Citrixサポートブログ

2021.08.26

タグ機能を使用して公開アプリケーションを起動するサーバを指定する方法

タグ機能を使用して公開アプリケーションを起動するサーバを指定する方法タイトル

こんにちは。Citrix製品のサポートを担当している川東(かわひがし)です。

今回は、タグ機能(XenApp and XenDesktop 7.12以降で使用可能)を使用して、公開アプリケーションを起動するサーバを限定する設定手順の一例をご紹介します。
※公開デスクトップ起動手順の記事でもタグ機能を紹介しています。こちら もご参照ください。

XenApp7.15やCitrix Virtual Apps 1912の環境で、以下のような場合に活用して頂けると思います。
※タグ機能はXenApp 7.12以降でご使用頂けます。

・特定のユーザに対して特定のVDAサーバ上の特定のアプリケーションを利用させたい
・あるVDAサーバ上の特定の公開アプリケーションの動作が不安定な場合に、管理者アカウントで
 同じVDAサーバの同じ公開アプリケーションを起動して調査したい

<利用イメージ>
VDAサーバの2号機上の電卓の動作がおかしいため、管理者はVDAサーバ2号機上の電卓を、動作確認用の電卓として公開アプリケーションに登録します。
標準設定の場合、VDAサーバ3台は同じデリバリーグループに登録されて負荷分散されるため、管理者端末からVDAサーバ2号機上の電卓を意図的に起動できない場合があります。

そこで、管理者はタグ機能を使用して、「VDAサーバ2号機と動作確認用の電卓」を同じタグに紐付けることで、管理者端末から「VDAサーバ2号機上の動作確認用の電卓」を起動することができます。

  • タグ機能は、本資料の使用方法以外にもポリシーの適用先で使用することもできます。弊社のCitrixヘルプデスク契約があるお客様はタグの利用方法に関してお問い合わせ頂けます。

タグ機能イメージ画像

設定の流れ

設定の流れは以下の3点になります。

・起動対象のマシンに「タグ」を追加
・アプリケーショングループを作成(こちらの作成時にタグを指定します)
・アプリケーショングループに公開アプリケーションを登録

設定後にクライアント端末に表示される公開アプリケーションのアイコン

タグをつけた公開アプリケーションの利用を許可していないユーザの公開アプリケーション一覧画面は以下になります。以下の画面はUser01のアカウントでログインしています。

公開アプリケーション一覧イメージ

タグをつけた公開アプリケーションの利用を許可したユーザ(test01)の公開アプリケーション一覧画面

一方、タグをつけた公開アプリケーションの利用を許可したユーザ(test01)の公開アプリケーション一覧画面は以下になります。

以下でログインしているtest01は、user01が使用できるアプリケーション(ペイント、メモ帳、電卓)のアイコンも表示されるように設定しています。こちらの電卓をクリックした場合は、VDA1号機と2号機のどちらかで起動する動作になりますが、「電卓 タグ動作確認用」をクリックした場合はタグを設定したVDAサーバ(本資料ではVDA2号機)上の動作確認用の電卓を起動できます。

タグを付けた公開アプリケーションのアイコンイメージ

設定手順

※手順内の画面ショットはCitrix Virtual Apps and Desktops 1912 にて採取しました。
※DDC1台、VDAサーバは2台の構成です

起動対象のマシンに「タグ」を追加

1.Citrix Studioにて「検索」ノードを開きます。画面中枠の「マルチセッションOSマシン」タブにて、動作確認用のVDAマシン上で右クリック後に「タグの管理」をクリックします。本資料は「VDASrv-02.river.local」のマシン名に対してタグを登録します。

「マルチセッションOSマシン」タブ

2.「作成」をクリックして任意の名前でタグを登録します。

タグ管理画面イメージ

3.任意のタグ名を入力後、「OK」をクリックします。以下の画面は「Tag-Test」をタグ名にしています。

「Tag-Test」をタグ名にした登録イメージ

4.「保存」をクリックします。

保存画面イメージ

5.上記手順でタグ設定したマシンを選択した状態で、画面下段の「タグ」タブにて、作成したタブが表示されることを確認します。

「タグ」タブでの確認イメージ

アプリケーショングループを作成(こちらの作成時にタグを指定します)

