経営情報のリアルタイム化を実現する情報活用基盤を整備
~生産性向上とコンプライアンス遵守に貢献~
三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
- 導入製品/サービス…
- DataSpider Servista
三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 |
業務・組織の最適化と情報システムの再整備を目指した“かがやきプロジェクト”のミッションの一つは、部分最適の形でサイロ化した社内システムを柔軟に連携し、人手を介さずに必要な情報をいつでも取り出せる環境へと進化させること。データ連携プラットフォームDataSpider Servista (以下、DataSpider)を活用し、現場の業務効率化を実現しながら、リアルタイムな情報活用が可能なシステム基盤の構築に成功しました。 |
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導入のポイント
1.SAPをはじめ各種社内システムを柔軟に連携し、業務の生産性を向上
2.DataSpiderにより情報の収集・加工が容易になり、経営資源のリアルタイムな見える化を実現
3.ワンファクト・ワンプレイスをスローガンとしたデータの集約が可能になり、情報活用の範囲を拡大
課題
- 社内に散在したシステムが業務の生産性向上を阻害する要因になっていた
- 経営指標を見える化するためのデータ収集・加工の手間が現場の負荷となっていた
- データ収集は夜間バッチ処理のみで、定型的な情報提供にとどまっていた
対策
- 業務や組織の最適化を目指し、全社プロジェクト“かがやきプロジェクト”を開始
- SAPや周辺システムとのリアルタイム連携を実現するためにDataSpiderを導入
- アシストの標準化やスキルトランスファー支援を活用し、DataSpiderによる新たなデータ連携の仕組み作りを推進
効果
- 経営レポート作成の自動化をはじめ、様々な業務で生産性が向上
- データの収集・加工が自動化され、リアルタイムな経営指標の見える化を実現
- 3ヵ月・4名の体制で170本以上のスクリプトを開発し、データ連携の仕組みを最適化
システムの構成イメージ
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働き方改革推進とコンプライアンス遵守を目指す“かがやきプロジェクト”を開始
三菱電機の情報システム事業を分社化して2001年に発足した三菱電機インフォメーションシステムズ(以下、MDIS)。2020年には三菱電機のIT事業を担うグループ3社による事業再編を実施し、新生MDISとして「金融」「製造」「流通・サービス」の事業にリソースを集中し、顧客とともに新しい価値や未来を創造し、豊かな社会づくりに貢献しています。
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藤本氏
お客様とともに次のビジネスを創造する“サービスインテグレータ”として、システム構築やサービス提供を行うことを企業理念に、次のビジネスを一緒に作っていく新たな価値提供を進めています。
同社では、2017年度から業務の最適化や情報システムの整備、そして組織の最適化を目指した“かがやきプロジェクト”をスタートし、業務の見直しを進めながら、働き方改革を支えるコンプライアンスの遵守と業務の最適化を推進しています。
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大谷氏
必要に応じて追加されてきた規則や共有すべき過去の教訓が増えていく中、社内システムの乱立によって情報の再利用が難しい状況が続くなど、業務の生産性向上を阻害する要因があったのです。そこで、新たなテクノロジーの活用も視野に入れ、無意識のうちにコンプライアンスが遵守できる環境整備を進めつつ、働き方改革を推進する全社プロジェクトを開始しました。
プロジェクトの推進に際しては、業務の棚卸を実施しながら目指すべき業務基盤の形をシステム構想書に落とし込みました。そこで検討されたものの1つが、必要な時に必要な人が自ら情報を収集し、活用できる環境を整備することでした。
中川氏 現場にある部分最適化された業務システム内の情報を一ヵ所に集約して、報告書の作成や情報活用ができる基盤を整備し、現場の業務効率化に役立つ環境作りが求められました。目指したのは“ワンファクト・ワンプレイス”の環境です。
SAPとの柔軟な連携が可能で、豊富なアダプタとGUIによる高い開発生産性を評価
新たな業務基盤として、各業務システムの情報を集め、情報活用が可能なデータウェアハウス(以下、DWH)の構築を検討しました。経営層が求める事業部の損益に関わる情報をはじめ、就業情報を含めたプロジェクト単位の費目毎の原価実績/計上予定といった、現場に必要な情報も含めて、いつでも情報が取り出せる環境作りが求められたのです。従来のデータ集約の仕組みは夜間バッチ処理のためタイムリーな情報収集ができず、提供可能な情報も定型的なレポートにとどまっていました。
村上氏
新たな仕組みでは、DWHの整備、セルフサービスのBIツールの導入、そして各システム内の情報の収集・変換・加工するデータ連携の仕組みが求められました。重視したのは、基幹システムであるSAPとの柔軟な連携と、限られた期間内でデータ連携の仕組み作りができることでした。
そこで、アシストが提供するDataSpiderに注目しました。検討の初期段階ではいくつかのデータ連携ツールも検討しましたが、レスポンスやSAP連携のコストなど、今回の仕様にはそぐわない面がありました。その点、DataSpiderは他部門での利用実績もあり、実際に評価版ライセンスで開発してみたところ、プロジェクトメンバーからも高い評価でした。
