地域密着で「くらしに笑顔」を届ける大阪いずみ市民生協 Amazon RedshiftとWebFOCUSによるデータ活用で多角的事業展開を強化
大阪いずみ市民生活協同組合
- 導入製品/サービス…
- アマゾン ウェブ サービス WebFOCUS
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大阪いずみ市民生活協同組合は、宅配や店舗の小売り事業を中心に、地域に密着したサービスを提供しています。ビジネスの変化に柔軟に対応するため、このほどデータ活用基盤を、アマゾン ウェブ サービス (以下、AWS)に移行しました。データウェアハウス(以下、DWH)には、Amazon Redshiftを採用し、BIプラットフォームにはWebFOCUS を利用することで、ユーザーのデータ利活用を推進し、業務の改善にも役立てています。 |
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「クラウド基盤のAWS、高速なDWHのAmazon Redshift、そして今や業務で欠かせないWebFOCUS。この組み合わせは、いずみ市民生協にとって最適解でした。アシストにサポートを一元化できることも大きなメリットでした。」
大阪いずみ市民生活協同組合
常務執行役員 管理・業務支援本部長
加藤 浩司 氏
課題/背景
- 事業環境の変化により、従来DWHを活用してきた部門以外からもデータ活用のニーズが増えた
- ディスク容量に限界があり、オンプレミスのDWHでは新たな領域のデータを蓄積できなかった
- DWHサーバーの保守終了時期が近づいていた
- BIプラットフォームはWebFOCUSの利用を前提にクラウドへの移行を検討
対策
- WebFOCUSをAWSにクラウドリフト、DWHはスケーリングに柔軟に対応でき、高速処理が可能なAmazon Redshiftを採用
- アシストの支援を受けて、環境構築と移行を実施
- クラウド基盤、DWH、BIの全てのサポートをアシストに一元化
- WebFOCUSの利用を拡大、新たにセルフサービス機能も展開
効果
- 従来、対応できなかったデータも蓄積できるようになった
- DWH基盤のコストは従来比で10%削減
- クラウド利用と仕組みの標準化により運用負荷を大幅に削減
- BIの活用が広がり、複数の部門でデータに基づいた意思決定が可能になった
- 店舗業務では、従業員1人あたり1時間ごとの売上げを1,500円改善
システム概要図
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事業環境の変化によりデータ活用のニーズが拡大
大阪いずみ市民生活協同組合(以下、いずみ市民生協)は、南大阪全域を活動エリアとする生協です。「くらしに笑顔」を届けることを使命に、宅配や店舗の小売り事業を中心に、地域に密着したサービスを提供しています。昨今では、高齢者介護、子育て支援など幅広い事業を展開しています。
いずみ市民生協では、業務改革や生産性の向上という観点から、データの活用は重要と位置付けています。これまでのデータ活用の取り組みについて常務執行役員 管理・業務支援本部長の加藤浩司氏は、次のように説明します。
加藤氏 従来より、データウェアハウス(以下、DWH)を活用して商品の販売動向や組合員の購買行動などを確認してきました。以前使用していたBIツールは特定の利用者しか使いこなせませんでしたが、数年前にBIプラットフォームのWebFOCUSを導入したことで、利用者は必要な情報を容易に得ることができるようになりました。ただ、DWHの活用部門は小売り事業に限られていました。
コロナ禍を経て事業環境や組合員のくらしが大きく変わり、他の部門からもDWHを利用したいという声が上がりはじめ、いずみ市民生協では、データ活用基盤の強化を目的にクラウド化を決断します。
加藤氏
現場のデータ活用の要望に応えるためには、これまで対象としていなかった多様なデータをDWHに蓄積する必要がありました。しかし、オンプレミス環境のディスク容量では不足していました。ディスク増強には高額な費用が掛かりますが、折よく、DWHサーバーの保守終了時期が近かったこともあり「データ蓄積力の強化」と「BI利用の拡大」を目指し、データ活用基盤のクラウド化に挑戦することにしました。
データ活用力の強化にむけクラウド化に挑戦
データが増えても容易に対応できる柔軟性とコストの視点でスタートしたクラウドの検討は、WebFOCUSが利用できること、DWHの性能が維持できることをポイントに検討が進められました。
加藤氏
例えば、店舗の担当者はWebFOCUSのレポートで自店と他店の実績を比較し、他店と比べて実績が悪い場合、商品カテゴリーや単品レベルまでドリルダウンして詳細な状況を確認しています。原因を追及し、売場のレイアウトの改善を行うなど、WebFOCUSは今や日々の業務で欠かせない存在となっています。最新版のWebFOCUSは機能的に強化されており、今後新たに利用するユーザーにとっても魅力があると感じていました。また、当時はDWH専用のデータベースを利用していましたので既存同等の性能を維持したいと考えていました。
これらの視点から、いずみ市民生協では、クラウド基盤としてアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)を選択。DWHにはAmazon Redshift(以下、Redshift)を採用しました。
加藤氏
AWSの選定理由は、実績、コスト、そして多様なサービスです。AWSは他の生協や事業連合でも実績があり、将来的にデータ連携が必要になった場合でも容易に対応ができると考えました。Redshiftは、大量データを高速に処理できるDWH専用データベースで、フルマネージドで運用負荷の軽減が期待でき、サービス提供のためコスト面での魅力もあります。WebFOCUSはRedshiftを正式にサポートしており、そのパフォーマンスを最大限に活用できるため、次のデータ活用基盤として最適と判断しました。
