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Verticaが支えるデータヘルス事業「国民の健康寿命の延伸」を実現

株式会社データホライゾン

導入製品/サービス…
Vertica  

株式会社データホライゾン Vertica導入事例

株式会社データホライゾン

自治体をはじめとする全国の保険者を対象に、電子レセプト(診療報酬明細書)データや特定健康診査データを様々な角度から分析し、レポートを提供するデータホライゾン。同社の主力事業であるデータヘルス事業では、処理対象データの増加により性能劣化や処理エラーが課題となっていましたが、Vertica の導入により、データベース性能が約7倍高速化、安定性も同時に実現しました。


導入のポイント


1.データベース基盤へのVertica導入でアプリケーション性能が最大で90倍向上
2.急激なデータ増にもスケールアウトで柔軟に対応可能なデータベース基盤を実現
3.アシストの充実した技術サポートによるスムーズな導入と安定運用を実現


課題

  • データヘルス事業を支えるシステムのスループットが、データ量の増加により悪化していた
  • 既存のDWHアプライアンス製品では将来のデータ増に対して柔軟に拡張できるか不安があった
  • 既存環境では満足のいくベンダーサポートを受けることができていなかった

対策

  • 高速分析処理を得意とするVerticaで事前検証を実施、充分なスループットを得られることを確認
  • データの急激な増加にも、サーバの追加(スケールアウト)で柔軟に対応できるVerticaを採用
  • 他製品でサポートの品質の高さを実感していたアシストからVerticaの製品と技術サポートを調達

効果

  • Vertica導入により、最大で90倍、平均で6~7倍もの処理高速化を達成
  • データ増への対応が可能なデータベース基盤を確立し、「第二期データヘルス」への対策も万全
  • アシストの充実した技術サポートの活用により、スムーズな導入と安定運用を実現

レセプトデータ分析の流れ



データヘルス事業の急拡大に伴いデータベース処理に限界が


広島県広島市に本拠を構える株式会社データホライゾン(以下、データホライゾン)は、医療関連のITシステムおよびサービスを提供する企業です。近年では「アベノミクス第三の矢」の重要施策の1つと位置付ける「データヘルス事業」を全国に先駆けて実施した広島県呉市の先進的な取り組みを技術面から支援したことで広く知られています。開発部 部長 波多野伸幸氏は、同社におけるデータヘルスの取り組みについて次のように説明します。

波多野氏  広島県呉市が医療費適正化を目指して開始したデータヘルスの取り組みは、年間1億4,730万円の薬剤費を削減するなど、先進的かつ効果的な事例として大きな成果を上げました。この事例がモデルとなり、国民の健康寿命の延伸を実現する国策としてデータヘルス事業が全国の自治体で推し進められることになりました。 この呉市の取り組みで採用されたのが弊社のサービスです。このサービスでは顧客である契約保険者から電子レセプトデータや特定健康診査データを提供いただき、その内容を集計/分析することで誰にどのような保健指導を行えば良いのかを洗い出します。例えば、糖尿病の重症化が予測される方を保健指導対象者として抽出することで糖尿病性腎症の発症を予防し、一人当たり年間五百万円必要とされる人工透析費用を抑制することが可能となります(糖尿病性腎症者数 120,278名 日本透析医学会 2015年)。

少子高齢化に伴う医療費の高騰が社会問題化する中、データヘルスは国民の健康寿命を延伸し、医療費を抑制するとともに、高齢者の活躍による人手不足の解消、すなわち「一億総活躍社会」を実現するための重要施策として位置付けられています。

しかしデータヘルスの取り組みが全国に広がるにつれ、データホライゾンがサービスを提供する保険者数が急増し、保有するデータ件数も大規模化してきました。その結果、システムのスループットが低下したり、大規模データの処理が異常終了するなど、特にデータベース基盤にまつわる様々な問題が顕在化してきていました。

大規模データ処理/拡張性/性能に優れる「Vertica」を採用


使用していたDWHアプライアンス製品の更新時期を迎えていたこともあり、顕在化していた課題を確実に解決できる新たなデータベース基盤の導入を検討することになりました。既存のDWHアプライアンス製品が大規模データの高速な処理性能を謳っていたため、その後継機種も選定候補に挙がりましたが、その他にも複数製品を調査し、要件に合致しそうなものを比較検討しました。

