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老朽化した基幹データベースのリプレースで3~4倍の性能向上とコスト削減を同時に実現

株式会社オークネット

導入製品/サービス…
Oracle Database Appliance  Oracle Database  

株式会社オークネット Oracle Database Appliance導入事例

世界初の中古車TVオークションを運営する株式会社オークネットでは、基幹システムのデータベース老朽化によるシステム性能の劣化が問題になっていました。そこでシステム更改時にデータベース基盤としてOracle Database Appliance (以下、ODA)を新たに導入。データベース性能が大幅に向上したとともに、運用コストや保守コストの削減や、優れた監視ツールの活用による安定稼働も同時に実現しました。

株式会社オークネット


導入のポイント


1.最新ハードウェアを備えたODAの導入でデータベース性能の大幅向上を実現
2.Oracle Database Enterprise Editionの機能を活用することで性能向上と確実な監視を実現
3.ODAへのリプレースでデータセンター・コストやハードウェア/ソフトウェアの保守コストを削減

課題

  • 基幹システムのデータベース基盤のハードウェアが老朽化していた
  • データベース性能の劣化によりシステム全体のスループットが低下していた
  • システムの成長とともにサーバやストレージなどのハードウェアが増加

対策

  • 最新ハードウェアを装備したODAにデータベース基盤全体をリプレース
  • Oracle Database Enterprise Editionの性能監視やオンライン・メンテナンスの機能を運用管理に導入
  • 複数のデータベース・システムをODAに統合

効果

  • バッチ処理の性能が最大4倍、バックアップ処理の性能が約3倍に向上
  • 監視ツール活用による安定運用やサービス無停止でのメンテナンスを実現
  • 年間のデータセンター・コストを5分の1に削減

システム概要図


オークションシステムを下支えするデータベース基盤が老朽化


ICT技術を駆使した「バーチャルオークション」市場の運営で広く知られる株式会社オークネット(以下、オークネット)。同社が運営するオークションは、出品者や落札者、商材が一堂に会して行われる通常のオークションとは異なり、商品と競り値の情報だけをオンライン上でやりとりします。

業界で唯一無二のこのオークションシステムを用いて、同社は中古車をはじめ二輪車やPC、ブランド品、医療機器など、実に多様な領域の業者間オークション市場を運営しています。特に1985年から手掛ける「オークネット・TVオークション」は、全国約120箇所の中古車オークション会場と提携し、年間約470万台ものオークションを中継しています。


オークネットのオークションシステムを長らく支えてきたのが、Oracle Database Standard Edition Oneによって構築された基幹データベース「AX-LINK」と「リボン」でした。同社の基幹システムは主にこの2つのシステムによって構成されていますが、どちらもリリースから6年間が経過し、リプレースのタイミングが近付いていました。同社 システム管理部 統括ジェネラル・マネージャー 細渕健二氏は、当時の状況をこう説明します。

細渕氏  AX-LINKとリボンともにハードウェアが老朽化しつつあり、リプレースが不可避な状況でした。またシステム規模の拡大に伴いデータ量が増加し、データ特性もシステムを構築した当初からかなり変わってきたため、時間の経過とともにデータベースのパフォーマンスが明らかに劣化してきました。システム更改では、こうした課題を解決できるデータベース製品にリプレースしたいと考えていました。

性能向上とコスト削減効果を狙ってODAへのリプレースを決断


リプレースにあたり、同社は様々なデータベース製品を比較検討しましたが、その中から最有力候補として浮上したのが、オラクルが開発/提供するアプライアンス製品Oracle Database Appliance(以下、ODA)でした。最新スペックのハードウェアとOracle Databaseが最適な形でパッケージングされたODAを導入することで、既存システムより、はるかに高いデータベース性能を獲得できるのではと考えたのです。

またこれまでは、データベース・サーバや共有ストレージ装置がデータセンターのラックの中で20Uものスペースを占めていましたが、ODAならこれを4Uまで減らすことができ、データセンター・コストの大幅削減と同時に、これまで個別導入していたハードウェアやミドルウェアの保守コストの削減までも見込めました。

