ITSM基盤の見直しで、月200件の問い合わせを半減。属人化を脱し、データに基づく継続的な改善サイクルを確立
株式会社アシスト
- 導入製品/サービス…
- OpenTextTM Core Service Management
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株式会社アシストでは「社員の生産性向上」と「定例業務から企画業務へのシフト」の実現に向けて、ユーザーへの浸透不足やカスタマイズ性に課題を抱えていた従来のITサービスマネジメントツールを「OpenText Core Service Management(以下、SMAX) 」へと刷新。問い合わせ件数の50%削減を達成するとともに、データに基づく継続的な改善サイクルを自律的に回せる高度なITサービスマネジメント体制を確立しました。 |
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「問い合わせ数の削減以上に、“データの可視化によって継続的な改善が定着した”ことが大きな成果です。数字をもとに自分たちで課題を見つけ、すぐに手を打てる。この“自走できる問い合わせ基盤”を持てたことは、今後においても大きな意味があると感じています」
経営企画本部 経営企画統括部
ITサービス企画部 運用サービス課
佐々木 由美子
課題/背景
- 社員の生産性向上への寄与というミッションの下、運用サービス課では問い合わせ対応業務の見直しを進めていた
- 従来のITSMツールはユーザーへの浸透が十分ではなく、チャットやメールによる個別対応が多く残っていた
- 問い合わせ内容の分析に手が回らず、ツールのカスタマイズ難易度も高いため、業務改善が困難だった
対策
- SaaS提供で、分かりやすいUIと優れたカスタマイズ性を持つSMAXを採用
- サービスカタログの整理やSLAの新設で運用設計を固め、社内のSMAX技術者のサポートを受けつつ実装し、ノウハウを蓄積
- ユーザー向けに厳選したFAQを公開し、自己解決を促進
効果
- 段階的な運用改善やツール活用で問い合わせ件数は月200件から100件へと半減し、チャットやメールの個別の依頼はほぼ解消
- ダッシュボードでSLAや対応状況を可視化・分析し、改善サイクルが定着
- 実装で得たノウハウを活かし、管轄の異なる業務領域への横展開は、運用サービス課のみで完了
システム概要図
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問い合わせ対応業務のさらなる改善へ──明らかになった現状課題
アシストのITサービス企画部では、社員の生産性向上に向け様々な施策を行っています。中でもインフラ・ヘルプデスクを担う「運用サービス課」においては、FAQの公開やITサービスマネジメントツール(以下、ITSMツール)の導入を通じ、長年、問い合わせ対応の迅速化に取り組んできました。
しかし、さらなる業務改革を目指す上で、既存の管理ツールの限界も見え始めていました。UIが複雑でユーザーに十分に浸透せず、チャットやメールなどの個別依頼が後を絶たなかったのです。また、UIを改修しようにも、スクリプト開発を要するため迅速な改善が困難でした。
そこで「定例業務を減らし、社員の生産性向上などに寄与する企画業務へシフトする」という部の方針の下、同課では問い合わせの「管理」にとどまっていた従来の業務プロセスを、根本的に見直すことに決めました。
佐々木
問い合わせの実態が、管理ツールではなくチャットやメールに散在していました。そのため、過去の履歴を参照できず、各担当者が同じような質問に何度も対応するなど非効率な状況が続いていました。ツール内に情報が蓄積されないため分析や改善もできず、有効な打ち手も講じられません。結果、対応は属人化したままで、問い合わせ件数も大きく変わらない状況でした。
利用定着と継続的な改善を両立できるITSMツールへの刷新
ユーザーへの浸透やデータ活用に課題が残る一方、運用担当者にかかる業務負荷も改善を阻む要因であることが分かりました。特に問い合わせのクローズに向けた個別の状況確認や、オンプレミス環境故の夜間・休日のメンテナンス作業が、担当者のリソースを圧迫していました。
このままでは抜本的な改善は困難だと考え、運用担当者の負荷軽減はもちろんのこと、本来の目的である「社員が問い合わせる手間をなくし、本来の業務に集中できる環境」を実現するため、IT運用を継続的に改善可能なITSMツールへの刷新を決めました。
ユーザー視点を徹底したサービスカタログ設計とSMAX導入のプロセス