その結果、最終候補として残ったのが、使用していたアプライアンス製品の後継機種、インメモリデータベース製品、そして列指向型の分析専門データベース製品である「Vertica」の3製品でした。「大量データ処理能力」「拡張性」「性能」「冗長性」「移植性」「コスト」「保守性」の7評価項目でこれらを比較検討し、実際に動作検証を行った結果、特に重視していた「大量データ処理能力」「拡張性」「性能」の点で高い評価を得たVerticaの採用を決定しました。

波多野氏  列指向型データベースであるVerticaは、データ分析に特化した方式によるスループットの劇的な改善と、列指向アーキテクチャによる効率的なデータ圧縮が期待できました。またスケールアップでなく、サーバ増設によるスケールアウトでキャパシティをリニアに拡張していけるため、初期投資は抑えながら、データ量の増加に合わせて適切なタイミングで拡張できる点も魅力でした。

加えて、アシストによる充実した保守サービスを受けられる点も大きな決め手になりました。それまで利用してきたアプライアンス製品では満足のいく保守サービスを受けられておらず、別製品で品質の高さをすでに実感していたアシストの保守サービスなら安心して導入できると判断したのです。

6時間かかっていた帳票作成処理が4分で完了


こうしてVerticaの正式導入を決定した同社は、2016年5月に導入プロジェクトをスタートさせました。導入時に挙がっていた懸念点の1つが、旧環境で使っていた「製品独自の拡張SQL」の扱いでした。これらは当然Verticaとは互換性がないため、やむなく新規作成することにしました。また製品選定時の動作検証の段階から、いくつかのケースで性能に関する課題が判明していました。しかしこのような課題は、事前に解決しておくことができたと言います。

波多野氏  アシストの技術サポートを受けることで、性能課題を先回りして解決しておくことができました。さらに導入プロジェクトでは、旧環境と比べて性能が劣化したいくつかのSQLのチューニングもアシストにお願いしました。その結果、性能に課題のあったSQLのスループットが劇的に向上したとともに、既存SQLの潜在的な問題点も洗い出すことができました。

こうして2016年12月、Verticaを使った新たなデータベース基盤が本格稼働を開始しました。その効果は誰の目にも明らかで、旧環境と比べると、例えばレセプト件数が年間30万件程度の標準規模のデータでは処理時間は約6倍、1,200万件もの大規模データでは約7倍高速化されました。中には、旧環境で約6時間かかっていた帳票作成処理が、約4分にまで短縮できたケースもありました。

大規模データ処理で発生していたSQLエラーも一切起こらなくなり、またデータも約1/10にまで圧縮されるなど、あらゆる面で当初の想定を大きく上回る効果が得られました。

2018年スタートの「第二期データヘルス」でVerticaをさらに活用


こうしてVerticaの導入により旧データベース基盤が抱えていた課題を一気に解決したデータホライゾンは、2018年にスタートする「第二期データヘルス」を見据えたシステムの検討を既に開始しています。「第二期データヘルス」では、保険者数やデータ量の更なる増加が予想されるため、なるべく早くVerticaをより広範囲に適用し、十分な受け入れ体制を整えておきたいとしています。

波多野氏  日本が世界に誇る国民皆保険制度を子の代、孫の代まで存続させるために、弊社は今後もデータヘルス事業に真摯に取り組んでいきます。Verticaはそのための基盤となる極めて重要な製品であり、今後とも大きな期待を寄せています。


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お客様情報

※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。

会社名 株式会社データホライゾン
概要 ITを活用した各種システム、サービスの提供を通じて、健康保険事業の運営主体である保険者をバックアップし、医療費適正化の実現と国民が健康に暮らせる未来を創ります。
本社 広島市西区草津新町1丁目21番35号 広島ミクシスビル
設立 1982年3月
資本金 456,600,000円
社員数 107名(他パート8名)計115名
URL https://www.dhorizon.co.jp/
取材日 2017年4月

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