1.Studio画面左枠の「アプリケーション」ノードを開きます。画面右枠の「アプリケーショングループを作成します」をクリックします。

「アプリケーショングループを作成します」をクリックイメージ

2.「次へ」をクリックします。

アプリケーショングループの作成イメージ

3.「タグでマシンの起動を制限します」にチェックをつけて、作成したタグを選択します。次に、対象のVDAサーバを登録しているデリバリーグループを選択します。「次へ」をクリックします。

タグ選択イメージ

4.本記事では、特定のユーザに対して特定サーバの特定アプリケーションを利用させるため、「このアプリケーショングループのアプリケーションの使用を次のユーザに限定します」を選択後、「追加」をクリックして test01のアカウントを登録しました。

ユーザを限定せずに、特定サーバの特定アプリケーションを利用させる場合は、「選択したデリバリーグループの全ユーザがこのアプリケーショングループのアプリケーションを使用できるようにします」を選択してください。

設定後「次へ」をクリックします。

アカウント追加イメージ

5.本記事では説明の都合で「アプリケーション」画面でアプリケーションの登録はしない状態で「次へ」をクリックします。
※「追加」ボタンを押してアプリケーションを追加して頂いても問題ございません。こちらで追加する場合は、公開アプリケーションの名前を登録済みの名前と重複しないようにしてください。詳しくは、「アプリケーショングループに公開アプリケーションを登録」をご参照ください。

アプリケーションを追加しますウィザードイメージ

6.「アプリケーショングループ名」に任意の名前を設定後、「完了」をクリックします。本記事は「タグ動作確認用」を入力しています。

アプリケーショングループ名任意追加イメージ

アプリケーショングループに公開アプリケーションを登録

1.作成したアプリケーショングループ名の項目上で右クリック後、「アプリケーションの追加」をクリックします。

アプリケーションの追加イメージ

2.「次へ」をクリックします。

次へウィザード

3.「追加」ー「スタートメニューから」をクリックします。

スタートメニューから追加イメージ

4.「アプリケーションの追加」画面にて、本記事では「電卓」を選択後に「OK」をクリックします。

電卓アプリケーション追加イメージ

5.「電卓」のアプリケーション名は、本記事の環境では登録済みの名前のため別の名前に変更します。「電卓」を選択後、「プロパティ」をクリックします。

名称変更イメージ

6.本記事は、「電卓 タグ動作確認用」と入力して「OK」をクリックします。

タグ動作確認用名称変更イメージ

7.「次へ」をクリックします。

次へウィザードイメージ

8.「完了」をクリックします。

完了イメージ

以上で設定は完了です。

まとめ

本記事内の「設定後にクライアント端末に表示される公開アプリケーションのアイコン」で記載し「タグをつけた公開アプリケーションの利用を許可したユーザ(test01)の公開アプリケーション一覧画面」と同様の結果が確認できましたでしょうか。

タグと紐付けたアプリケーションを起動すると、タグを指定したVDAサーバ上でアプリケーション起動ができることをご確認頂けると思います。
※クライアント端末のコネクションセンターを開いて接続先サーバを確認できます。
 コネクションセンターの開き方は、こちら をご参照ください。

起動ができない場合、タグを付けたVDAサーバがCitrix Studio上でメンテナンスナンスモードがオンの表示になっていないかどうかをご確認ください。

もし、公開デスクトップに対してタグ機能を使用したい場合は、こちらの記事もご参照ください。

次回は、Workspace app 1912のインストール関する記事になる予定です。

参考情報

XenApp and XenDesktop 7.15のタグ機能に関する説明
Citrix Virtual Apps and Desktops 1912 のタグ機能に関する説明


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ブログ編集者のプロフィール

アシスト入社後、テスト系製品のカスタマーサポートを担当後、現在はCitrix製品を担当。シトリックス・システムズ・ジャパンの「2020 2nd Half Partner Award」にて、国内パートナーエンジニアの中から特に技術的な貢献が高い技術者に贈られる「Citrix Best Partner Engineer」を受賞。

XenAppとXenDesktopのトラブルシューティングや運用に役立つ情報を、長年のサポート対応の視点で分かりやすく伝えることを心がけています。学生時代から続けている映像制作の趣味の延長で、以下の動画も制作したのでご覧頂けますと幸いです。

Citrixトラブルシューティング入門動画(初動編)

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