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2023.12.19

HULFTライセンスの考え方を分かりやすく解説

アシストではファイル転送のデファクトツールである「HULFT」を2019年6月から取り扱っています。
そんな中、度々HULFTライセンスの価格やお見積りに関するお問い合わせをいただきました。
そのため本ブログでは、HULFTライセンスについて分かりやすく解説したいと思います。



HULFTのライセンス価格算出に必要な情報

HULFTライセンスの価格算出に必要な情報を整理すると以下の3つになります。


以降の章で1-3の詳細を説明していきます。

1)HULFT単体での価格算出に必要な「グレード」と「オプション」

ここでは、HULFT単体での価格算出に必要な情報としてグレードとオプションを紹介します。
その前に、HULFTの基本的なライセンスの考え方をお伝えすると以下の通りです。


  • HULFTが導入された 「OSごと」にライセンスが必要となります。
  • CPUコア数やメモリは HULFTのライセンスに関係ありません。

具体的な例で示すと以下の通りとなります。

HULFTライセンスの基本を押さえたところで、
次に価格算出に必要な「グレード」と「オプション」の考え方をご説明します。

■グレード
HULFTには基本機能を搭載した「標準グレード」と追加機能を搭載した「拡張グレード」の2種類が用意されております。

詳細を図に表すと下図のようになります。

■オプション
グレード選択に加えてオプション機能の必要有無を選択します。
主なHULFTのオプションとしては以下の通りです。


  • 暗号化オプション
    HULFTには 基本機能として「HULFT 暗号」と呼ばれる独自の暗号化機能が備わっていますが 、高強度の暗号 (AES 暗号、C4S暗号) をオプション機能として付加することができます 。

  • クラウドストレージオプション
    HULFTクラウドストレージオプションとは、既存のHULFTネットワークとクラウドストレージ間のファイル転送を可能とするHULFTのオプション製品です。
    Amazon S3 / Azure Blob Storage / Google Cloud Storage に対応しております。

HULFT単体での価格算出に必要な情報を整理すると以下の通りです。


  • HULFTのライセンスは「導入されたOS単位」
  • HULFT単体のライセンス価格に必要な要素は 「グレード」と「オプションの有無」

また、ここでは詳細を省かせていただきますが、OSによってグレード選択のフローが異なります。
詳細を確認したい場合は、「HULFTライセンスウェビナー」をぜひご視聴ください。

2)システム構成に応じたHULFTライセンス

HULFTをミッションクリティカルなファイル連携基盤として使用する場合には、
可用性を高めた構成の検討や、本番機と開発・検証環境の分離構成について検討が必要です。

ここでは、HULFTの冗長構成、 BCP環境、開発・検証 環境等、
実際に HULFTを開発・運用するシステム構成をベースとしたライセンスの考え方をご案内します。

システム構成に応じたHULFTライセンスの考え方は以下の通りです。


  • クラスタ構成を取る場合
    クラスタソフトを使用したフェイルオーバー型の HAクラスタ構成を組む場合には「クラスタライセンス」を適用可能です。
    Active機は「CLライセンス」というライセンス(通常のライセンスと同額)が適用され、Standby機には「CL Add ライセンス」というライセンス(通常ライセンスの半額)が適用されます。

  • 災対環境を用意する場合
    災害対策のための本番・運用の代替として待機環境を別に準備するようなケースでは、「待機ライセンス」(標準価格の半額)を適用可能です。
    以下の適用条件すべてを満たしている場合に 待機 ライセンスを適用できます。
     ①平常時は非稼働状態で 、本番環境と並行稼働しないこと(導入・検証時を除く)
      ※非稼働状態・・・HULFTのサービス起動状態にかかわらず、待機系として HULFTのサービスが
               利用されていない(ファイル転送が行われていない)環境。
               もしくは HULFTが未導入の状態で、障害発生時にHULFTをインストールして
               利用することを想定した環境。
     ②本番環境のライセンスと同一製品(グレードおよびオプション構成含む)であること
     ③本番環境と同レベルのサポートサービスに加入していること

