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管理者ユーザー必見!OCI IAMポリシーでwhere句を使い条件式を設定する方法
OCI IAMポリシーは、where句を使った条件式を使用することで、柔軟な権限付与が可能になります。今回は、where句による条件式の設定例およびwhere句の有無による違いについてご紹介します。
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Oracle Databaseライセンスの適正化に関する2回目の記事です。
1回目はシステム更改時に考慮すべきポイントを解説しました。今回は「クラウド化」の観点でライセンスの有効活用を考えてみたいと思います。
Oracle Databaseはクラウド環境でも多くの企業で様々と利用されており、選択できるクラウドサービスも数多くあります。オラクル社自身も、クラウドコンピューティングサービス
Oracle Cloud Infrastructure(以下、Oracle Cloud)
を提供しています。
本記事では、クラウド化においてOracle Databaseライセンスを適正かつ有効活用するにはどのような方法が考えられるかのポイントを、Oracle Cloudの特長に照らし合わせながらご説明します。
Index
システムのクラウド化は、既に多くのお客様が取り組まれています。そういった企業ではどのような点を考慮しているのでしょうか?
・要件への適合性
・性能担保
・セキュリティ(データの安全性)
・既存システムからの変更点(修正工数)
・運用変更の影響
上記が主なポイントですが、さらにもう一つ欠かせない重要な要素が、
・コスト
になるでしょうか。コストと言っても様々な要素がありますので、本記事では、
・Oracle Databaseのライセンスコスト
にフォーカスします。
適正化の方法を理解し、各々の事案に適用できるかを検討してみましょう。
クラウドでOracle Databaseを利用する際には、大きく二つの選択肢があります。
一つは、ライセンス込みのサービスを利用する選択です。ライセンス込みサービスでは「利用時間ごとの単価」が設定されており、コスト試算も「単価×利用時間」でシンプルです。
例えば開発環境など、
利用期間や利用時間が決まっていたり、調整できる場合にはライセンス込みサービスを選択することでコスト効果が出る可能性は高くなります。
こういった選択もOracle Databaseライセンスの適正化、といえるでしょう。
もう一つは、既存のOracle Databaseライセンスを持ち込む選択、いわゆる「BYOL(Bring Your Own Licence)」です。既に保有しているOracle Databaseライセンスが多くある場合には、BYOLすることでコストの適正化ができる場合もあります。BYOLする上での基本的な考え方やルールは以下の記事にまとめているので参考にしてください。
上記記事に詳細を記載しているとおり、Oracle Cloudでは利用するリソース(CPU数)に必要なOracle Databaseのライセンス数が他社クラウドより少なく済みます。昨今のクラウドサービスの進化は著しいものがあり、機能面では大きな差がつきにくいこともあります。
要件への対応や求められるCPU数がほぼ同じという状況でどのクラウドサービスを選ぶか迷う場合には、Oracle Databaseライセンス個数を抑えられるクラウド、つまりOracle Cloudが有力な選択肢に上がってきます。これもOracle Databaseライセンスの適正化になると考えます。
クラウド化では「期間」「数」の二軸において、Oracle Databaseライセンスの適正化が可能です。まずこれがベースとなる施策です。
それでは「期間」「数」の他に、どういう最適化の方法があるでしょうか?
Oracle Cloudの特長を踏まえ、さらに二つの方策をご説明します。
オンプレ環境でOracle Databaseのエディションを決める場合には、Standard Edition 2(SE2)とEnterprise Edition(EE)の二つをベースに、EEに有償オプションを加えることで構成を決めていました。Oracle Cloudでは有償オプションの考え方がなく、各エディションにそれぞれ有償オプションが含まれる形態で、計四つのエディションが提供されており、要件や使いたい機能に合わせて選択する形です。
ここで注目いただきたいのは、Enterprise Edition以上のエディション(DB EE/DB EE-HP/DB EE-EP)は、そのエディションに含まれている有償オプションを自由に使えるという点です。
具体的に説明します。
オンプレ環境でEnterprise Edition “のみ” をお持ちの方が、Oracle CloudのEnterprise EditionにBYOLするとします。その際にはOracle CloudのEnterprise Editionに含まれているDiagnostics PackやTuning Packなども使えるため、
有償オプションの追加費用無しに、データベースの可視化や性能改善対応を効率化する仕組みを構築
可能です。システム更改の際に機能拡張や改善を加えることはよくあります。Oracle Cloudにクラウド移行する場合には、ライセンスコストをかけずに実現できる手段があることも知っておいていただければと思います。
一方、逆の見方もできます。
上記のケースで、Diagnostics PackやTuning Packのライセンスを保有しており、Oracle Cloudでもそれらを使いたい場合には、BYOLはEnterprise Editionのみで問題ありません。Diagnostics PackやTuning PackはOracle Cloudで利用可能であるためです。
Diagnostics PackやTuning Packはデータベースの稼動状況確認や視覚化という点で幅広く利用されています。クラウドでもその機能を継続して利用したい場合には、Oracle Cloudの利用を前提に、どのエディションを選択すべきかを検討することで有償オプションの”適正化”に取り組んでみてもいいでしょう。
本ブログの連載「Oracle Database ライセンスの適正化に向けて」の「第1回システム更改編
」では「新旧システムが並行稼動する場合にはTermライセンスが必要」というポイントを説明しました。
クラウドでも考え方は同じです。
このTermライセンスは一時的な費用なので、定価は通常ライセンスより抑えられていますが、実際に必要な数を積み上げていくとそれなりの金額になります。そこで先のブログでは「余剰ライセンスがあれば活用しましょう」を対策案としてあげましたが、Oracle Cloudではもう一つの対策があります。
それは「並行稼動期間を100日以内に抑えられるかを考えてみる」ことです。
オンプレミスからOracle CloudのPaaSに移行する場合には、100日間の並行稼動期間が特別に認められます。
現実的なところ、データベース基盤のクラウド化においては、OSやOracle Databaseのバージョンアップやアプリケーション変更対応もあり、100日間で移行できるかどうかの実現性は各々の案件によります。プロジェクト企画段階で検討し、もし実現可能であれば、Termライセンスが不要になり全体費用を抑えることができるので、一考の価値があります。
「ライセンスの適正化」から少し離れますが、ライセンスの適正化と並び「保守費用もなんとかしたい」という方も多いのではないでしょうか?
