三井住友信託銀行のサービスデスク業務をデジタル化!
─ 標準端末の構築依頼から提供までの期間を80%短縮
三井住友トラスト・システム&サービス株式会社
- 導入製品/サービス…
- Service Management Automation X
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三井住友トラスト・システム&サービス株式会社は、サービスデスク業務にITサービスマネジメントツールである「Service Management Automation X (以下、SMAX)」を導入。サーバー構築の依頼業務を皮切りに、利用範囲を段階的に拡大し標準端末の構築作業を自動化。業務効率化の取り組みを継続的に進めています。 |
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「増加するITニーズを迅速かつ効率的に対応するためにSMAXを導入し、サービスデスク業務のデジタル化を実現。利用者と担当者双方の業務が改善されました」
三井住友トラスト・システム&サービス株式会社
技術第一部第三グループ
シニアスペシャリスト 髙野 智子 氏
課題/背景
- 三井住友信託銀行でのITの積極活用に伴いIT案件が増え、各種お問い合せや依頼の種類、数が増加
- IT基盤を利用する際の申請や対応がシステムごとに異なり、利用者と対応者の双方に負荷が発生
- 情報が散在し、過去の問い合わせ対応履歴などのナレッジも利活用できず、属人化でモチベーションがダウン
対策
- ITサービスマネジメントツールのSMAXを導入し、サービスデスク業務のデジタル化を図る
- サービスデスクの窓口をSMAXに集約し、各種業務の管理と運用を統一。ナレッジも蓄積して利活用する
- Amazon WorkSpacesの構築作業などを自動化し、業務効率化を推進
効果
- ツールベースで業務を標準化し、オペレーションのミスが減少。安全に業務を遂行できる環境を実現
- SMAXで管理と運用を統一しナレッジを共有することで、各種業務の対応負荷を大幅に削減し利便性と生産性が向上
- 構築作業の自動化で、依頼から提供までの期間を従来の80%に短縮。属人化も解消され、モチベーションがアップ
システム概要図
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三井住友信託銀行やグループ各社のIT利活用を支える幅広いサービスデスク業務
三井住友トラスト・システム&サービス株式会社は、三井住友信託銀行株式会社(以下、三井住友信託銀行)とグループ内企業のIT基盤を支え、トータルサービスを提供する企業です。刻々と変わる世界情勢やデジタル環境とともに金融商品は多様化します。同社は、商品の多様化に合わせたITサービスを企画、提案するほか、システム開発や運用を通じて、各社のセキュリティ強化や業務効率化も支援しています。
特に重要な業務として、三井住友信託銀行のIT利活用を支えるサービスデスク業務が挙げられます。同社 技術第一部第三グループ シニアスペシャリストの髙野 智子氏は、次のように説明します。
髙野氏
サービスデスク業務は、三井住友信託銀行のIT部門、当社の開発部門、ITベンダーからの問い合わせや見積もり依頼、作業依頼などに対応しています。サービスデスクの担当領域は、システムの共通基盤、運用基盤、データベース基盤、アプリケーション基盤、コンテナ基盤などの各領域に分かれ、各担当者は領域ごとの様々な依頼に対応しています。例えば、私は共通基盤の担当で、AWSやオンプレミスのサーバーを提供しています。利用部門からの依頼に応じて実現方法や費用のすり合わせをし、システム基盤を構築します。それだけでなく、システムの利用状況に応じたリソースの変更にも対応しますので、作業負荷がとても高くなっていました。
サービスデスク全体の窓口が無く、属人的な運用で毎日の負荷が高い担当者
サービスデスク業務は、大きく4つの問題を抱えていました。「領域ごとに個別の管理と運用」「膨大な情報量と高い対応負荷」「情報の散在」「属人化によるモチベーションの低下」です。
髙野氏
当時はサービスデスク全体の窓口もなく、領域ごとに依頼や相談を受けていました。利用部門とのやり取りにはメールを使っていましたが、メール本文や添付ファイルを見落としてしまったり、件名や資料を保存する運用ルールも使いづらく、あとから情報を探すのも困難でした。また、過去の問い合わせ対応をナレッジとして活用できておらず、似たような内容の問い合わせにも一から対応していました。そのため、業務も属人化し、誰にどれだけ負荷が掛かっているのかも把握できていませんでした。そこで、アナログなサービスデスク業務のデジタル化を検討したのです。
同社では、ITを積極的に活用する機運の高まりがありました。ITニーズの増加に備え、サービスデスク業務でも適切なツールを導入してプロセスをワークフロー化し、領域ごとに異なっていたオペレーションを標準化する取り組みが始まりました。
2021年8月、アシストが提供するITサービスマネジメントツールの「SMAX」を選定しました。SMAXはITILに準拠したワークフローや依頼フォームが標準装備されていて早期に導入でき、専門スキルが無くてもコードレスで設定できるなどの特長があります。また、グループ内企業で先行導入した実績があり、同社の求める各種要件を満たしていました。
