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2025.09.01

災害時帰宅訓練レポート ~「もしも」に備える安心を学ぶ~

アシスト中日本支社 オフィス前(帰宅訓練当日)


皆さんは、職場で大きな地震や災害が発生したとき、どのように帰宅しますか?アシストの中日本支社では、「災害時帰宅訓練」を実施しました。実施に至った背景や当日の様子と、終了後の関係者の声をご紹介します。

アシストの備えと中日本支社の取り組み

アシストでは、災害時の安全確保のため各オフィスにヘルメットや飲料水、カンパンなどの防災備蓄品を常備しています。各拠点で自衛消防隊を組織し、年1回ビルの防災訓練にも参加。新入社員は入社時にAED訓練を受講し、全従業員が年1回、防災動画教育を受けています。BCP(事業継続計画)文書も策定し、事業継続方法の計画にも取り組んでいます。

中日本支社では、全社での取り組みに加え、災害時の初動マニュアルを独自に再整備しているほか、執務室の備蓄品である簡易トイレなどの防災グッズの使い方を学ぶなど、防災への取り組みを積極的に進めてきました。しかし、災害時に本当に役に立つのは、社員一人一人が実訓練に参加し、体感として「災害時にどうするべきか」を自分事として経験する事が大事と考え、「いざ」というときに従業員が安全に行動できるのかを実践してみようと企画されたのが、「災害時帰宅訓練」です。出社時に災害が発生し、公共交通機関が止まり帰宅困難となった場合、原則として2日間はオフィスに留まります。ただし、家庭の事情などで帰宅が必要な状況を想定し訓練を行いました。


災害時帰宅訓練の概要

災害時帰宅訓練の目的

災害時帰宅訓練の目的

災害時帰宅訓練は、以下のように行われました。

  • 目的:徒歩での帰宅ルートと、ルート上に在るトイレ・休憩場所、帰宅支援ステーションを確認し、現実的な行動判断のヒントを得ること
  • 日時:2025年5月9日(金) 13:00~17:30
  • 参加者:アシスト中日本支社 計54名

訓練の流れ

今回の帰宅訓練は、「いざ」というときに的確に判断できるよう、現実的に使える場所やモノ、連絡手段をあらかじめ把握しておくことが目的です。ただ帰宅ルートを歩くだけではなく、途中立ち寄るトイレや休憩場所、帰宅支援ステーションの位置などを確認しながら帰るよう、運営側からの案内がありました。

なお、運営側とのコミュニケーションは、実際の災害発生時にアシストで利用している安否確認サービスを介して行いました。参加者はスマートフォンを使い、運営側に帰宅中、帰宅済、社内滞留中の状況を都度報告します。徒歩での帰宅訓練としていますが、無理はせず交通機関を使うことも可能です。


当日のレポート


参加した中日本支社 信田さんの目線

「私の場合は自宅まで10kmあるのですが、いざというときには絶対に家に帰りたい、家族のためにも帰らないと!という気持ちがありました。
帰宅方面が同じ5人でスタートしましたが、途中からは帰宅経路が異なるため、1時間半後に2人、最後は1人になりました。当日はあいにくの雨で、さらに途中から風も強くなってきたので、少しだけつらいなと感じる場面もありました。帰宅時間は、想定より1時間多く、3時間半もかかってしまいましたが、終わった後は何だか達成感を得ました。
そういえば、帰宅支援ステッカーが途中のコンビニのほとんどに貼ってあったので、ここでも支援を受けられるのだな、と心強く感じました。同じ方面の仲間と歩きながら、備えについてしっかりと意見交換ができた事も良かったです。『もしもに備える安心』を学べた日となりました!」


同じ方面のグループでスタート!
「ここは特に危なそうですね」

高速道路の下や工事現場を歩きながら、会話が生まれました。

帰宅経路の、公園のトイレをチェック。

うーん、トイレットペーパーが無い。

途中の多目的ホールへ。
休憩がてら、トイレもチェック。ここのトイレは安心して使えそう!

(後から調べたら、ここも地域の防災協力拠点になっていたことが分かりました。これも学んだ事の1つです。)

1時間半ほど一緒に歩いたメンバーとは、帰宅経路が異なるため、ここで解散。
自宅までは、まだ半分以上の距離が残っています。

ほとんどのコンビニエンスストアに「帰宅支援ステッカー」が貼られていました。
なんだか心強い!