ここまで説明してきた「ライセンスコストの適正化」の最も効果的な対策は、ライセンスのボリューム(期間・数・有償オプション)を抑えたり、100日間の並行稼働期間を有効に使うことであり、それと連動して保守費用も抑えられます。
もう一つ別の観点で、Oracle Cloudの選択で実現しうる「ランニングコストを抑える施策」を説明します。
皆さんは「
Oracle Support Rewards
」をご存じでしょうか?
Oracle Support Rewardsとは、Oracle Cloudユーザー向けの「
Oracleソフトウェア更新保守費用削減プログラム
」です。その名のとおり、Oracle Cloudの利用量に応じてSupport Rewards (リワード)を獲得し、獲得したリワードをOracleソフトウェア保守契約の更新時に利用できます。つまり、
Oracle Cloudを利用すればするほど、Oracleソフトウェアの保守更新費用を削減できる
というものです。これを利用しない手はありません。
利用には細かい規定がありますので、ご興味のある方は以下の記事をお読みください。
Oracle Databaseを利用する上で、プロダクト保守更新時には、毎年数パーセントの年次調整金が加算されます。このパーセントは年次調整率(AAR)と呼ばれます。
年次調整金 = 前年の料金 × オラクル社が発表する年次調整率(AAR)
名前のとおり”年次”調整率なので、年毎に発表されます。例えば本記事を執筆している2023年には以下のようなアナウンスがでています。AARの数字はさておき、保守費用が変動すると中長期的な予算化がしづらい面があります。悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
サポート年次調整率(AAR)関連のお知らせ (2023年7月)
(オラクル社のサイトに移動します)
この対策の一つが、クラウド化において「
Oracle CloudのPaaSを選択する
」ことです。Oracle CloudのPaaSではAARがかかりません。
もちろん「Oracle CloudのPaaSが、その事案におけるクラウド構成として最適かどうか」という観点からの確認は必要です。ただ、クラウド化を機に「
AARの変動影響を受けない構成を選択する
」ことは一案と言えるでしょう。
クラウド化におけるOracle Databaseライセンス適正化の施策をご説明しました。
少々Oracle Cloudの宣伝に近い形になりましたが、オンプレミスでも他社クラウドでも実現できない、Oracle Cloudならではの施策も数多くあることを知っていただけたのではないでしょうか。
客観的に判断する上で、Oracle Cloudと他社クラウドとの比較も必要でしょうし、オンプレミスを継続した場合との比較が必要なケースもあるでしょう。
昨今は各クラウドサービスの進化は著しく、機能面では大きな差がつかないこともあります。
その場合にはコスト面が大きな判断要素になります。その際には「年間」だけでなく、例えば5年間などの「中長期的なコスト」を見ることも重要です。その要素として
Oracle Databaseライセンスコストの視点を加える
ことで、適切な判断ができるのではと考えます。
その手段として「Oracle Cloudを選択」することは一考の価値があると考えており、本記事ではライセンスの観点から考えるOracle Cloudの利点を説明しました。貴社のクラウド選択の参考になれば嬉しく思います。
ブログとウェビナーをあわせて活用することで、Oracle Databaseライセンスルールの理解を短時間に深めることができます。
ご興味のある方はどうぞご活用ください。
1993年入社。BI製品、サポートセンター、フィールド支援を経て、現在はプリセールスエンジニアとして製品やソリューションの紹介からインフラ提案などの業務に従事。 また「今だから見直そう!Oracle Databaseライセンスの活用方法」といったOracle Databaseライセンス関連のセミナー/ウェビナー講師も担当。
趣味は温泉めぐりと登山。百名山制覇(現在半分程度クリア)と、セブンサミッツをじかに見てみたいと思っている。 ...show more
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