加えてOracle Databaseのエディションが、これまで利用してきたOracle Database Standard Edition OneからOracle Database Enterprise Editionに変わることで、性能や運用の面で様々な効果が期待できたと言います。

細渕氏  SQLのパラレル処理やデータ圧縮機能など、Enterprise Editionならではの機能を活用して性能向上を図れるのではと考えました。またDiagnostics Packオプションを使えば、データベース管理者のスキルに依存しない安定したデータベース監視を実現できる他、オンラインのまま索引の再作成や表定義の変更を行える点は、メンテナンス時のシステム停止による機会損失を防ぐ上で極めて有効だと判断し、最終的にODAの導入を決断しました。


バッチ処理やバックアップの性能が3倍に向上


既存データベースをODAへ移行するに当たっては、サービスへ与える影響を最小限に留めるために、わずか3時間で作業を終える必要がありました。これだけ短い時間で果たして作業を無事完了できるか、当初は不安もありましたが、実際には移行作業に難しい部分はほとんどなく、事前の手順どおりに無事終えることができました。移行直後にOracle Databaseのエラーが発生しましたが、アシストのサポートサービスに問い合わせたところその場で迅速に解決できたため、事なきを得ました。

ODAの性能に関しては、当初想定していたとおりの高いパフォーマンスを発揮しました。バッチ系プログラムの処理速度が旧システムと比べ3~4倍に向上し、バックアップにかかる時間も約3分の1まで短縮できました。また、Oracle Database Enterprise Editionが備えるSQLチューニング・アドバイザ機能を活用することで、処理時間がかかっているSQLを容易に特定してチューニングすることも可能になりました。



ODAを他システムにも横展開し合計3台が稼働


運用面においても当初狙っていたとおりの省力化の効果を実現できたことから、同社はその後更改時期を迎えた他のシステムのデータベース基盤に対してもODAを適用しました。

細渕氏  既にAX-LINKとリボンの経験からODAの有用性はわかっていましたし、導入の難易度や手順も把握できていましたから、他のシステムへの導入に躊躇することはほとんどありませんでした。現在ではAX-LINKとリボンに加え「せりシステム」と「Webサービスシステム」にもODAを導入しており、合計3台のODAが稼働しています。


ODAのさらなる活用や運用安定化に向けアシストの支援に期待


オークネットが運営するオークションサービスのデータベース基盤のほとんどを現在ODAが支えています。同社では、オークションサービスの品質や性能、安定性をさらに向上させるべく、ODAの日々の運用をより一層確実なものにして安定稼働させるための取り組みを進めています。

こうした取り組みを進めていくために、「アシストから、ODAのさらなる安定稼働に向けた提案を是非いただきたいと思っています。もちろん障害対応の際には、これまでどおりクオリティの高いサポートを期待しています」と細渕氏は語ります。

オークネットが導入したODAのうちの1台にはOracle Database 12cが搭載されており、今後はOracle Databaseの最新機能も積極的に活用していきたいとしています。

細渕氏  Oracle Database 12cに新たに搭載されたインメモリ機能を活用していきたいと考えているのですが、残念ながら現時点ではまだうまく使いこなせていません。アシストには今後、こうした新技術や新機能をビジネスに有効活用する上での提案/サポートも非常に期待しています。

オークネット様

<取材協力>

(左から)
システム管理部 統括マネージャー 
 鈴木 奨 氏
システム管理部 統括ジェネラル・マネージャー 
 細渕 健二 氏
システム管理部 アシスタント・マネージャー 
 前田 真悟 氏

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お客様情報

※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。

会社名 株式会社オークネット
概要 現物の車を見たり運んだりすることなく中古車の出品・落札をオンライン上で行える「オークネットテレビオークション」をはじめ、ICT技術を駆使して様々な領域の業者間オークションプラットフォームを運営・提供しています。
本社 東京都港区北青山二丁目5番8号 青山OMスクエア
設立 1984年3月9日
資本金等 6,928百万円
従業員数 324名(2016年1月1日現在)
URL https://www.aucnet.co.jp
取材日 2016年7月

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