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JP1ユーザー会特別インタビュー第二弾

JP1ユーザー会インタビュー


昨年発足20周年を迎えたJP1ユーザー会。今回は、JP1ユーザー会アドバイザー(※)インタビュー企画第二弾として、長年アシストとお付き合いをいただいているSCSK株式会社より、ジョブ管理、RBA / RPAといった各種自動化ソリューションを担う部署でJP1のチームを率いる師井氏とそのメンバーである松村氏にお話を伺いました。
ミドルウェア製品の実装・販売・サポートの業務を遂行する上で心掛けていることや、アドバイザーというお立場でJP1ユーザー会に参加した感想や今後期待することをお聞きしました。

※JP1ユーザー会運営へのご支援やご提言を頂くメンバーの総称

師井 崇 氏
SCSK株式会社
ITインフラサービス事業グループ

1978年山口県生まれ。2008年にSCSKに入社し、2011年ごろからJP1の設計・導入を行うチームに配属。2014年度からリーダーとしてチームの再建を行った。

趣味は子育て(子供と遊ぶ)。

松村 知宙 氏
SCSK株式会社
ITインフラサービス事業グループ

2001年埼玉県生まれ。情報系の大学を卒業後、2023年度SCSKに新卒入社。配属後からJP1の設計・導入を行うチームにて案件を担当。

趣味は週末のランニング。特技は様々なジャンルのパスタを作れること。













SCSK株式会社

2011年に住商情報システム(SCS)とCSKが合併し、SI企業として国内屈指の規模を誇るSCSK。
社員数はグループ全体で約1万6,000人、国内外に数多くの拠点やグループ会社を構え、事業内容もシステム開発からコンサルティング、BPO、ITマネジメントと多岐にわたります。

アシストとの接点

松坂:
本日はどうぞ宜しくお願いします。まず始めにお二人とアシストとのこれまでのお付き合いから振り返ります。

2011年頃から師井さんとはお付き合いがありますが、当時のアシストとの接点について教えて頂けますか。

師井氏:
私自身、販売代理店とのやり取りが初めてでして、前任者に付いていく形でお仕事させて頂いていました。その後、今日まで約15年ほどアシストとお付き合いしている状況です。特に営業の山崎さんとは当時から密に連携していました。

松坂:
松村さんとはまだお付き合いの年数は短いと思いますが、どれくらいになりましたか。

松村氏:
私が入社した当初からなので、丸2年になります。具体的にはJP1の構築案件でマネージャはアシスト、エージェントは弊社で作業を行ったのが最初だったと記憶しています。 その際、小まめに連絡を頂くなど、JP1のスキルだけでなく、社会人経験としても勉強になりました。

松坂:
SCSK様と案件でご一緒する際には密に状況を共有頂けるので、垣根のない関係性ができているのではないかと感じています。

師井氏:
私個人の考えとしては、パートナービジネスやチームビルディングに関しても同様ですが、これまでパートナーさんに育てて頂いた思いもあるので、基本的には垣根は必要ないと考えています。

田中:
SCSK様とプロジェクトでご一緒させて頂くときはいつも、「このプロジェクトの成功は何なのか」という点に関して認識を合わせ、同じ方向を向いて仕事をしていると感じていました。
お客様のためにお互い一歩ずつ踏み越えて考えを出し合えていると思っています。



これまでのプロジェクト経験談について

松坂:
お二人のプロジェクト経験談についてお聞きしたいと思います。これまでに経験されてきた中で印象深いプロジェクトはどういったものだったでしょうか。

師井氏:
2012年にアシストと共に実施したJP1案件が印象に残っています。特にスケジュールやタスク管理が煩雑な案件で当時はJP1について詳しく知らないメンバーも多く、特に苦労しました。

田中:
苦労された要因としてはどういった点が挙げられますか。

師井氏:
当時ドキュメント(WBSやテスト仕様書等)が社内で標準化されておらず、業務が属人化していました。JP1に詳しいメンバーも限られていたので、稼働していないメンバーがいるという状況がありました。そして数少ないJP1に詳しいメンバーが、火消しをして回るような状況でした。

そのため、このプロジェクトの終了後、早々に組織改革に着手しました。1人のスーパーマンに頼る体制ではなく、ドキュメント類を標準化して属人化を排除していくことを始めました。

当時を振り返ると、ドキュメントなどで不備があった際は、お客様から直接お叱りを頂くこともありましたが、現在は社内のチェック体制が整っていることもあり、上記のような経験が少なくなっていると感じています。

