アシストのブログ

  • 社員紹介
2012.06.01

学生時代に培った精神で働く営業マン(原田 直人)

[掲載媒体]INSIGHT NOW!
[日付]2012年6月1日


全国11箇所に営業拠点を展開する「地域密着型」のアシストが、北海道に営業所を開設して21年。原田直人は1993年の夏、東京本社から出身地である札幌に転勤した。

学生時代に培った精神で働く営業マン

株式会社アシスト
情報基盤事業部営業統括部 札幌営業所 営業課
原田 直人(はらだ なおと)

ソフトウェア開発会社を経て、1989年アシストに入社。東京でオンラインプロダクト事業部(当時)に配属された後、システム・プロダクト事業部に(エー・シー・エー)所属、1993年より札幌営業所勤務となり、現在に至る。




前職はソフトウェアの開発の会社に勤めていた原田。アシストへは、ある人材コンサルタントの紹介で就職した。

「当時は企業のコンピュータもメインフレームが中心で、コンピュータ・ソフトウェアも今以上に労働集約型の開発に頼ったものでした。業界の『労働力投入型』のスタイルにどうしても馴染めず、転職先について色々と想いを巡らしていた時に、ある人材コンサルタントの方を通じてアシストの存在を知りました。当時のアシストの採用面接は部門採用担当者、グループ企業ごとで行われ、担当者がサークル状に志願者を囲んでオーディション形式で行われるというもの。幸い面接では2部門の部門長が手を上げてくれてその内の1部門に採用が決まりました」

こうして東京の本社でオンラインプロダクト製品を担当した後、4年目に出身地の札幌にUターンする。

「当時、札幌に常駐していた技術者の方が本社へ戻ることになり、その交代要員として技術担当として異動しました。最初のオフィスは中央区南3条西1丁目、ススキノ歓楽街に隣接するビルでした。当時の担当者からは、札幌で一番有名な場所にオフィスを開設すれば間違いないと考えたと聞いています。日中は社員3名の静かなオフィスですが、夕方になるとオフィスにお立ち寄りいただくお客様でオフィスが賑わったのを覚えています」

札幌に営業所を開設する前、アシストでは営業担当者が東京から定期的に北海道の顧客先へ訪問したり、場所を借りて「アシスト札幌サロン」と呼ばれる集まりを開催していた。このサロンは夕方から始まり、親睦を兼ねて参加者は軽く飲みながらコンピュータの技術動向やユーザ事例などの勉強会をするというものである。そうした活動のなかで、アシストが札幌に営業拠点を作ったら製品を購入しましょう、と言って下さるお客様が現れたことが後押しとなって1991年、札幌営業所が開設されたという。

「先日、あるお客様から、あの頃は無理やりアシストとの打ち合わせを夕方に作ることが多かった、と、当時を懐かしむ打ち明け話を伺いました。90年代前半、アシストの製品の多くはIBMのメインフレーム・コンピュータで稼働するものでした。私は国産メーカーのマシンでも稼働したEasytrieveを主販売製品に位置づけて営業活動していましたが、それでも東京と比べると、北海道でメインフレーム・コンピュータを利用されている企業は圧倒的に少なく、ユーザやプロスペクトで使用している機種などの情報は暗記できるくらいの数しかありませんでした」と原田は当時を振り返る。このススキノに隣接した最初の札幌オフィスは、原田が転勤して半年後、現在の札幌駅近くに移転となった。

東京や首都圏では1時間超の通勤時間は普通だが、札幌圏の勤労者の平均通勤時間は29分だという。ここ札幌で、原田の場合も35分と快適なゆとり通勤を享受している。

「一年のうち約4ヶ月は雪に覆われる地域ですので、仕事でもプライベートでも、5月~10月の季節がもっとも活動的に動ける季節で、冬季は積雪と寒さでどうしても活動が鈍重になりがちです。運動不足を解消するために冬季には週末にはスポーツジムで汗を流しますが、夏季には自転車通勤に切り替えて15キロの自転車ロードを自転車で通勤しています。これで時間の節約と運動という両方のメリットを享受できるからです」。北海道の限られた季節を満喫するのに、自転車通勤は最高の方法だ。

原田の一日は、会社に到着するとオフィスの開錠から始まる。札幌営業所はビルの一室で、札幌常駐は原田を含めて3人、うち2名が営業マンだ。

「まずは庶務的な仕事から。本社の関係する社員の出社をメッセージング・ソフトのオンライン情報でアクティブになっていることで出社を認識します。私のアシスタントは東京本社におりますので、仕事上の連絡はすべて電話とメールで行っています。最近はIPテレフォニー技術の発達で複数人とのテレカンファレンスも頻繁に行うようになりました」

技術が東京と札幌の間でアシスタントとの距離を埋めてくれ、原田が客先へ訪問している間の電話対応もすべて東京本社のアシスタントが行っている。倉橋朋江は、北海道の原田とのやりとりは、東京の営業マンを担当している時とほとんど変わらないという。

「仕事の内容は、製品の出荷手配や契約書作成など、基本的には顔を見ながら一緒に働いている営業マンへの支援と同じです。札幌営業所に届いたFAXもメールで確認することが出来ますし、必要書類を東京から札幌のプリンターに印刷することも出来ます。札幌オフィスの状況が見えないので、今どの程度忙しいのかが分かりにくいことがありますが、原田さんは、急ぎではない場合はメールの件名に『急がない確認』と記入して連絡してくれるので、こちらも仕事の優先順位がつけやすいです。営業活動のほかにセミナーや研修の企画から、オフィスのメンテナンスの調整まで、メールを見ると本当に一人で何役もこなしていて、東京にいては支援できないことも多く、大変だろうなと思うことがよくあります」と倉橋は言う。 

