アシストのブログ

  • 取り組み紹介
2025.07.31

アシスト取扱製品ヒストリー:Glean編


アシストは、設立以来培ってきた「ソフトウェアの目利き力」を生かし、販売代理店として71製品(2025年4月現在)を日本企業のお客様に提供しています。今回は、アシストにおける商材発掘・調査の専門チーム「Bダッシュ委員会」が、生成AIの活用に挑戦するお客様向けに、社内情報を提供するエンタープライズサーチ、「Glean」をどのように選定したのか、その経緯をご紹介します。

生成AIの急激な普及とGleanの提供開始

Gleanとは、米国Glean Technologies, Inc.が提供する「生成AI搭載のエンタープライズサーチ」です。最先端のAI技術により、従来の文書検索では難しかった企業特有の頭字語や短縮語、コード名などを含む文脈を精度高く理解し、ユーザーの期待に沿った検索結果を返します。この機能により、社内の情報やナレッジへのアクセス時間を大幅に短縮し、業務の生産性向上に寄与します。

アシストは、国内初の代理店として、2023年5月にGleanの提供を開始しました。2023年は生成AI技術が劇的に進化し、業務効率化や価値創造への期待も一層高まり始めた年です。特に、ChatGPTをはじめとする対話型サービスが急速に普及し、アシストでも生成AI関連の相談が同年は3,000件を超えるなど、日々アップデートされる情報を取り入れてお客様に情報提供することが常態化しており、このタイミングでGleanの提供を開始できたことは、お客様のニーズに応えることにもなりました。

時流の波に乗る製品となったGleanですが、アシストはどのようにしてGleanを発掘したのでしょうか。


製品発掘のキーワードは「生成AI」ではなく「従業員向けソリューション」

実は、Glean発掘のきっかけは、「生成AI」というキーワードではありませんでした。生成AIのブームに遡ること2年前の2021年夏、Bダッシュ委員会メンバーが着目していたのは「BtoE」、つまりto Employee(従業員向け)ソリューションだったのです。

コロナ禍で顕在化した情報分断の課題

従業員向けソリューションがテーマとなった理由の1つは、コロナ禍をきっかけに発生した組織内外の情報共有における不均衡や断絶といった「情報の分断」でした。そこで、アシストでは、知識をベースに人のつながりを強化する「Internet of Knowledge」という概念を提唱し、ソリューションとして2020年に体系化しました。そして、次のステップとして、Internet of Knowledgeを強化、補完することで、従業員の満足度やモチベーションを高め、結果的に企業全体のパフォーマンスを向上させるのではないかと考えたのです。

従業員向けソリューションとして、Bダッシュ委員会のメンバーが持ち寄った具体的なアイデアは、「エンタープライズサーチ」「ナレッジマネジメント」「仮想ワークプレース」「社員エンゲージメント」の4つでした。それぞれに分科会を立ち上げ研究・検討を行いました。このうち「エンタープライズサーチ」分科会の活動が、Glean検討へとつながりました。

エンタープライズサーチ市場への期待と現実

分科会にて検討を進めていた2021年当時、エンタープライズサーチ市場には、十数年前から認知されている製品がいくつか存在していましたが、圧倒的な勝者と呼べる製品は見当たりませんでした。しかし、革新的な技術によって社内情報から本当に欲しい情報を即座に見つけ出せる──そんな世界を、たった1つの検索窓で実現できれば、私たちアシストにとっても、お客様にとっても、大きな価値があるのではないかという期待があり、まずは、グローバルで高く評価されている製品から調査することにしました。

しかし、4〜5製品を検討したものの、操作性やコスト、開発元からのレスポンスなどの課題があり、アシストにとって理想的な製品を発掘するまでには至りませんでした。もしこのままお客様のお役に立てるソフトウェアが見つからない場合は、理想とする製品を自社で開発するしかないのではないか――そんな考えも芽生え始めていました。


Gleanとの出会い

理想とする製品がなかなか見つからずにいた2022年5月のことです。あるメンバーが、日課として業界の出資情報を眺めていたところ、「Glean」の大規模な増資に関するニュースが目に留まりました。Gleanは、私たちが探しているエンタープライズサーチの世界観を実現しているのではないかと考え、すぐに開発元のWebサイトから問い合わせたところ、なんとその日のうちに返信がありました。これが、アシストと深く関わる開発元の窓口担当者とのお付き合いの始まりで、その後の窓口担当者をはじめとしたGlean社の対応は、企業として十分に信頼がおけると実感することができました。Glean社とは何度も協議を重ね、Gleanの機能やコンセプトを調査・検証した結果、アシストの理想の実現につながる優れた製品であることが分かりました。