松坂:
重要な場面で失敗されては困りますが、失敗する経験をどう積ませるか、というのは課題ではありますよね。


師井氏:
蓄積してきたノウハウの部分であえて失敗する必要はありませんが、次へ挑戦する過程でのトライ&エラーを繰り返すような経験はぜひ積んでいって欲しいと考えています。



松坂:
アシストでも手順書やチェックリストがありますが、若いメンバーがその範囲でしか経験をしていないと、いざイレギュラーなことが発生した際に柔軟な対応や判断ができない事がジレンマではあります。

師井氏:
業務が属人化することによって、メンバーによって対応に個人差があっても良くありませんし、お客様からの信頼も得られにくいと考えています。そのため、ある程度の標準化は必要だと感じています。

松坂:
松村さんにもお伺いしますが、これまでのプロジェクト経験で印象に残っていることはありますか。

松村氏:
アシストに協力頂いた入社直後のプロジェクトが印象に残っています。その時はJP1はおろかプロジェクトの進め方や目的、全体像が不明なまま作業をこなしていました。

1つ1つ不明点を解消していく事が重要であると認識出来たのが自分の中では大きなターニングポイントで、それ以来「自分事として捉える」よう意識しています。

田中:
「自分事として捉える」という点がどのように芽生えたのか気になりました。

松村氏:
標準化されたドキュメントを例にすると、自らが作成した物ではないので、内容について理解ができないままにしておくと、今後もずっと分からないままなのでは、と怖くなった瞬間がありました。

誰かが作成したドキュメントであったとしても、自分の言葉でアウトプットできるくらいに自分事化しないといけないと感じました。



松坂:
その部分に気付かない人が多い中、2年目で既に気付かれているのは素晴らしいですね。


プロジェクト遂行に必要なスキル

松坂:
プロジェクトの経験談や教訓についてお聞きしましたが、プロジェクトを遂行する上で、必要なスキルなどご自身の考えについて教えてください。

師井氏:
私は以下が重要だと考えています。

  • 自身の課題などに対しての受容や回避も含めて、満足度の高いサービス提供が可能か考えること
  • 創意工夫した上でのチャレンジの繰り返し
  • 技術スキルや各顧客の特性を知ること

松坂:
「受容」と「回避」というキーワードについて教えてください。
満足度の高いサービスを提供する際、顧客の全ての要望を満たすのは難しいと考えていますが、何かを譲歩した上で、かつ満足度の高いサービス提供を検討するということでしょうか。

師井氏:
おっしゃる通りです。その上で、自社のメンバーには私のチームに居れば安心して仕事が頑張れると思えるような環境を作りたいと考えていますし、「安心」「安全」「楽しい」と思いながら業務を行ってもらいたいと考えています。その他、チームとして当たり前(常識)のレベルを高く保つことも重要だと考えています。

松坂:
当たり前のレベルを高く保つとはどのような意味でしょうか。

師井氏:
多少の認識の齟齬は許されるという意識を無くしましょう、という意味です。認識の齟齬がある場合、どこにどのようなミスやトラブルが内在しているか分からない状態となり、全方位に注意を向けなければなりません。業務の品質を保つことやお客様の要求に答える為に、常に組織のアップデートは必要だと考えています。

田中:
創意工夫した上でのチャレンジの繰り返しという点については、業務の振り返りが重要だと考えています。この点について師井さんのチームでは何か取り組みをされていますか。

師井氏:
常に複数プロジェクトが同時進行しているため、日常的に振り返ることはなかなか難しいです。そういった意味では、ユーザー会などのイベントに参加することで異なる視点や自身の不足している点について気付く瞬間があります。
そのため、ユーザー会が振り返りの場でもあり、自らのアップデートの場になっています。


松坂:
ユーザー会が振り返りの場としてご活用いただけているのですね。ぜひ今後もご参加頂ければと思います。

松村さんにもお伺いしますが、プロジェクト経験から必要なスキルや育成についてどのような点が重要と考えられていますか。



松村氏:
技術スキルはもちろん大事ですが、一番はコミュニケーション力+人間性だと考えています。

複数の関係者が参加するプロジェクトにおいて、自分の担当範囲だけをカバーするといった考えでは、どこかで歪みが起きると思っていますので、コミュニケーションは常に意識しています。技術スキルについては、弊社では技術検証などを通じて自由に自己研鑽を行うことができ、それが自身の成長に繋がっていると感じています。

