
- アシストの視点
Bダッシュ委員会 DAO分科会発信
「DAOをビジネスに適用できるか」社内で実証実験
新商材・サービスの発掘・育成に取り組むBダッシュ委員会活動の中で、分散型自律組織(DAO)のビジネス適用の可能性を探り、アシストのビジネスにどう活かせるかを研究する「DAO分科会」についてご紹介します。
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この3年にわたるコロナ禍により、働き方やビジネス環境に大きな変化がもたらされ、「人と人」「人と組織」といった「人とのつながり」そのものにも大きな影響が及ぶようになりました。さらに、昨今のめざましいAIの台頭によって、この変化・影響はますます加速していくものと思われます。
ただ、テクノロジーがいくら進展していったとしても、人が中心になってビジネスを展開していくことは未来永劫変わることはありません。アシストでは、コロナとAIの台頭によって、希薄化していく人と人、人と組織のつながりを改めて強化するための取り組みが今こそ重要だと考え、「人と組織を強化する」というテーマに関連する最新テクノロジーの調査・発掘を行っています。
今回はその調査結果の一端と、「人と組織を強化する」ためにアシストが取り扱いを開始した製品を簡単にご紹介します。
昨今、お客様の体験価値を向上させる「 カスタマーエクスペリエンス (CX)」の取り組みを強化している企業が増えています。製品やサービスの購入、利用、サポート、フォローといったお客様との接点の中で、どれだけ良い印象・感情・認識などを持ってもらえるかが顧客満足度向上につながり、結果的に企業力向上につながるとされているからです。
CX向上の前にまずEX、企業価値の最大化に人的資本への投資は不可欠 |
「人と組織」の強化で注目している三つのテクノロジー |
また、EXや組織文化を強化するアプローチとして、アシストでは、社内の組織環境の仕組み・仕掛け作りを支援する「Internet of Knowledge」というコンセプトを提唱し、動画活用プラットフォーム「Panopto」、生成AI機能付き社内横断検索製品「Glean」などの提供を行っています。上記の三つのカテゴリに加え、併せてご紹介します。
エクスペリエンス管理とは文字通り「経験管理」になります。以下は、アシストで全社導入した、ChatGPTを組み込んだインサイトエンジン「 Glean 」の検索結果になりますが、Gleanによると、エキスペリエンス管理とは、「顧客、社員、ブランド、製品といった個々の要素でのすべての経験を統合的に管理する仕組みであり、これによって企業は顧客満足度を向上させ、ロイヤリティを高めて結果的にビジネスパフォーマンスを向上させることができる」と定義されています。
【参考】アシスト社内導入ChatGPT(Glean)調べ |
「エクスペリエンス管理」のポイントは、お客様の経験だけではなく、社員の経験管理も含まれていることです。ブランドや製品を通じて提供する価値体験は、社員も含め総合的に考えることが重要だということです。
アシストでは、お客様の体験価値を高めることを専門ミッションとする組織「CX推進室」を立ち上げました。いわゆるカスタマージャーニーマップを作成して、お客様との接点(タッチポイント)を定義し、各タッチポイントでのお客様の声を全社横断で分析できる基盤をまさに整備中です。
カスタマージャーニーマップ |
(各タッチポイントでの評価軸の例)
・どのようなイベントやセミナーが評価されているか
・営業の日々の情報提供やアフターフォローは十分か
・技術支援や技術力に満足いただけているか
上記のような各タッチポイントで、お客様がどのようにアシストを評価してくださっているのか、また、どのようなことを期待されているかの分析ができたならば、次に、伸ばしていくべき強みや、改善すべき課題を明確にして、プロアクティブなアクションとして届けていけるようにしたいと考えています。
アシストではそのための仕組みとして、エクスペリエンス管理分野ではメジャーなソリューションの一つである「Qualtrics」(開発元:Qualtrics、URL:https://www.qualtrics.com/jp/
)を採用しました。
転載:Qualtrics社より提供いただいた資料から抜粋(転載日付:2023年9月12日時点) |
次はタレントマーケットプレイスという分野のご紹介です。
エクスペリエンス管理と同様、Gleanでその定義を検索したところ、「タレントマーケットプレイスは、企業の内部の人財を最大限に活用するためのプラットフォームです」と定義されています。
【参考】アシスト社内導入ChatGPT(Glean)調べ |
「タレントマーケットプレイス」は、社員と成長機会のマッチングの場を創出するプラットフォームだと言われています。
社員一人一人は様々な経験やスキル・知識を有しており、さらには今後に向けてのキャリアビジョンがあります。これらの要素と、自社の現行組織、新規組織、プロジェクト、コミュニティなどがきちんとマッチングしてくれるコンシェルジェ的な存在がタレントマーケットプレイスです。
タレントマーケットプレイス |
HR分野では、人事システムからタレントマネジメントへ、そしてタレントマーケットプレイスへと変遷していると言われています。但し、タレントマーケットプレイスはタレントマネジメントに置き換わるものではなく、共存する関係だと考えています。