服巻氏
プログラミングの経験が浅い入社2~3年目のメンバーが開発しましたが、GUIでグラフィカルにデータ連携の処理が組めると好評でした。ヘルプを参照することなく、直感的に開発を進めていける点も大きかったですね。
財務報告の統制強化や営業支援システムの構築など、複数の施策が同時並行していたかがやきプロジェクト。開発から現場への説明までを含めてわずか5ヵ月という短期間でのシステム構築が求められました。だからこそ、高い生産性を発揮できるDataSpiderが、新たなデータ連携の基盤として採用されることになったのです。
3ヵ月で170本のスクリプトを実装
経営指標のリアルタイム化の他、多様なデータ連携処理で業務を効率化
現在は、財務会計や販売管理などSAPをはじめ、工数管理や資材調達、出張旅費精算、プロジェクト管理などの社内システムや、現場で管理されているExcelから1時間ごとにDataSpiderでデータを取得し、変換・加工を行った上でDWHに投入しています。蓄積された情報を基に経営層向けのレポートを自動生成するだけでなく、誰もが情報を閲覧できる仕組みを整備しています。今後は、必要な人が必要な時に自らデータを取得/分析する文化を定着させたいと考えています。
中川氏
現場の業務担当者が手作業で作成していた経営層向けレポートの作成工程を自動化でき、業務の効率化に大きく貢献しています。週次でしか確認できなかったレポートも、今では常にリアルタイムな情報が確認できるようになり、経営層自ら情報を閲覧できるようになっています。
村上氏
開発生産性においても、プログラム経験が浅い若手メンバーを中心とした4名体制のもと、わずか3ヵ月間で170本を超える大量のスクリプトを作成しており、Javaなどのプログラム開発に比べて圧倒的に生産性の高いツールだと評価しています。
開発当初からアシストの標準化支援やスキルトランスファー支援といったサポートメニューを活用したことで、短期間での実装が可能になったと、アシストのサポートに対する評価も上々です。
服巻氏
数週間の技術支援の中で、懸念事項を解消しながら進められたこともあり、実際の開発はとてもスムーズでした。
クラウドサービスとの連携をはじめ、さらなる用途の活用に期待
今後、情報活用基盤のさらなる拡張として、計画データの取り込みによる細かなレベルの予実管理など、新たな情報の見える化も推進していきます。
中川氏
データを一元化する仕組みが整備されたことでセルフBI的な使い方も可能になりましたが、まだ十分には浸透していません。今後は簡単に情報を活用できる環境があることを積極的にアナウンスしていきたいと考えています。
今後も様々なシステム更改を控えており、新たなサービス導入も増えていく計画です。
服巻氏
現在はあるクラウドのサブスクリプションサービスを利用していますが、DataSpiderが持つアダプタを活用することで、様々なサービスとの柔軟な連携に期待しています。
村上氏
今はDWHへデータ投入するまでの処理が中心ですが、SAPに対する情報の書き込みなどにも活用していきたいと考えています。DataSpiderはアプリケーション連携にも生かせるため、かがやきプロジェクトの中でデータ連携が必要になる場面があれば、効果的に活用していきたいです。
<取材協力>
三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
常務取締役 経営企画室長 藤本 俊平 氏
経営企画室 業務プロセス改善推進部 兼 技術統括部 品質保証部 生産技術課 専任 大谷 晶子 氏
技術統括部 生産システム部 次長 中川 雅洋 氏
技術統括部 生産システム部 情報システム課 サーティファイドプロフェッショナル 村上 隆二郎 氏
技術統括部 生産システム部 情報システム課 服巻 勇希 氏
写真撮影日:2020年9月18日
- ※本事例は取材時の内容に基づくものです。
- ※製品内容は、予告なく変更される場合があります。
- ※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
三菱電機インフォメーションシステムズ様のインタビュー記事(PDF)はこちら
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三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社様へお話をお聞きしたインタビュー記事をPDFでお読みいただけます。
お客様情報
※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。
会社名 | 三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 |
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概要 | 三菱電機から情報システム事業を分社化して2001年に発足。2020年4月の事業再編により「金融」、「製造」、「流通・サービス」事業にリソースを集中し、サービスインテグレータとして豊かな未来社会の実現に貢献します。 |
所在地 | 東京都港区芝浦4-13-23 MS芝浦ビル |
設立 | 2001年4月1日 |
社員数 | 2,101名(2020年3月末現在) |
URL | https://www.mdis.co.jp/ |
取材日 | 2020年8月、9月 |
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