髙野氏
すでにグループ内企業でSMAXを導入しており、使いやすさなども知っていたので、当社でもSMAXを導入することにしました。また、アシストとは運用管理分野で25年以上の付き合いがあります。導入時の伴走支援の手厚さや対応品質が高いことも知っていたので、安心感もありました。
同社のSMAXの導入プロジェクトは、以下の通り段階的に進めています。
フェーズ1:SMAXの利用を共通基盤に限定して開始
フェーズ2:他のシステム基盤領域に利用範囲を拡大し、依頼や相談の受付をSMAXに集約して業務の「標準化」を
図る
フェーズ3:利用をさらに高度化し、問い合わせ対応や構築業務の「自動化」を目指して活動
標準端末の構築依頼から提供までの期間を80%短縮
現在ではSMAXの適用範囲を他のサービスデスク業務に拡大し、依頼の受付窓口はSMAXにほぼ集約されました。
髙野氏
2022年9月、共通基盤の業務を皮切りに、申請フォームからの依頼、担当者のアサイン、依頼内容の調整などが、SMAX上で行えるようになりました。また、アサインの完了通知やリマインドメールも自動発信されるようになったので、1日100件対応していた連絡メールが0件となりました。そのほかに、依頼が確定したときの承認プロセスを従来の電子押印からSMAXの承認フローに置き換えられたので、申請から承認までシームレスになりました。一連の進捗も関係者全員にメールが自動で送られて、利用者も作業の完了を確認できます。
同社では、フェーズ2までに「管理、運用方法の統一」「情報量の削減と対応負荷の軽減」「情報の集約」「属人化の排除」の効果が著しく現れました。
髙野氏
各システム領域でばらばらだったサービスデスク業務をSMAXに統一したことで、利便性や生産性が向上し業務工数も大幅に削減されました。例えば、利用者としては、SMAXにアクセスすれば分かりやすい利用ガイドがあって、用途に応じた申請フォームもまとまっているので、依頼しやすくなりました。また、担当者としては、SMAXに必要な情報を集約して蓄積されたナレッジを活用できるので、問い合わせなどの対応工数が減りました。
SMAXの活用は、それだけに留まりません。フェーズ3では、開発の標準端末であるAmazon WorkSpacesの構築依頼の受付から構築完了までのプロセスを自動化。従来、手作業で対応していた部分をSMAXと
Amazon WorkSpacesをシームレスに連携することで、依頼から提供まで最大25営業日必要だったのが、今では5営業日以内と大幅に短縮できています。
利用業務の拡大と製品の利活用の推進で、継続的な業務改善を目指す
同社では、サービスデスク業務の属人化や一人の負荷増大による「手順の間違い」や「データの削除」など、手作業によるうっかりミスを防ぐ体制を構築しました。今後もSMAXの社内展開や活用の高度化を継続的に進めていく計画です。
髙野氏
今後はAmazon WorkSpaces以外の構築自動化を推進し、業務の効率化を図ります。SMAXを継続的に利活用したいので、誰もがSMAXにアクセスして必要な情報を入手したり、依頼できるように改善します。例えば、FAQを充実させて問い合わせ件数の削減やナレッジを活用した負荷軽減を検討しています。サービスポータルの視認性も向上させて、利用者の満足度も高めたいと思います。そして、これらの運用データを活用し、対応状況の可視化や傾向分析による的確な意思決定の実現も考えています。
ここまでのプロジェクトは、決して全てが順調だったというわけではありません。当初は、ITサービスマネジメントツールの活用やノンコーディングの経験も少なく試行錯誤したり、利用者への周知やSMAXの利用展開にも苦労。高野氏は、最後に次のように締めくくりました。
髙野氏
SMAXを活用してチャレンジしたいことは、まだまだあります。アシストには引き続き、利用業務の拡大や製品の利活用、SMAXのアップデート時の安全な支援やメーカーとの連携など、ご協力いただきたいと思います。SaaS版への移行も検討しているので、今後もこれまでと同じく手厚い支援を期待しています。
取材協力
三井住友トラスト・システム&サービス株式会社
技術第一部 第三グループ
シニアスペシャリスト 髙野 智子 氏(写真右)
主任 藤井 明生 氏(写真左)
- ※本事例は、取材時の内容に基づくものです。
- ※製品内容は、予告なく変更される場合があります。
- ※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
お客様情報
※お客様情報は、取材時の内容に基づくものです。
会社名 | 三井住友トラスト・システム&サービス株式会社 |
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本社 | 東京都府中市日鋼町1番10 三井住友信託銀行府中ビル |
設立 | 1973年2月 |
URL | https://www.smtss.jp/ |
資本金 | 1億円(2024年3月31日現在) |
従業員数 | 1,029名(2024年8月現在) |
取材日 | 2024年5月 |
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