この業務改革を推進する新たな基盤として採用したのが、UIの分かりやすさとカスタマイズ性を兼ね備えたSaaS型のITSMツール、SMAXです。
2024年8月から11月にかけての構築フェーズにおいて肝となったのは、サービスカタログの整理です。サービスの棚卸しからカテゴリー分け、ラベル名に至るまで、ユーザーにとっての分かりやすさを重視。SMAX技術者の助言を得ながら検討し、約1ヵ月かけてユーザーが迷わない導線を作り込みました。続く設計も運用サービス課が主体となり、ツールの設定を学びながら運用に落とし込むことで、運用サービス課内にSMAXの構築ナレッジを蓄積していきました。
高橋
サービスカタログの整理は大変でしたが、サービス全体を可視化・俯瞰する重要なプロセスでした。SMAXはノンコーディングで画面構成や項目追加が行えるため、SMAX技術者の支援を受けつつ、自分たちの構想を容易に形にできる柔軟さがありました。
利用定着を後押しし、問い合わせ数を50%削減したSMAX活用の効果
2024年12月の運用開始から約1年。サービスカタログの見直しや利用を促す啓蒙活動が奏功し、今では問い合わせの98%がSMAX経由に切り替わり、問い合わせ対応業務の全容を正確に把握できています。業務における具体的な成果としては、問い合わせ件数が月200件から100件へと半減しました。この成果に大きく寄与したのが、社内ポータルからSMAX上へ集約したFAQです。
問い合わせの導線が定着し、SMAX上に公開されたFAQがユーザーの目に留まりやすくなったことで、自己解決率が向上しました。あえて公開数を絞り、情報の鮮度と質を担保する取り組みが、FAQの活用を後押ししています。
また、チームでの共有端末や備品の不具合の対応状況を、メールのCCのように関係者へ共有できる「フォロワー機能」も効果的です。これによりユーザー側の重複起票や状況連絡の手間が減り、利便性が向上しました。
SMAXは運用担当者側の負荷軽減にも寄与しています。例えば、回答から一定期間が経過すると自動クローズする機能により、都度必要だったクローズの確認作業が不要となりました。加えて、SMAXはSaaSとして提供されているため、サーバーメンテナンスなど運用管理にかかる負荷が着実に軽減されています。
ダッシュボード活用でデータに基づく分析と継続改善が定着
運用サービス課が問い合わせ数の削減後に取り組んだことは、担当者のアサインや解決までの時間を基準としたSLAの策定でした。SLAを軸にSMAXのダッシュボードで問い合わせの対応状況や傾向を可視化することで、対応が遅れやすいカテゴリーや時期を数値で把握できるようになりました。
これまでの“感覚的な振り返り”から“データに基づく分析と改善”へと進化し、今では定期的にダッシュボードを確認し、SLAが未達の場合は、即座に改善策を反映するサイクルが定着しています。
佐々木
問い合わせ数の削減以上に、データの可視化によって継続的な改善が定着したことが大きな成果です。数字を元に自分たちで課題を見つけ、すぐに手を打てる。この“自走できるITSM基盤”を持てたことは、今後においても大きな意味があると感じています。
蓄積したノウハウを活かし、全バックオフィスの問い合わせ一元化を目指す
本プロジェクトを通じて得たノウハウを活かし、運用サービス課が自ら社員へのサービス向上施策を企画、実装できる体制が整いました。
その成果の一つが、SMAXの利用範囲を従来のOA機器管理だけでなく、デバイス紛失やメール誤送信といった情報セキュリティのインシデント報告業務にまで拡大させたことです。
個別依頼を好む慣習は残っていますが、最終的には全バックオフィス業務の問い合わせをSMAXへ集約していく方針です。
杉山
各バックオフィス業務の特性を踏まえつつ、全体の効率と見える化を高めていきたいと考えています。全社方針である定常業務の省力化と企画へのシフト、そして“社員の生産性向上”というミッションを、ITの仕組み作りを通じて継続的に支えていきたいですね
- ※本稿は取材時の内容に基づくものです。製品やお客様情報など最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
- ※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
会社情報
| 会社名 | 株式会社アシスト |
|---|---|
| 本社 | 東京都千代田区九段北4-2-1 市ヶ谷スクエアビル |
| 設立 | 1972年3月 |
| URL | https://www.ashisuto.co.jp/ |
| 取材日 | 2025年12月 |
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