中電シーティーアイが情報の民主化を実現するため、
ナレッジ共有プラットフォームを構築
─ 誰もが人脈やナレッジをフル活用できる環境へ
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「業務で得たナレッジに従業員の誰もがアクセスし、有効活用しやすい環境を目指して模索していました。その中で、知識をベースに人のつながりを強化する“Internet of Knowledge”を知り、この考え方を基に業務を改善。結果、DX推進と情報の民主化を実現できました」
株式会社中電シ―ティーアイ
技術本部 DX推進室長 池田 佳裕 氏
技術本部 DX推進室 DXソリューショングループ グループリーダー 足立 一夫 氏
課題/背景
- 標準ITアーキテクチャの整備をするため、ナレッジ共有基盤の構築を目指すも二つの課題が発生
- ファイルコンテンツが分散しており、情報のサイロ化が発生し、情報の探索が困難な状況になっていた
- 組織・場所を超えたニューノーマルな働き方が増加し、社内に有識者や情報が分散していた
対策
- アシストの提唱する「Internet of Knowledge」を参考に、ナレッジ共有基盤を整備
- Gleanの導入により、組織横断でパーソナライズされた情報をすぐに検索できる仕組みを構築
- Panoptoを活用し、誰もが動画コンテンツを発信したり、アクセスしたりしやすいナレッジ共有ができる環境を整備
効果
- 情報・ナレッジが様々な場所に分散している中でも、横断的に必要な情報を取得可能に。また、精通する有識者が誰なのかを簡単に把握できるようになった
- 経営層のメッセージなどのトップダウンでの活用に加え、業務引き継ぎやプロジェクトの完了報告を動画で共有するなど、ボトムアップでのナレッジ共有も可能に
- 時間・場所に依存しないニューノーマルな働き方にも対応
システム概要
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中部電力グループのDXをリードするため、情報の民主化を目指す
中部電力グループ唯一のIT企業として、アプリケーション開発、インフラ構築、セキュリティ、データ解析など、ITライフサイクル全般をトータルサポートする中電CTI。同社は、中電グループのDXをリードし、より高度なIT活用で新たな価値の創出を担うため、自社の構造変革である「CTI改革」を進めています。
この取り組みについて、同社の技術本部 DX推進室 池田 佳裕氏にお話をお伺いしました。
池田氏
当社では、改革の一環として、人財育成やクラウドサービスを活用した新しい働き方への対応、DX推進室の立ち上げなどの組織整備をしました。これらに加え、中電グループ標準ITアーキテクチャ(以下、標準ITA)の整備も行っています。
標準ITAとは、パブリッククラウドを有効活用し、中部電力グループのビジネスアジリティ強化を目指すものです。そのため、柔軟性とアジリティを備え、コストも最適化された標準的なITアーキテクチャが必要になりました。これを実現するため、同社はMicrosoft Azureを中心としたクラウドシフトを推進しています。
池田氏
標準ITAを整備・定着するアプローチにおいて、技術変化が速い昨今では、大量のガイドや手順書を整備することは適していません。多くのDX案件が並走する中で、アジリティを持った標準化の推進をどのように行うべきかを考えました。そこで、たどり着いたのが、従業員の誰もが社内ナレッジを有効活用できる環境の構築を行い、情報の民主化を目指すことでした。
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二つの大きな課題に直面
同グループの足立 一夫氏は、情報の民主化を目指す過程で二つの大きな課題に直面したと振り返ります。一つ目の課題は、ファイルコンテンツが分散しており、情報のサイロ化が発生していたことです。
足立氏
当社は、マイクロソフト製品とオンプレのファイルサーバーが、主なコンテンツの格納場所でした。多くの情報は組織・プロジェクト単位で共有されていましたが、個人のメールボックスやOneDriveに配置されている情報も多く、情報探索が大変でした。また、自分の周辺以外の情報を把握するのが難しい状況でした。
二つ目の課題は、組織・場所を超えたニューノーマルな働き方が増え、人と情報が分散していたことです。
足立氏
従来の働き方は組織型でしたが、昨今は業務ニーズや技術の変化に迅速に対応するため、プロジェクト型で組織・場所を超えてメンバーがコラボレーションする働き方が増加しています。リモートワークも相まって、組織でつながっていた人間関係が希薄化し、情報やナレッジの蓄積が難しくなっていました。
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これらの課題を解決できる手段を模索し、同社は、アシストのある取り組みに解決の糸口を見い出しました。
ナレッジ共有へのチャレンジ、プラットフォーム構築
同社が注目したのは、デジタル技術を活用し、知識をベースに人のつながりを強化するといった考え方の「Internet of Knowledge」でした。これを参考にしながら、同社は情報の民主化を進めたと言います。
足立氏
