TOP>製品/サービス>カテゴリから探す>AI/機械学習>Dataiku>コラム>Beyond Data コラム

Dataiku

Beyond Data コラム

【No.4】データ活用組織の成功モデルとは?現実解は間接代表制

Beyond Data


データ活用が失敗する原因は「技術」ではなく「組織のあり方」

近年、AIやデータ分析基盤を導入する組織が急増しています。しかし、「投資したのに成果が出ない」、「PoCで終わってしまう」といった声もまた少なくありません。

このような失敗の多くは、AIプラットフォーム(データプラットフォーム)そのものの機能や性能に起因するものではなく、多くの場合、組織のあり方に原因があります。

AIを含むデータ活用は、単なるツール導入で完結するものではなく、意思決定の仕組み、人材の役割分担、現場と経営の橋渡しなど、組織全体を巻き込む体制づくりが不可欠であることをご存じでしょうか?

本記事では、データ活用組織を3つのモデルに分類して整理し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。最終的に「現実解」として有効なモデルは何かを提示し、組織がデータドリブン経営を実現するための指針をお伝えします。


データ活用組織の3モデル(全員参加型/間接代表制/専門人材中心)

データ活用組織の在り方は大きく3つに分類できます。

1.全員参加型

全社員がデータリテラシーを持ち、日常的にデータ分析を行うモデル。いわゆる「データドリブン文化」を目指す形。

2.間接代表制

部門ごとに周囲を巻き込み、適応課題を解決していくことができる人材(チャンピオン)が中心となり、データ活用を推進するモデル。

3.専門人材中心

データサイエンティストやAIエンジニアといった専門家が中心となり、全社のデータ活用を推進するモデル。

次章以降では、それぞれの課題と限界を解説していきます。


全員参加型の難しさ(高コスト・文化醸成の壁)

「データ活用は全員参加でなければ意味がない」という理想論を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。確かに、全員がデータリテラシーを持ち、現場での意思決定に自然とデータが組み込まれる状態は理想的です。

しかし、現実には次のような大きな壁があります。

1. 教育コストの高さ

全社員にデータ分析スキルを習得させるには、膨大な研修コストと時間が必要です。Excelを超えた高度な分析や機械学習の基礎を理解させることは容易ではありません。

2. 人材のモチベーション差

組織全員がデータ活用に対して関心を持つわけではありません。営業職や製造現場の人材にとって、データ分析は本業の付加的作業に過ぎず、優先度は下がりがちです。

3. 文化醸成の難易度

「データに基づく意思決定を当たり前にする」という文化を社内に根付かせるには、経営層の強いリーダーシップが不可欠です。しかし、トップが旗を振っても現場に浸透し定着するまでには長い時間がかかります。

このような理由から、全員参加型をいきなり目指す企業は、プロジェクト早々に挫折するケースが多いのが実情です。


専門人材型の限界(拡大の壁)

一方で、データサイエンティストやAIエンジニアといった専門家を中心に据える「専門人材型」もあります。このモデルは高度な分析を短期間で実施できる点で有利ですが、全社的なデータ活用という観点からは、以下のような問題を抱えています。

1. 現場との乖離

専門家は統計や機械学習に精通していますが、必ずしも現場の業務課題を深く理解しているとは限りません。そのため、分析結果が現場にとって実用的でないケースが頻発します。

2. スケーラビリティの不足

専門人材は希少で採用競争が激化しています。数人のデータサイエンティストだけでは全社的なデータ活用ニーズすべてに応えきれません。

3. 属人化のリスク

特定の専門家に依存することで、その人材が退職・異動した際にノウハウが途絶えてしまうリスクがあります。

専門人材型は「小さな成功」を生みやすいものの、それを全社に広げる段階で必ず壁にぶつかります。


間接代表制が現実的な成功モデル

そこで注目すべきが、間接代表制というモデルです。

このモデルは、AIデータ活用推進役となるチャンピオンを発掘し、そのチャンピオンを中心に、社内の知見を形式知として整理・共有し、小さな成功事例や現場からの改善活動を積み重ねることで、現場推進力を高めていきます。

1. コストとスピードのバランス

全員に教育する必要はなく、限られた人材に重点的に育成投資を行えば済むため、教育コストが抑えられます。加えて、プロジェクト進行のスピードも向上します。

2. 徐々に文化を広げられる

当初はチャンピオンを中心にデータ活用文化を根付かせ、横展開により全社的な浸透へと繋げていきます。これが「間接代表制」が最も現実的なステップとなる理由です。

3. 経営層との接続

チャンピオンは部門の声をまとめて経営層に届けることができるため、トップの方針と現場実行の円滑な橋渡し役にもなります。

結果として、間接代表制は現実的かつ持続可能なデータ活用組織モデルとして、多くの企業で採用され、その効果が実証されています。


まとめ:「まずは間接代表制から始め、将来的に全員参加型へ」

データ活用組織には大きく3つのモデルが存在しますが、改めて纏めれば以下の通りです。

全員参加型 理想的なモデルだが、教育コストと文化醸成の壁が大きい(長期的な目標)
専門人材型
短期的な成果は出せるが、スケールに限界がある(局所的な活用に留まりがち)
間接代表制 ビジネスユーザーの20%程度が自らの業務にAI・データを活用し、
より高度な分析やガバナンスも担う、現実的なバランスタイプ(次の一歩として最適)
組織モデル プラットフォームコスト 統制コスト 人材コスト データ活用自由度 文化醸成
全員参加型 必須
間接代表制 当初必須
専門人材中心型 不要

結論として、最も実現可能性が高く、持続的な成果を出しやすいのは「間接代表制」であると弊社では考えています。

まずは各部門にチャンピオンを立て、専門人材と協働しながらデータ活用の事例を積み重ねる。やがて成果が見える形で現場に還元され、組織文化として「データドリブン」が根付いていく。その先に、ようやく全員参加型の理想が見えてきます。

AIやデータ活用の成否は、技術そのものではなく、どのように組織を設計し、どのモデルで進めるかにかかっています。貴社がデータ活用の旅を始めるなら、まずは「間接代表制」を足がかりにしてはいかがでしょうか。

AI・データ活用を成功させている組織には、必ず「チャンピオン」となる存在がいます。弊社では、AIプロジェクトを成功に導くためのスキルを身につける「AIプロジェクト・オーケストレーション(AIPO)」を通じて、そのチャンピオンの発掘・育成を支援しています。



※本記事の内容は公開時点(2025年12月8日)のものです。


「Beyond Data コラム」記事一覧

お問い合わせ

Dataikuについてのご質問やご導入に向けたご相談は、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

ページの先頭へ戻る