原田が外出から戻ると宅配便の不在通知がドアに挟まっていることも良くある。普通のオフィスではなかなかない光景だろう。

「少人数の営業所なので、業務は分業化することが難しいです。通常の営業活動に加えてセミナーの企画、案内状の作成、プロモーション、集客活動、運搬、支払いや、お客様の慶事/弔事などすべて自分で行います。出張要員の調整、チーム・セリング、遠隔コミュニケーションの難しさなど地方営業所特有の課題もありますが、解決できることは解決し、あとは割り切ってやっていくようにしています」と言う。

北海道の産業構造の特色は、農林水産業の第1次産業、小売業やサービス業の第3次産業が全国の構成比に比べて多く、製造業等の第2次産業がかなり少ない傾向にある。そのため、通勤時間や生活のペースが違うように、ビジネスのペースもビジネスのやり方も東京と同じではない。
「札幌は支店経済と言われており、全国規模で展開する企業の 支社・支店、または地域子会社が立地している都市です。顧客企業には自社(札幌)内に情報システム部門を置く企業も限られ、この限られた市場に対して多くのIT企業が営業活動して競争が起こっています。北海道のIT業界は狭く、良い情報も悪い情報も広がります。丁度海外都市の日本人コミュニティに近いかも知れません。ですから失敗すれば、マーケットを変更して次のターゲットを期待するといったことが出来ませんので、常に中長期的にお付き合いできることを意識した対応が必須となります」

そのために原田が意識しているのは、いかにして提供するサービスの接点を『点』から『面』にするか、ということだという。

「本来お客様が享受出来るアシストのサービスが、北海道だからという理由で一部しか享受できない、または 内容の質が劣るといったことがあってはならないと思います。それでも、設備やコストの関係から提供できていないこともあるのが現実ですが、それもITの発展で少しずつ克服できると考えています。そのためのチャレンジを、北海道で先駆けて実施できればと思っています」

また原田は、北海道は開放的でフレンドリーなお客様が多いと言う。「転勤当時は独身でしたので、お客様のご家庭で食事をご馳走になることもよくありました。お客様との距離は東京よりも格段に近いと思います」

お客様との付き合いだけでなく、札幌営業所には頻繁に多くの出張社員を迎えるので、組織や役職を越えた社内のコミュニケーションの機会も多くある。「一般社員に限らず、役員や会長の来札も多く、そういった出張者との夜の食事に出かける回数は多いです。そういう意味では、プライベートのときでも、仕事に通じるようにお店のメニューやビールの銘柄を無意識に気にする習慣がついていたり、仕事とプライベートの壁は東京に比べてかなり低い気がします」

原田は高校、大学と、全寮制のミッションスクールの出身であり、社会人になった今も、当時培ったキリスト教精神は、自身に強い影響を与えていると言う。「全寮制で過ごした7年間に得たキリスト教精神は、精神の根底に刻み込まれているような気がします。キリスト教の教えに、“涙とともに種を蒔く者は、喜び叫びながら刈り取ろう”というのがあります。 日々の仕事はまさにそこにあると思います。まずは良い土壌を作り、こまめに水やりをして収穫を得ること。それでも時々凶作に見舞われますが(笑)」

もう一つ原田が意識しているのが、細かいところに気を配る精神であり、これは学生時代にディズニーランドでキャストとして1年数ヶ月働いた時の経験から得たと言う。

「ディズニーランドにあるメリーゴーラウンドは、金のペンキではなく23金の金箔が使われていることはビジネス書などで紹介されています。私はウエスタンランドの川の所属で、トムソーヤのいかだとカヌーを漕いでいました。西部開拓時代のアメリカを再現したウエスタンランドでしたが、このアメリカ河の水はミシシッピ河のイメージに色付けをしてあり、また西部の街並みの建物は、汚れや錆など一つひとつ職人が手で描いて、テーマの雰囲気を最大限に演出していました。これらは、たとえお客様が気づかないとしても、サービスを提供する側はその努力とこだわりを惜しまない、ということの表れなのです」

お客様のために働いている、お客様がいなければキャストの仕事も意味もなくなる。だからこそキャストが細部にこだわり、そういう意識を常に持っていれば、ゲスト(お客様)の大切さを忘れずにいられ、また素晴らしいサービスを継続的に提供していけるのだ。

IT技術の進歩によって北海道と東京の距離は大きく縮まり、また、企業の情報システムもオープン化が進み、あらゆる企業が共通のプラットフォームを利用できる環境が整う日もそう遠くはないだろう。そうなれば、企業においては、原田のような「人」を介していかに満足できる支援やサービスでの差別化を図るかがますます重要になってくる。

「仕事の醍醐味は、お客様からうかがったニーズが自社の提案要素と合致して役に立つことが出来ると感じた瞬間、お客様の課題/問題が解決した瞬間、自社が販売した製品が用いられてお客様のシステムがカットオーバーした瞬間です」。この醍醐味をできるだけ多く味わうためにも、北海道の土に根付かせる良い種をまき続けるしかないと原田は思っている。

大きな自然と時間的にも余裕のある北海道には、厳しい冬や、限定された市場といったそれに背反する要因もある。しかしどんなときにもその土地で生活をしていくのであれば、すべてをポジティブに受け入れ、仕事にあたるのが一番だ。技術の進歩がそれを後押ししてくれる。そして技術が補えない部分は、細やかな「人」の気遣いでカバーしていくのだ。本州では梅雨に入る6月だが、北海道では新緑の季節、原田は今日も自転車で颯爽とオフィスへ向かう。

(文責: 株式会社アシスト 広報部 喜田 真弓)

  • 掲載内容は取材当時のものです。

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