶揄されているものです。また、「どうせ刷新するならさらに機能を盛り込もう」という考えももちろん失敗の元です。
今、考えなければならないことは、なるべくビジネスルールを切り離して、基幹システムを身軽にしておくことです。ビジネスルールが分離されていないシステムは、新たに構築したところで再び肥大化し、同じ袋小路への道が待っています。
情報システム部門は業務のスペシャリストではないため、必要な機能を把握しにくく、網羅性ばかりに気を取られてしまいがちです。しかし、業務部門の要望にただ応えているだけでは変革に耐えうるシステムは作れません。これまでの連載で触れた要求マネジメント、超高速開発、ビジネスルール分離などは、いずれもビジネス改革をITで牽引する情報システム部門にとって極めて有効なツールです。これを機に取り入れることを検討してはいかがでしょうか。
・デジタルトランスフォーメーションのための超高速開発基盤! Vol.1
・デジタルトランスフォーメーションのための超高速開発基盤! Vol.2
・デジタルトランスフォーメーションのための超高速開発基盤! Vol.3
・デジタルトランスフォーメーションのための超高速開発基盤! Vol.4
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佐藤 彰広
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