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EDB Postgresの採用により低コスト・高信頼性の金融機関向けクラウドサービス提供を実現

株式会社NTTデータエービック

導入製品/サービス…
EDB(PostgreSQL)  

株式会社NTTデータエービック EDB Postgres事例

NTTデータエービックでは、自社パッケージ製品のクラウドサービス化を契機に、ソフトウェアライセンスコストの削減を目的として基盤となるデータベースをEDB Postgres へ切り替えました。それにより、サービス利用者に対して、コスト、信頼性、機能性、利便性などあらゆる面で高い付加価値を提供できるようになりました。

株式会社NTTデータエービック

導入のポイント


1.ライセンスコストを抑制した形でクラウド上へデータベース基盤を構築
2.既存システムのバッチプログラムをEDB Postgresへ効率的に移行
3.サービス提供に必要な信頼性と可用性を確保


課題

  • 自社パッケージ製品のクラウドサービス化にあたり、仮想化環境上でのOracle Databaseのライセンスコストが課題になった
  • 既存アプリケーションを最小限の工数で移行する必要があった
  • 取り扱うデータの特性上、高い信頼性が求められた

対策

  • DBサーバに割り当てられたCPUコアのみが課金対象となるEDB Postgresを採用
  • EDB Postgresが持つOracle Databaseとの高い互換性と、アシストの支援サービスを活用
  • EDB Postgresの標準レプリケーションと仮想化技術のクラスタ機能を活用

効果

  • 利用者に対して適正なコストでクラウドサービスを提供
  • 置き換え作業で発生した技術課題を迅速に解決し、スケジュールどおりにプロジェクトを完遂
  • 求められる信頼性と可用性を十分に確保

サービス提供形態



パッケージ製品のクラウドサービス化でデータベースが課題に


株式会社NTTデータエービック(以下、NTTデータエービック)は、地方銀行をはじめとする金融機関向けに、投資信託や保険の窓口販売などの「預かり資産業務」関連サービスを提供しています。1998年に銀行の投資信託窓口販売が解禁されると同時に、投資信託情報提供サービスや窓口販売支援システムの開発・提供を開始し、業界トップクラスの実績とノウハウを有しています。

同社の金融機関向けパッケージ製品は、従来、顧客が自前の物理サーバ環境に導入して利用する形態でした。しかし取締役 藤田充氏によれば、様々な面でこのビジネスモデルに限界が生じてきたと言います。

藤田氏  最近はどの金融機関でもITコスト削減のプレッシャーが強く、システム運用の手間やコストを削減したいというご要望を多くいただいています。そこで、現在、弊社サービスを順次クラウド環境へ移行しており、2019年秋からクラウドサービスとしての提供を開始する予定です。


サービスのクラウド化にあたり、仮想化環境上へシステムを構築する計画で進めていましたが、いくつかの課題を解消する必要がありました。基盤推進部長 岡村光己氏によると、その1つがデータベースの選定だったと言います。

岡村氏  従来利用していたOracle Databaseでは、仮想化基盤上でのサポートと費用体系が課題でした。特にライセンス費用が高くなることは、弊社がお客様へ提供するサービス価格にも影響するため、慎重な検討が必要でした。

プログラム改修コスト抑制のため、EDB Postgresが有力な候補に


そこで同社は代替となるデータベースの検討を開始しました。当初候補に挙がったのはオープンソースのPostgreSQLでした。PostgreSQLの場合、ライセンスコストは抑制できるもののストアド・プログラムを含むアプリケーションの移行に膨大なコストと工数が発生することが予想されました。

岡村氏  弊社のシステムでは、バッチ処理の大部分をOracle Databaseのストアド・プロシージャで実装しています。PostgreSQLはプログラミングの観点でOracle Databaseとの互換性が低く、プログラムの改修に時間を要すると考えたのです。

そこで、PostgreSQL開発の実績を豊富に持つグループ会社に相談したところ、PostgreSQLをベースに開発された商用データベース製品「EDB Postgres」の検討を勧められました。EDB PostgresはOracle Databaseと高い互換性を持つことで知られており、バッチプログラムの改修コストを低く抑えられる可能性がありました。
そこで同社は、互換性がどの程度か具体的に確認するため、検証用のライセンスを購入しました。


アシストの支援サービス活用でEDB Postgres互換性検証を実施


EDB Postgresの製品ライセンスをアシストから購入した理由について、システム開発部 課長 麦島迅氏は次のように説明します。

麦島氏  元々アシストとは他の製品を通じて付き合いがあり、サポートサービスの品質を信頼していました。今回EDB Postgresの導入にあたってもサポート体制を考慮していたことから、アシストからの購入を決めました。

検証作業中の不明点や問題発生に備え、アシストの専任エンジニアによる技術サポートが受けられる「QA支援サービス」を活用しました。代表的なバッチプログラムをピックアップしてOracle DatabaseとEDB Postgresの互換性を検証した結果、半分以上のプログラムはほぼ修正することなくEDB Postgresへ移行できそうだという結果が得られました。


この結果を受け、同社はいよいよEDB Postgresへの移行プロジェクトを本格的に立ち上げました。このプロジェクトを率いるシステム開発部 課長 宮口直樹氏によれば、当初に比べプログラムの改修ボリュームが若干増えたものの、移行作業は概ね順調に運んだと言います。

宮口氏  実際の移行作業では互換性の問題がいくつか発生しましたが、アシストのQA支援サービスで丁寧に調査・回答してもらい、都度迅速に問題を解決できました。そのおかげで、ほぼ予定どおりにプロジェクトを進行することができました。

他サービスとの連携も視野に


こうして全ての既存アプリケーションのEDB Postgresへの移行が完了し、現在、2019年秋のサービス提供開始に向けた最終テストを行っています。対象のサービスは、地方銀行をはじめとする金融機関の商品を取り扱う関係上、極めて高い信頼性が求められます。そのため、EDB Postgresに標準実装されているレプリケーション機能(ストリーミング・レプリケーション)と、仮想化技術のクラスタ機能を組み合わせて十分な信頼性と可用性を担保する予定です。

今後同社では、EDB Postgresを使ってクラウド環境上にサービスを展開していくことで、サービスの価格や信頼性はもちろん、機能や利便性などあらゆる面で顧客へ高い価値を提供していきたいとしています。

藤田氏  お客様はクラウドサービスを利用することで弊社の複数サービスを容易に連携でき、さらに高い価値を得られるようになります。こうした将来構想をより効率的に実現するためにも、EDB PostgresのOracle Database互換性と、利便性のさらなる強化を期待しています。


  • 本事例は取材時の内容に基づくものです。
  • 製品内容は、予告なく変更される場合があります。
  • 記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。


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お客様情報

※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。

会社名 株式会社NTTデータエービック
概要 NTTデータグループの一員として、投資信託の情報を提供しています。金融機関向けの投信・保険・証券仲介の総合金融ソリューション、コンサルティングサービス、ソリューション提案、パッケージ製品の開発・提供などを通じて、金融機関の課題解決を支援しています。
所在地 東京都港区赤坂4-15-1 赤坂ガーデンシティ 6階
設立 1982年7月
資本金 3億2,312万円(2019年3月期)
従業員数 68名
URL https://www.abic.co.jp/
取材日 2019年1月

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