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ビッグデータの高速分析で、隠れていた課題や問題点を可視化
回転寿司業界のNo.1を支える迅速な経営判断と
店舗オペレーションを実現

株式会社あきんどスシロー

導入製品/サービス…
Qlik  


“QlikViewの分析の自由度の高さと表現力の豊かさには驚きました。10億件のビッグデータを使って、現場で起こっている状況を手に取るように把握できたのです。”

株式会社あきんどスシロー
情報システム部 部長 田中覚氏
情報システム部 担当課長 坂口豊氏
経営企画部 尾上明宏氏


うまいすしを提供したい、その想いがすしの売り上げ日本一を支える


 あきんどスシローは1975年に大阪市阿倍野区で一軒の寿司屋としてスタートし、「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」という企業理念に基づいて回転寿司のチェーン店「スシロー」を運営しています。

 現在、北海道から九州まで国内に約350店舗を展開し、正社員、パート・アルバイトを合わせた従業員は約32,000人を数えます。年間の来客者数は日本の総人口に匹敵する1億2,000万人で、10億皿ものすしを提供し、2011年から回転寿司の売り上げ日本一を続けています。また、2011年には韓国ソウルに出店するなど、海外への事業展開にも取り組んでいます。

 スシローでは、すべてのすし皿にICタグを取り付け、レーンに流れる寿司の鮮度や売上状況の管理をいち早く実現しており、どの店で、いつどんな寿司がレーンに流されいつ食べられたのか、それとも廃棄されてしまったのか、どのテーブルでいつどんな商品が注文されたのか、といったデータを毎年10億件以上蓄積しています。これらのデータと店舗の混み具合や個々のお客様が着席されてからの経過時間を加味し、1分後と15分後の需要を予測してレーンに流すネタや量のコントロールに活用しています。

 一方で、レポートについては、Excelしか分析手段がなく、プログラムで抽出したデータを、マクロを使ってレポートに加工していたため、詳細な分析ができるのは直近のデータに限定され、過去から蓄積されてきた40億件にも及ぶ膨大なデータについては、ほとんど活用できていない状況でした。

 「当社の企業理念は意思決定基準にもなっており、“うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。”につながらない投資は一切しません。中とろ販促に負けない、お客様の笑顔に繋がる情報システムとはどういうものなのか、を常に考えています」と情報システム部 部長の田中覚 氏は強調し、次のように続けます。

 「これまでに蓄積したデータを有効活用し、店舗運営やオペレーション改善、新商品の開発に反映させていくには、まず、しっかりとした情報基盤の構築が不可欠と考えました」

ビッグデータを高速かつ自由に分析できるQlikView を採用


 システム化に積極的なあきんどスシローですが、現場の勘と経験を軽視するのではなく、むしろ、現場感覚をどうシステム化するかに注力しています。

 田中氏は、「現場の勘と経験こそが当社のノウハウです。優秀な店長のノウハウをシステム化することで、そのノウハウを全店に共有することができます。勘と経験だけに頼っていると、8割は正しくても2割くらいは外れることがあります。優秀な店長達の勘と経験をデータ分析で裏付けすることによって当社のインサイトにしています。」と話します。

 また、日々提供されるレポートから現象や課題を正確に読み取るには、現場での経験だけでなく、数字の行間を読むセンスも必要で、どこまで深く理解できるかは店長のスキルに依存せざるを得ませんでした。店長の仕事は数字を見ることではありませんから、如何に分かりやすく情報を提供できるか、が情報システム部にとって非常に重要なテーマでした。しかし、大量のデータ分析には時間がかかり、新しい分析軸での分析は容易ではなく、分析やレポーティングのための新しいプラットフォームの必要性を感じていました。

 スシローは他社に比べてレーンに流す寿司の量が圧倒的に多く、キャンペーンによる頻繁なメニュー変更もあり、売れ筋商品の変動によるレーン廃棄の削減が大きな課題となっていました。年商1,100億円の規模になると、廃棄が1%減るだけでも年間で億単位のコストを削減できます。「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」という非常に難しい理念を実現し続けるためには、手つかずになっていた40億件の寿司の売上データの活用が必要だと判断しました。

 「既存の40億件、さらに毎年10億件以上ずつ蓄積されていくデータを分析できるプラットフォームを検討する中で、QlikViewと出会い、分析の自由度と表現力の高さに非常に驚きました。」と田中氏は強調します。