訓練を終えて

訓練後のアンケートでは、参加者の約8割が「非常に良かった」「良かった」と評価。「家族と有事の相談をする良いきっかけとなった」とのコメントも寄せられました。

また、実際に雨の中濡れながら歩いた事で、「防水装備や歩きやすい靴の大切さを痛感した」、「自宅までたどり着くのは体力的にきつい」、「天候やインフラ、体調次第で会社に留まる選択も現実的」といった、机上の計画を超えた多くの気付きが得られたようです。

一方で、参加者の声と運営側の両面から、明らかになった課題もありました。

  • 従業員の在宅勤務や出張時、正確に安否を確認できる方法がない。執務室がフリーアドレスということもあり、全員の所在把握が難しい事が実感できた。安否確認サービスといったICTの活用を継続し、定期訓練や啓発を強化したい
  • 一度では説明が伝わりにくい事もあるので、何度か、熱心に実施する必要があると感じた
  • 備蓄品の棚卸し、補充の必要性を感じた。数量と内容の見直しは、継続的に実施したい

やってみて初めて分かる事の多かった災害時帰宅訓練。さらにこの取り組みは、アシスト北海道や西日本支社といった、他地区にも広がりを見せようとしています。全社での防災体制とも連携し、全ての従業員の「安全・安心」を守る仕組みづくりに挑戦できる職場文化を育んでいきます。


担当者から / 中日本支社 防火・防災管理者 信田久美子

企画に取り組むことで改めて感じた「防災の意義」
「災害時帰宅訓練」はアシストでは前例のない試みであり、企画を実行する上で、中日本支社が入居しているビルや、アシストの会社全体としての災害対策を一から調べ直す必要がありました。

「そもそもこのビルは、どのくらいの震度まで耐えられるのだろうか?」
「自衛消防隊のメンバーは、どんな役割を担っているんだろう?」
「カンパンや水は、一体何日分くらいあるんだろう?」
 
毎年会社で実施するBCP教育は受けているものの、自分自身が被災したことを想定してみると、分からないことだらけでした。疑問点を調べていくうちに、社員一人一人が意識を持って防災に取り組まないことには、いざというときの中日本支社の事業継続が難しいのだと、改めてこの取り組みの意義を感じるようになりました。

今後の展開と、個人としての思い
実施までは様々な苦労がありましたが、他の拠点からも「参考にしたい」という声をいただき、達成感を得ています。

今回の訓練は、単なる一度きりのイベントで終わらせるつもりはありません。災害への備えは、一度の訓練だけでは定着しません。定期的に防災意識を高める企画を実施し、いざというときに焦らず行動できるよう、引き続き意識付けを行っていきます。

また、個人的にも、この企画を通じて多くの学びがありました。会社や自宅周辺のハザードマップや避難所、スマホにインストールする防災アプリなどにも詳しくなりましたし、家族とも災害時の連絡手段や集合場所について話し合うきっかけにもなりました。

被災時に会社が事業を継続するためには、社員一人一人の「家族」の安全が確保されることも不可欠であると考えます。これからも、会社と個人の両面から防災への意識を高め、万が一に備えていきたいと思います。

責任者から / 中日本支社長 加藤義和

災害時帰宅訓練、大変お疲れ様でした。事前の準備と確認から、当日の訓練実施まで、皆さん大変真剣に取り組んでいただきました。

私自身は東日本大震災を市ヶ谷本社で経験しました。あの時、会社のビルが激しく揺れ、生まれて初めて「生きた心地がしない」という感覚を味わいました。交通機関は完全に麻痺し、その夜は会社に泊まり、翌早朝、わずかに動き始めた電車と慣れない道を歩くことを組み合わせ、なんとか横浜の自宅にたどり着くことができましたが、水や食料といった備えがなく、非常に心細く大変な思いをしました。

近年、南海トラフを震源とする大地震とそれに伴う津波の発生確率が高まっていることが指摘されており、いつ大規模な災害が発生してもおかしくない状況です。今回の訓練を通じて、災害発生時の初期対応、家族との連絡手段の確認、そして何よりも安全な帰宅経路の確認など、多くの重要な気付きがあったことと思います。いざというときに、パニックに陥ることなく、冷静かつ迅速に行動するためには、こうした実践的な訓練が非常に重要であると改めて強く感じました。

災害訓練は、実際に災害が起こらず無駄になるのが一番いい結果です。しかし、もしものときに備えることは、私たちアシスト社員一人一人の責務であり、会社としての社会的責任でもあります。今回の訓練で得た学びを活かし、各自で防災グッズの準備や家族との安否確認方法の共有など、具体的な行動につなげていただければ幸いです。もしものときには、アシスト社員として、家族の一員として、そして地域の一員として、会社や社会に貢献できると信じています。この訓練が、皆さんの命を守り、大切な人を守るための確かな備えとなることを願っています。今後も定期的な訓練を通じて、より実践的な対応力を養っていきましょう。


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