  • HULFTの開発・検証環境を用意する場合
    HULFTには開発・検証用のライセンスはありません。
    そのため通常ライセンスを購入いただく形です。

3)使用形態に応じたHULFTライセンスの考え方

HULFTライセンスポリシーは、2020年4月に複数社での共同使用の形態が新たに追加されました。

ここでは、HULFTの3つの使用形態を説明します。

HULFTの使用形態は、「 1. 自社使用」「 2. グループ企業使用」「 3. サービス使用」の3つがあります。

使用形態の考え方を整理すると「使用権許諾」と「業務利用」の 2つの観点が関係します。


  • 使用権許諾先: HULFTを資産として保有し、 HULFTを使用する権利を持つ
  • 業務利用:実際に HULFTのファイル連携を業務として利用する

各使用形態に使用権許諾先と業務利用をあてはめたのが以下の図になります。


  • 自社使用:使用権許諾先と業務利用が同一企業
  • グループ企業使用:使用権許諾先企業のグループ企業も含めて業務利用
  • サービス使用:使用権許諾先企業が外部に提供するサービスの一部として利用

使用形態については特に注意するポイントが2つあります。


  • 「2.グループ企業使用」と「3.サービス使用」で複数社で共同利用する場合は、標準価格に共同使用社数に応じた倍率をかけた価格となります。
  • 「 1. 自社使用」 「 2. グループ企業使用」のように使用形態の変更は認められておりません。(買い直していただく必要があります)

具体的な使用形態のユースケース例として、ここでは、グループ企業使用とサービス使用のケースを紹介いたします。

■グループ企業使用
資本関係があるグループ企業がグループ共同基盤のシステムでHULFTを共同で使用する場合、「グループ企業使用」に該当します。
下記は、親会社+グループ A 、B 、C 社がグループ共同 EDIシステムで受発注処理を行っており、ファイル連携としてHULFTを使用しているグループ企業使用のケースです。

■サービス使用
サービス提供企業が外部に提供するサービス基盤内でHULFTを使用する場合、「サービス使用」に該当します。下記はサービス使用のケースとなります。

顧客リストを元に電話をかける CTIサービスを取引先 A 、Bに提供するサービス提供企業がHULFT を保有し、
取引先 A 、B がサービスを使用するための顧客データをHULFTを使って連携

まとめ

HULFT ライセンスの考え方をご理解いただけましたでしょうか。
今回はご紹介できなかった部分に関しては以下をご確認いただければと思います。

■HULFTの価格感を知りたい
アシストのHULFT価格ページを参照ください
https://www.ashisuto.co.jp/product/category/mft/hulft/price

■HULFTの見積もりが欲しい、使用形態を確認したい、ライセンス整理・棚卸したい
見積もりや使用形態の確認に関しては、ぜひアシストまでお問い合わせください。
https://www.ashisuto.co.jp/pa/contact/hulft.html

また、HULFT をファイル連携基盤としてご利用されているお客様からは「ライセンス整理・棚卸したい」というリクエストも多くいただきます。
・HULFT を利用しているサーバが多く、ライセンスと紐づけて管理できていない
・クラスタライセンスと待機ライセンスの違いが分からない
・システム更改等での並行稼働や期間限定でHULFTを使用できるのか

このようなケースでもお気軽にアシストまでご相談いただければと思います。

■さらに詳細なHULFTライセンスの考え方を理解したい
今回ご紹介できていない以下の情報をHULFTライセンスウェビナーにて確認できます。
・グレード選択フロー
・システム構成と対応ライセンス例
・使用形態のユースケース例
https://www.ashisuto.co.jp/pr/hulft/licence-webinar.html

今回の情報がHULFTを安心して活用いただく一助になれば幸いです。

執筆者情報:

執筆者 市毛正浩

市毛正浩 (いちげ まさひろ)
DX推進技術本部 技術統括2部 DI技術部

2008年 株式会社アシストに中途入社。
EAI/ETL製品「DataSpider」「Precisely Connect」の提案活動とお客様支援に
従事。

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