Gleanの日本市場展開に向けたアシストの取り組み

ユーザーとして製品の価値を体験するために、PoCを実施

Gleanが優れた製品であることは早々に分かりましたが、さらに深く検証をするために取り組んだのが、社内PoC(概念実証)です。従業員向けのソリューションである以上、自分たちがユーザーとして実際に使用し、その体験をお客様に共有すると製品の魅力が伝わりやすいのではないかと考えました。また、新しい製品の導入はお客様にとってチャレンジとなるため、私たちもチャレンジする立場での率直な体験談を伝えたいとも考えたのです。まずは、アシストの営業担当者100名ほどを中心に、社内情報の検索用途で3ヵ月の試用を開始しました。

PoCでは、定期的に使用状況をモニタリングしました。その結果、大多数が好意的に受け入れて利用しており、特に一部では熱心なGleanファンが生まれたことが印象的でした。「Gleanが無いともう仕事ができない」「絶対に本番導入してほしい」といった強い要望が多く寄せられたことで、PoC終了後にも継続して利用できるよう、そして全社員にとって有効なツールであることの実感が得られたことで、Gleanを全社に導入することとなりました。

全社活用を支える推進体制として、全部門へエバンジェリストを配置

しかし、全社導入をしてみると、「操作方法を覚えるツールが増えることへの懸念」や「検索精度への不安」、「セキュリティやプライバシーが十分に担保されるのか」といった理由から、Gleanの利用に消極的な層も一部見受けられました。そこで、「1GAN」という全社施策を立ち上げ、各部門にエバンジェリストを配置し、社員に寄り添いながら使い方や検索結果の精度に関する相談に対応するなど、全社員が積極的に活用できるサポート体制を整えました。

こうした取り組みを経て、アシストの正式な取扱製品としてお客様に自信をもって紹介できる準備が整ったのです。

日本市場への展開とお客様からの評価

こうして2023年5月、アシストが日本初の販売代理店として、お客様へのGlean提供を正式に開始できることとなりました。ちょうどこの時期は、生成AI分野の急激な発展と重なっていましたが、開発元が生成AIの世界観を見越して製品開発をしていたことで、他のエンタープライズ向けの製品の中でも圧倒的に早いタイミングで生成AIとの連携がリリースされ、時流の波に乗ったリリースとなりました。生成AIとの連携により、Gleanのエンジンがさらに情報の検索速度や精度が大幅に改善したことを受け、アシストでは、従来のエンタープライズサーチの概念から進化したGleanのエンジンを、他の製品と区別するために「Insight Engine」と称し、社内PoCで得た体験を基に、Gleanの強みを丁寧にお客様に伝えていくことにしました。ユーザーインターフェースの使いやすさやデータの取り込み範囲の広さはもちろんですが、お客様からは、「圧倒的に検索精度が高い」という評価を多数いただいています。


Bダッシュ委員会の今後の展望とお客様への価値提供への想い

今回のGlean取り扱いの経緯について、Bダッシュ委員会のメンバーにポイントや想いを伺いました。

「Gleanの日本市場への展開は、出会いから正式にお客様へ提供できるまでわずか1年と、前例にないスピードで順調に進みました。今回の体験を経て、Bダッシュ委員会が新商材の取り扱いを決定する際の三大要素は、「タイミング」「窓口担当者のレスポンスの良さ」「製品自体の魅力」であることを実感しました。

また、社内でPoCを実施したことで、製品の魅力や活用ポイントを実体験として得ることができたことも、迅速に取り扱いを開始できた要因の1つです。今後も、アシストの体験をお客様が製品の価値を見極めるためにお役立ていただけるよう、引き続き取り組んでいこうと思います。

ソフトウェアの目利きを目指すBダッシュ委員会では、今後も困っているお客様がどこで何に困っているのかを見極め、ソフトウェアを通じて価値をお届けする方法を探求していきます。開発元との連携もさらに強化し、多くの方に安心してご利用いただくために、お客様の声を届けることにも一層力を入れてまいります。引き続き、お客様のIT課題は、ぜひアシストにご相談ください!」


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