 2012年の春から情報収集を始めた同社は、6月にQlikViewの検討を始め、リコージャパン社主催のセミナーに参加し、9月には導入を決定しました。システムは、AWS(Amazon Web Service)のクラウド環境上で稼働し、メモリーやストレージを必要に応じて追加できるよう柔軟に運用しています。

担当者自身が分析をすることで新商品開発を加速


 QlikViewは情報システム部だけでなく、商品部や経営企画部といった本社の企画部門で、売上分析や新商品開発などのさまざまな業務に利用しています。

 スシローでは、常にお客様に喜んで頂けるように新商品の開発に力を入れています。QlikViewは、複数軸での分析データの絞り込みが非常に簡単にできるため、商品開発の担当者が自分で過去の販促や試験販売の結果を分析できるようになり、商品開発の効率が大幅に改善しました。

 QlikView導入効果のひとつが、これまで思い込みなどで隠れていた真実を可視化できたことです。経営企画部の尾上明宏氏は、可視化の象徴的な例として、あるデザート商品を挙げます。

 「その商品はデザートの中でかなり売上比率の高い商品であったため、デザートの売上全体を支えていると考えていました。しかし、メニュー変更の際に、その商品を外さざるを得なくなったのですが、実際には予想したほどデザートの売上に影響を及ぼしませんでした。我々の考えは思い込みに過ぎなかったのです。QlikViewで関連商品の売上分析をしたことで、はじめて浮かび上がった事実です。


実データで確認しながら新たなレポートの設計が可能に


 現場からのデータ抽出依頼に、以前は3、4日かかってしまうこともありましたが、DWHを構築し、QlikViewを導入したことでどんな依頼にも1日以内で対応することができました。また、別のツールで新しいレポートを開発する際に、実データを様々な切り口で分析しながら、分析軸や絞り込み条件を検討できるので、付加価値の高いレポートの設計が短期間でできるようになりました。

 「QlikViewはデータマートを必要としないため、その場で分析軸を決めることができます。出てきた結果を見ながら、どのようにデータを見れば、その時の状況を分かりやすく表現できるのかを検討することができます。また、QlikViewには様々なレポートテンプレートがあるため、こんな表示の仕方ができるのであれば、このデータを見たほうが面白いのではないか、といったアプローチでレポートを開発することも可能です。」と情報システム部 担当課長の坂口豊氏は語ります。

ツールの可能性を最大化するサポート力を高く評価


 分析プラットフォーム自体の魅力と合わせて高く評価されているのが、アシストのサポートです。どれほどツールが優れていても、使い方がわからなければ宝の持ち腐れです。

 「アシスト社はわれわれのIT戦略をよく理解してくれており、システム全体の中でQlikViewをどう使えば最も効果的に活用できるのかを提案してくれました。また、現場のこういう現象をデータで表現したいのでこんな感じのレポートを作りたい、というラフなデザインを伝えると、QlikViewでどのように設定すればやりたいことができるのかを家庭教師のように丁寧に教えてくれ、見たいレポートが作れる上、担当者のスキルも上がるという、非常に効果的な方法で支援してくれました。彼らの高い技術力があったからこそ、我々はQlikViewを存分に活用することができています」と語ります。







お客様情報

※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。

株式会社
あきんどスシロー
1975年に大阪市阿倍野区で開業。「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」という企業理念に基づいて回転寿司店を運営している。北海道から九州まで国内に約350店舗を展開し、2011年よりすしの売り上げ日本一を続けている。
業種 外食
地域 日本
店舗数 約350店舗(2013年7月現在)
利用者 情報システム部、経営企画部、商品部、マーケティング部など計15名
課題 店舗オペレーションを改善するため、様々なデータを使って販売の現場で起こっていることを可視化できるツールを必要としていた。以前は、数十億件もの膨大なデータを保有するものの充分に活用できず、データ分析にもタイムラグが生じていた。
対策 本社企画部門の業務・施策を支援・効果検証するため、利用者自身が分析軸を自由に変更できるQlikViewを採用。
効果 自由度の高い分析を担当者自身ができるようになり、企画部門の業務がスピードアップし、実施する施策の効果が最大化された。また、個人の勘や経験に、データ分析による裏付けが加わることで、これまで見えなかった問題点や課題の発見につながった。
データソースと
システム
SQL Server(AmazonWebService=AWS上で運用)

関連製品/サービス

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