松坂:
ご自身のそういった取り組みは将来を見据えてのことでしょうか。

松村氏:
今は、目の前の業務に注力して取り組んでいますが、日々の業務の積み重ねが今後に繋がると考えています。与えられた仕事をこなすのではなく、能動的に動くことで自分自身の吸収力も変わると感じているためです。

松坂:
ここまでチームビルディングやプロジェクト経験についてお聞きしましたが、JP1をきっかけにお互いに刺激し合いながら、今日までお付き合いさせて頂いていると改めて感じました。

JP1ユーザー会への期待

田中:
師井さんにはJP1ユーザー会のアドバイザーも担当いただいてますが、ここからはJP1ユーザー会についてもお伺いしたいと思います。

JP1ユーザー会への参加目的については、他社とのコミュニケーションを通して、新たな気付きを得たいということを以前お伺いしたことがありますが、こちらについては期待通りでしょうか?


師井氏:
期待通りです。当初のユーザー会に参加した目的は達成できていますね。

田中:
現在の参加目的は人材育成や人脈形成に変遷しているのかなと推測していますが、これについてはいかがでしょうか。

師井氏:
おっしゃる通り、育成や人脈形成が目的ですね。特に自社メンバーに対しては技術的なスキル面での成長だけでなく、社会人として人間力も豊かになって欲しいという思いがあります。

日頃、エンドユーザー様とお会いする機会はありますが、案件以外の話をする機会があまりありませんので、ユーザー会のように様々なテーマで会話する場へ積極的に自社メンバーも連れて来るようにしています。


田中:
松村さんはいかがですか。

松村氏:
JP1ユーザー会では、まったく異なる業種の方と会話できて、実際我々が導入したJP1をこういう風に使っているのかと知ることができる点が新鮮で勉強になります。

また、他社の同世代の方がどういう意識やモチベーションをもって仕事をしているのか気になっており、今年発足されるビギナーズ倶楽部(※)は非常に期待しているところです。

※2025年に発足したJP1担当1年~3年目までで構成されるユーザーコミュニティ


田中:
ビギナーズ俱楽部を弊社で企画した背景として、普段のJP1ユーザー会の情報交換会では、経験値に差があると会話がしづらいという意見がありました。ビギナーズ倶楽部では経験値の差を穴埋めしながらお客様同士フラットに会話や相談ができる状態になって頂きたいという思いがあります。

師井氏:
前回ユーザー会に参加した際、参加者の方から「上司に『何故ユーザー会に行くんだ?』と言われた」と聞きました。潤沢ではない人員でシステムの運用をされている場合、社内のメンバーに負担をかけてまで行く理由があるのかと問われるケースもあるのかなと感じました。

個人的にはそういった考えは社員の成長の機会の妨げになると考えています。ユーザー会に参加することの必要性をユーザー会に参加される方の上長の方にアピールする必要はあるでしょうね。 また、参加された方には、参加してみて何かしら得るものがあって、楽しいな、また来たいなと思ってもらえたらいいですね。私自身そう思うから毎回来ているんだと思います。

松坂:
JP1ユーザー会に共感頂けているのが嬉しいです。上長へのアピールは意識していきたいと思います。今後もアドバイスをお願いします。

田中:
松村さんはビギナーズ俱楽部に期待しているとお聞きしましたが、この点もう少しお聞きしても良いですか。

松村氏:
JP1を通して一緒に成長していく人を見つけていきたいと考えています。また、同年代の方と今後のキャリア等について話し合えるような交流ができたらと思っています。

私の年代だとJP1の方が年上になってくるので、日々最新トレンドがある中で、昔からあり続けるJP1に向き合って日々業務をするという点についてどう考えているのか、どういうモチベーションかを聞いてみたいですね。



松坂:
最初は先輩に連れてこられる方が多いと思うのですが、自分が参加したいと思って頂ける方は得るものも多いと思います。松村さんのように目的意識をもって参加される方がいると、他の参加者への刺激にもなると思います。

今後もアシストはJP1ユーザー会やビギナーズ倶楽部を通して、お客様のスキルアップやお客様同士の交流の場を提供し続けたいと思います。
本日はどうもありがとうございました。

JP1ユーザー会は、JP1製品を利用しているユーザー同士が情報交換や交流を行うためのコミュニティです。この会では、JP1の利用方法や運用の効率化についての情報提供が行われるほか、ユーザー同士が実際の運用現場での経験や課題を共有し、解決策を探る機会を提供します。

JP1ユーザー会コミュニティサイト

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