Citrixサポートブログ

  • 製品紹介
2021.04.02

「Citrix Cloud with WVD」の利用をお勧めする3つのポイント

「Citrix Cloud with WVD」の利用をお勧めする3つのポイント

こんにちは。Citrix製品のプリセールスエンジニアを担当している堀です。

突然ですが、みなさんはWVD(Windows Virtual Desktop) をご存知でしょうか?

WVDとはMicrosoft社がAzure上で提供するDesktop as a Service(DaaS)サービスであり、パブリッククラウド上でWindows 10が利用できる唯一のサービスです。また、Windows 10でありながらWindows Serverと同等のマルチセッション接続 が利用できることも特徴です。

Windows 10がパブリッククラウド上(Azure)で展開できるようになったため、従来のオンプレミスでVDI利用する上での課題であった「大規模なハードウェア投資」「高い運用負荷」「ライフサイクルの対応」などの解決が期待出来ます。

WVDはVDI導入における敷居の高さの払拭を期待できますが、一方でオンプレミスのVDI環境と同様のきめ細かな環境設定や高度なセキュリティ機能など、WVD単体での運用では企業のVDI要件に不足している面もあります。

WVDに関する弊社のブログ

こちらの記事でVDIとSaaSの課題とWVDのメリットを分かりやすく説明しています。
仮想デスクトップで使えるWVD(Windows Virtual Desktop)のメリット

そこでお勧めなのが、WVDとCitrix Cloud を組み合わせた「Citrix Cloud with WVD」の構成です。これは従来のWindowsリモートデスクトップ機能をCitrixの技術で補完する性質と似ており、Citrix CloudはWVD単独で利用する弱点を大きく補完してくれます。

本ブログでは「Citrix Cloud with WVD」の利用をお勧めする3つのポイントをご紹介します。

1.ICA画面転送プロトコルによるハイパフォーマンスの実現
2.VDI管理における柔軟なテンプレート運用と適切な電源管理
3.完全な閉域接続での利用も可能

最後に、弊社のCitrixヘルプデスクのご紹介もさせて頂きます。


1.ICA画面転送プロトコルによるハイパフォーマンスの実現

WVDで利用される画面転送プロトコルはWindows標準のRDPプロトコルですが、Citrix Cloud を組み合わせることでICAプロトコルを利用することが可能です。

既にCitrixをご利用のユーザ様にはお馴染みのプロトコルですが、ICAプロトコルはRDPプロトコルに比べて使用帯域が少なく狭帯域や遅延にも強いのが特徴です。昨今、テレワーク環境の拡大、Office365等のクラウドサービスの利用増加等によって企業のネットワーク負荷は増大していますが、そのような環境下においてもICAプロトコルは優れたパフォーマンスを発揮します。

Citrix独自の通信プロトコル「ICA/HDX」および「EDT」

  • 開発当初は現在と比べ通信速度や品質が劣悪な状況であったが、そのような環境にあってもユーザがリモート環境へ快適にアクセスが出来るよう開発された
  • ICAの内部は仮想チャネルと呼ばれるパイプで分かれており、画面表示や動画、印刷など処理内容に応じた専用パイプが使用される
  • 仮想チャネルは処理内容に応じて最適な優先度で通信が行われる
  • 7.13以降のバージョンでは、UDPをベースとした「EDT」も実装され、現在も進化し続けている(※UDPが使えない環境ではTCPにフォールバックする)

Citrix独自の通信プロトコル

また、ICAプロトコルを利用することでセキュアなポリシー制御も可能ですので、特にテレワーク利用時のセキュリティ強化にもお勧めです。

※ご参考:Citrix App Protection で情報漏洩対策と情報資産保護を強化

2.VDI管理における柔軟なテンプレート運用と適切な電源管理

VDI導入を検討される際の懸念点として、拡張性と運用性があります。企業変化の激しい昨今において柔軟な拡張性は必須要件であり、また、煩雑化しやすいVDI運用をいかに効率化して運用工数を削減するのかがポイントです。
WVD単体ではフルクローン方式での仮想デスクトップ展開のため、拡張性と運用性に難がありますが、
Citrix CloudではMCS (Machine Creation Service)によるマスターイメージ管理が利用可能です。