RedshiftとWebFOCUSでAWSにデータ活用基盤を構築。大量データの蓄積が可能に
いずみ市民生協の初めてのクラウド利用は、アシストの支援のもと進められました。
加藤氏
RedshiftとWebFOCUSを組み合わせた構築実績が豊富と聞いていますが、従来より、アシストの高い技術力とサポート力に安心感と信頼感をもっていました。クラウドへの移行は、文字コードの変更やWebFOCUSのバージョンアップなどの対応が必要でしたが、アシストの支援により無事に乗り越えることができました。また、クラウド基盤、DWH、BIの全てのサポートをアシストに一元化できることも大きなメリットでした。
AWSの利用により、スケーリングにも柔軟に対応できるようになり、これまで対応できていなかったデータの蓄積が可能になりました。移行後には、運用やコスト面でも効果がでています。
加藤氏
蓄積できるデータが増えたにも関わらず、DWHのバックアップなどが楽になり、運用工数は大幅に削減されました。また、コストは円安の影響で思ったほどの効果はでませんでしたが、それでもDWHサーバー関連だけでもコストは従来比で10%削減を実現しています。
部門を問わず、業務改善につながるデータに基づいた意思決定が可能に
DWHの利用部門を拡大するにあたり、WebFOCUSは定型、半定型検索のレポートを拡充。また、従来利用していなかった、ポータルやユーザーが自由にデータの検索ができるセルフサービス機能も提供しています。
加藤氏
店舗、配送担当者、各センター向けにはメニューを準備し、組合員毎、地域毎の購入商品分析や在庫確認、店舗実績や配送実績のチェックができるレポートを提供してデータ活用を推進しています。インターネットグループ、営業サポートグループなど全10グループにセルフサービス機能を展開し、各グループでは個々のニーズに応じたデータの検索や分析を行っています。
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WebFOCUSの利用推進により数字分析レベルが向上し、業務の改善も進んでいると加藤氏は言います。
加藤氏
例えば、店舗では、人時供給高という、従業員1時間あたりの売上げを見ています。以前はExcelで提供しており、前日、今週合計、今月合計の限られた期間の値しか確認できませんでした。今回、DWHに持たせるデータを増やしたことで、今では、前日までの計画と実績を時系列で確認することができます。タイムリーな情報確認により作業計画マネジメントの精度が上がり、人時供給高を1,500円改善できたという効果も生まれています。
他にも、「ミーティング時に、最新の実績を見ながらコミュニケーションができるようになり、課題に対する目線が合わせやすくなった」「チーフだけでなく現場担当者も論理的に問題の発見と解決ができ、お客様のニーズに合った売場作りや商品の提供につなげられる」といった現場からの声が多く寄せられています。
新しい価値の創造、新しいサービスの提供にむけて、データ活用基盤を今後も強化
データ活用基盤の標準化により、基盤以外の面でも運用工数や運用コストの削減が進んでいます。
加藤氏
この基盤を構築したことで、主要な部門は自らデータを入手できるようになり、情報システム部門への個別のデータ抽出の依頼がほとんどなくなりました。また、実は別のBIツールの仕組みを利用している一部のユーザーがおりましたが、WebFOCUSのセルフサービス機能に統合できる目途がたちました。BIがWebFOCUSの仕組みに標準化されることで、さらに運用工数と、製品ライセンスなどのコスト削減が期待できると考えています。
現在、アシスト協力のもと、今回構築したデータ活用基盤の運用強化を進めています。
加藤氏
DWH用とETL用にAWSのアカウントを分ける、マルチアカウント化を進めています。これにより、セキュリティの強化、運用管理の効率化、コスト可視化によるさらなるコスト削減が進むと考えています。また、WebFOCUSはActive Directoryと連携したアクセス制御を実施し、利用状況のモニタリングにも取り組みたいと考えています。
今後は、DWH利用ユーザー向けにWebFOCUSによるダッシュボードの提供や、新たなデータの蓄積も視野にセルフサービス利用者を増やすことなどが検討されています。新しい価値の創造や、新しいサービスの提供に取り組み、組合員のくらしを支えるデータドリブンな活動を推進し続ける、いずみ市民生協。この活動を、アシストでは継続して支援してまいります。
- ※本事例は取材時の内容に基づくものです。
- ※製品内容は、予告なく変更される場合があります。
- ※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
お客様情報
※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。
会社名 | 大阪いずみ市民生活協同組合 |
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本部 | 大阪府堺市堺区南花田口町2-2-15 |
設立 | 1974年11月5日 |
従業員数 | 1,189人(2023年3月末現在) |
URL | https://www.izumi.coop/ |
取材日 | 2023年5月 |
関連製品/サービス
アマゾン ウェブ サービス
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WebFOCUS
WebFOCUSは、社内外のユーザに情報を届け、情報活用を定着させるBIプラットフォームです。現場のビジネスユーザから経営者、顧客やパートナーまで、あらゆる人がいつでも、どこでも、必要な情報をリアルタイムに活用できる“オペレーショナルBI”をベースコンセプトに、ユーザが“使いやすい”情報活用環境を実現します。
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