情報の民主化の実現、そしてリモートワークやプロジェクト型のニューノーマルな働き方に対応するため、ナレッジ共有プラットフォームの構築を目指し、3つのプロダクトを採用しました。この3つとは、ファイルストレージとしてのBox、全社横断検索可能なインサイトエンジンであるGlean、そしてエンタープライズ動画管理基盤のPanoptoです。
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GleanとPanoptoを採用した理由について、足立氏と池田氏は次のように説明します。
足立氏
Gleanの採用理由は、様々なSaaSと連携し、ユーザーがアクセス可能な社内データから、迅速に、「知りたい情報」と、「それを知る有識者」を見つけられるためです。また、生成AIを搭載したチャット機能では、自然言語での問いに対して情報量が多いドキュメントから、生成AIが要点をまとめて回答してもらえる点でもメリットがありました。
池田氏
Panoptoは「相互発信型」を重視したプロダクトです。各従業員が気軽に発信しあうことができるため、ナレッジを効率的に形式知化し、共有・活用することが期待できます。これが、当社の「情報の民主化」に向けたコンセプトにベストマッチしたため、採用の決め手となりました。
GleanとPanoptoの導入により、“情報の民主化”の実現へ
Gleanの導入により、情報・ナレッジが様々な場所に分散している中であっても、横断的に欲しい情報にアクセスできるようになりました。
足立氏
ナレッジ共有のための事前準備作業も省力化され、無駄な検索に掛かる工数削減にもつながりました。また、社内の人脈やナレッジをフル活用して、従業員一人一人がさらに活躍できる環境づくりに役立っています。
さらに、Panoptoを活用することで、情報発信・共有の効果もあったと言います。
足立氏
2023年6月から運用を開始して1年近くが経ちますが、現在の登録動画数は2,421本に達しました。経営層からのメッセージや各種研修などのトップダウンでの活用はもちろん、各製造部門でも業務引き継ぎやプロジェクト完了報告での成功・失敗を共有するなど、ボトムアップでの活用も行えています。
これにより、同社はナレッジの形式知化を実現。また、働き方が多様化する中でも、時間や場所に依存しないコミュニケーションも可能になりました。さらに、組織を超えて人と人とがつながる機会も増え、同社が目指す情報の民主化の実現に役立っています。
今後もグループのDX推進を行っていく
ここまでの取り組みを振り返って、池田氏は次のように総括します。
池田氏
現在、AIが組み込まれた様々なSaaSがありますが、今回の取り組みを推進していく中で、「それぞれの業務・人財にあった生成AIを活用すること」で、投資対効果が最大限得られるという結論に至りました。注意点は、生成AIのツールを与えられれば効果が出るものではなく、「ユーザーが生成AIを使いこなすスキル」が必要ということです。
同社は、生成AIを使いこなせる人財を増やしていくために、勉強会や社内ユースケースの共有などの施策を進めていくと言います。
最後に、今後の意気込みについて足立氏にお話いただきました。
足立氏
情報の民主化はまだ道半ばであるため、今後もこの取り組みを継続し、一人一人がさらに活躍できる環境を目指していきたいと考えています。そうして、文化を変革していくことで、これからの変化にも柔軟に対応し、今後も中部電力グループのDXを加速させていきます。
- ※本事例は取材時の内容に基づくものです。
- ※製品内容は、予告なく変更される場合があります。
- ※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
お客様情報
※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。
会社名 | 株式会社中電シーティーアイ |
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本社 | 名古屋市東区東桜一丁目1番1号 |
設立 | 2003年10月1日 |
URL | https://www.cti.co.jp/ |
従業員数 | 1,298名(2024年6月1日現在) |
取材日 | 2024年05月 |
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Glean
Gleanは、企業向けのインサイトエンジンです。Gleanの検索窓から、Microsoft 365、Box、Google Workspace、Slack、Salesforceなどを横断検索して、瞬時に知りたい情報を探し出すことができる、エンタープライズレベルで生成AIを最大限に活用できるAIプラットフォームです。アシストは日本初のGleanのパートナーです。
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Panopto(パノプト)は、企業における動画の活用を推進するエンタープライズ動画管理基盤です。動画を作成し、活用するのに専門知識は必要ありません。全ての社員が様々な場面で動画を日常的に活用することで、業務の効率化や新しい働き方の実現、人材育成やリスキリング、コミュニケーションの活性化をPanoptoが支援します。
- 誰もが動画を作成出来る簡単なレコーディング機能
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