MCSはリンククローン方式のマスター管理方式であり、小規模から気軽にVDIを始めやすく柔軟に拡張することが可能です。さらに仮想デスクトップへのアプリケーションやWindowsのパッチの一括更新やロールバック機能なども可能で運用工数削減が期待できます。

MCS

※MCSに関するCitrix社の技術資料については、こちらのページ をご参照ください。

また、Citrix Cloudは仮想デスクトップに対する電源管理機能も充実しています。
負荷状況に合わせてスケールアウトが可能なため、こまめに仮想デスクトップの電源を落とすことができ、
Azureの利用料金(従量課金)も節約することが可能です。

3.完全な閉域接続での利用も可能

WVDを単体で利用される場合、クライアント端末からの通信はインターネットを経由しますが、この問題も
Citrix Cloudを組み合わせていただくことで解決できます。

Citrixにはユーザが一番最初の認証を行う「StoreFront(※)」というWebサーバがありますが、これをAzure内に構成することで完全な閉域網接続を実現することが可能です。


完全な閉域接続ができることにより、高度なセキュリティ要件を必要とする条件下でもCitrix Cloud with WVDでVDI導入をご検討いただけるのではないでしょうか。

(※)StoreFrontに関する参考情報
XenApp/XenDesktopの構成例(1) ~コンポーネント紹介~
こちらのページは、オンプレミス環境の説明ですが、StoreFrontや管理コンポーネントの役割はCitrix Cloudで変わりません。

4.アシストはCitrix CloudのVirtual Apps and Desktopsサービスのサポートも対応可

お客様環境に適した設定方法を調べる時間を短縮!

Citrix Cloudを利用することで運用工数が削減できますが、Citrixの設定に関しては製品に慣れていないと、マニュアルの確認や検証環境での動作確認に時間がかかります。弊社のCitrixヘルプデスクをご利用頂くことで、専任技術者がフォローさせて頂きますので、こちらの時間短縮が可能です。

問題発生時の調査時間を短縮!

弊社は、2001年のMetaFrame XPの時代からCitrix製品を取り扱いしています。また、Citrix製品のヘルプデスクは2003年から対応しているためトラブルシューティングのナレッジも豊富にございます。こちらのナレッジも活用して、Citrix CloudのVirtual Apps and Desktopsサービスのトラブルシューティングのフォローをさせて頂きますので、解決までの時間を短縮して頂けます。

ご参考:Citrixの保守サポート契約先を切り替えるなら、アシストへお任せ!

まとめ

以上のようにWVDをCitrix Cloudと組み合わせて利用することで、WVD単体では不得意とする部分も補完することが可能です。

新型コロナウィルスの影響でますますテレワーク環境の検討が進み、改めてVDIをご検討中のお客様も多いと思いますが、すべてクラウドで提供される「Citrix Cloud with WVD」は従来のVDI導入に立ちはだかる障壁を超えるられる力を秘めています。
さらには「事業継続性確保」「業務生産性向上」「エンゲージメント向上」などの観点からも
「Citrix Cloud with WVD」は大きく貢献できるのではないでしょうか。

「Citrix Cloud with WVD」にご興味をお持ちのお客様は是非アシストまでご相談ください。



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筆者情報(2021年3月現在)
ビジネスインフラ技術本部 アクセスインフラ技術統括部 堀 寛之

アシストに中途入社以来、Citrix製品を含むクライアント仮想化製品全般のプリセールス/構築作業を担当しています。普段は九州営業所(福岡)に勤務しており、九州全域のお客様を主に担当させていただいています。

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