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「タレントマネジメント」の場合は、どちらかというと、マネジメント層や人事担当者が新しいプロジェクトや組織に誰をアサインしようかという側面で利用されるケースが多いですが、タレントマーケットプレイスの狙いは、社員同士が現場主導で「こういうことをやりたいから協力してくれる?」「こういうメンバーを知らない?」といったことに自律的、能動的、スピード感をもって対応できる組織を作ることを目指しています。
タレントマネジメントに該当するプロダクトが有する共通機能として、以下のような機能があります。今回はその中でもタレントマーケットプレイスの特徴的な機能を四つご紹介します。
タレントマーケットプレイスが有する主な機能 |
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出典:muuv.aiホームページより https://muuv.ai/ (引用日付:2023年9月12日時点) |
皆さんもこれまでのキャリアの中で悩まれたことは多々あるかと思いますが、先輩や同僚のアドバイスや話に助けられた経験も多いのではないでしょうか?自分が所属する部署の先輩でなくても、同じような経験やキャリアを歩んで来た方に相談役(メンター)をリクエストし、実際に相談できることで、自身のキャリアが開けるということもあります。これを支えるのが「メンターリクエスト機能」です。
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出典:gloatホームページより https://gloat.com/ (引用日付:2023年9月12日時点) |
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出典:fuel50のホームページより https://fuel50.com/ (引用日付:2023年9月12日時点) |
自社の各社員従業員の過去のスキルやキャリアデータをAIに学習し、「あなたなら次にこのステップに進んではどうでしょう」、「こういうキャリアを歩んではいかがでしょう」を提案してくれる機能です。自身が目指すべき次のチャレンジ領域などのヒントにすることができます。
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出典:fuel50ホームページより https://gloat.com/ (引用日付:2023年9月12日時点) |
プロジェクト終了時のようなタイミングで、自分はプロジェクトの中で活躍できていたかなどをお互いに聞ける機能です。実際に受け取った個人のフィードバックを公開することにより、その人に対し新たな仕事の声掛けの機会になったり、他の人が自身の次のキャリアの参考にしたりといったことが可能になります。
このように現場同士がつながる仕掛けを持ったプラットフォームがタレントマーケットプレイスです。
最後にカルチャープラットフォームのご紹介です。
同じようにGleanの検索結果では、「カルチャープラットフォームは、組織の文化を形成、強化、共有するためのツールやプラクティスを提供するシステムのことを指します」となっています。
【参考】アシスト社内導入ChatGPT(Glean)調べ |
カルチャー プラットフォームはまだまだ馴染みがない方も多いかと思いますが、組織運営において重要な文化醸成、文化形成にフォーカスしたテクノロジーが昨今出てきています。
そのひとつのアプローチとして、ピアボーナスという感謝・賞賛をメッセージとポイントで送り合うソリューションがあります。アシストでも「Unipos」というサービスを実際に利用してみたところ、これは文化醸成にかなり寄与できると感じたエピソードがいくつかありましたのでご紹介します。
Unipos(
https://unipos.me/ja/
)
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Unipos投稿イメージ |
Uniposでは全社員がそれを参照できるようになっているため、他の社員がそれを見て「お客様の役に立つというのは具体的にこのような行動なのか」と日々の業務の中で意識できるようになります。また、意識しなくてもこのような行動が当たり前になされる状況を作り出すこともできます。これが まさに、文化や風土を作るということになります。
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アシストでは、これらのアプローチの他にも、お客様の体験価値の向上に一番接点のあるセールスパーソンがテクノロジーを使ってどのように強化できるのかという「セールステック」、脳神経科学とITを融合して活用する「ブレインテック」などの分野も調査を行っています。こちらも調査結果がまとまりしだい、順次お伝えしていければと思っています。
※本記事は2023年10月に開催された「アシストEXPO」での講演内容に基づくものです。
本記事に記載された、弊社意見、予測などは本稿作成時点における弊社の判断であり
今後予告なく変更されることがあります。
※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
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木村 貴史
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山下 和敏
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最後までご覧いただきありがとうございました。
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