基幹システム刷新とともに情報活用基盤を整備。パッケージでの標準化によるコスト・工数削減と意思決定の迅速化を実現
トヨタテクニカルディベロップメント株式会社
- 導入製品/サービス…
- DataSpider Servista Qlik aebis
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トヨタテクニカルディベロップメントは、事業再編に伴い「ノンカスタマイズ」を基本方針に基幹システムを再構築。基幹システムに不足している機能を補完するためにデータ連携/BIプラットフォームを導入し、情報活用基盤を整備。パッケージ導入によりシステム構築、改修のコストや工数を削減。業績管理レポート作成の時間短縮により意思決定を迅速化したのをはじめ、経理や人事など様々な業務における情報活用を推進しています。 |
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導入のPOINT
1.カスタマイズ依存からノンカスタマイズへの転換を可能とした情報活用基盤を整備(DataSpider、QlikView)
2.標準化を実現するデータ連携基盤を確立し、様々な業務効率の向上を強力に支援(DataSpider)
3.業績管理レポートの作成を従来の半分程度の期間に短縮し、意思決定の迅速化に貢献(QlikView)
課題
- 旧基幹システムにおけるカスタマイズの積み重ねによるメンテナンスの煩雑化
- システム改修や機能追加の外注化による嵩むコスト
- 事業再編に伴う基幹システムの刷新に対応する、容易なデータ連携と情報活用の手段の確立
対策
- 「ノンカスタマイズ」を基本方針とした情報活用プラットフォームを選定
- 基幹システムを補完する周辺システムとのインタフェースとしてDataSpiderを導入し、データ連携の手法を確立
- 業績管理をはじめとした様々な情報分析を目的にQlikViewを導入し、情報活用を推進
効果
- 20以上のデータ連携を実装し、新規開発やシステム改修におけるコストと時間を大幅に削減
- データチェックを自動化し、作業の大幅な省力化を実現
- 重要な業績管理レポートの作成期間を大幅に短縮、表現力豊かなレポートに生まれ変わって意思決定を迅速化
システム概要
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基幹システムを補完する新たな情報活用基盤の確立
── 貴社のビジネスについてお聞かせください。
トヨタ自動車が世界を牽引する自動車メーカーとして躍進する中で、当社はその開発を支えながら、競争力と開発力の基盤を担ってきました。2016年には事業分野を再編し、「知的財産(IP)」と「計測制御」という2つの事業に特化した会社となりました。知的財産と計測制御は、未来の車両開発を考えていく上で必要不可欠な技術の基盤といえる分野であり、「もっといいクルマづくり」が「もっと豊かな社会づくり」につながるよう、トヨタ自動車をはじめ、トヨタグループ全体の競争力向上に貢献しています。
── 事業再編に伴い、基幹システムを再構築されたそうですが。
2016年の事業再編により、企業規模が約6,000名から約1,000名へと縮小したので、基幹システムの再構築を検討することになりました。旧基幹システムは、長年カスタマイズを積み重ねてきたため、メンテナンスが煩雑になっていました。メンテナンス専門の担当者をアサインしていましたし、システム改修や機能追加を外部に依頼する度に、多くのコストと時間がかかっていたのです。事業再編にあたり企業規模はスリム化しましたので、基幹システムの再構築にあたっての基本方針を「ノンカスタマイズとダウンサイジング」としました。
── 基幹システムの刷新に合わせ、データ連携/データ分析プラットフォームを採用されました。
新たな基幹システムとして選定したERPパッケージにも、不足している機能がありました。それは他の様々なシステムと連携するインタフェースの部分と、業績管理やプロジェクト管理、人事管理など、データ分析に活用するB Iプラットフォームです。
基幹システムの再構築プロジェクトと同時並行でそれぞれの製品の採用も決定し、選定・導入作業を進めました。2016年4月には新基幹システムと同時にカットオーバーを果たしました。
様々なシステムに対応する汎用性と、高いコストメリット
── どのような点を評価してデータ連携製品やBI製品を選択されたのですか。
複数のデータ連携ツールを比較した中でDataSpider Servista(以下、DataSpider)を選定した理由は、当社が求めたデータ連携要件を全て満たし、コストメリットも高かったことです。異なるシステム間のデータ連携がノンプログラミングで可能で、幅広いシステムに対応している点が強みでした。
QlikViewの選定時も複数の製品との比較を行い、コストメリットに加え、様々なデータソースから直接データの取込みができる点を評価しました。他のツールでは、データソースの加工や、データマートを構築する必要がありましたので、この点は大きな違いでした。無償版を使って評価テストを実施しており、使いやすさも実感していました。システム構築の基本方針がノンカスタマイズで使用できるツールであることでしたので、分析軸を自由に設定できたり、インタフェースが分かりやすかったりした点も大きかったです。
開発手法の標準化とコスト削減を実現。業績管理レポートの作成期間を大幅に短縮
── 新基幹システムとのデータ連携はどのくらい進んでいますか。
DataSpiderによるデータ連携は、すでに20以上の処理を実装しています。主に経理系の処理や人事情報とワークフローとの連携、LDAP連携など様々なデータ連携に利用しています。一部では基幹系のデータをQlikViewに取り込む用途でも活用しています。QlikViewでも直接データの取込みは可能ですが、DataSpiderで前処理した方が効率的な場合もあるからです。
── DataSpiderの導入効果はいかがでしょうか。
かつては、使用するプログラミング言語もバラバラで、開発手法は委託先ベンダーや担当者次第というように個人のノウハウに依存していました。DataSpiderに一本化することで属人化を排し、標準化したことにより担当者間での引き継ぎも容易になりました。従来ならコスト面からあきらめていた内容も、柔軟に対応できるようになりました。
── 具体的にどのような活用をされていますか。
経理系の処理を例にとりますと、調達などの受発注処理において、他システムと連携する際にDataSpiderをフル活用しています。以前は1ヵ月かけていたような構築作業も、倍の速さで処理できるようになりました。代表的な例ではデータのチェック機能があります。これは経理業務で活用していますが、入力必須項目をチェックする際にプログラムを作成する必要がなく、チェックアイコンを用意するだけで実装できる点は大きなメリットです。データの存在するところ、つなげるところにDataSpiderを活用することで、様々な局面で省力化を実現しています。
── QlikViewでは、どのような分析をされていますか。
現在、QlikViewのユーザー数は全社で140名ほどです。
経理では主に業績管理に使用し、プロジェクトの収益分析などに活用しています。以前は毎月の収益に関するレポート作成には10~15日程度費やしていましたが、QlikViewにより、5~6日と半分程度に期間短縮を実現しています。しかも、以前のレポートは数字の羅列でしたが、現在はグラフを多用するなど、視覚的に分かりやすいものになっています。情報の伝達がタイムリーになり、かつ把握しやすいものになったことで、意思決定の迅速化につながるものと期待しています。
── その他にはどのような活用をされていますか。
入退出管理、人事の個人台帳管理など、人のマネジメントに活用しています。これまで見えにくかった人に関する情報を可視化しています。当社では「健康経営宣言」を策定し、活動方針としていますが、その実践に役立てるための社員の意識調査などにも活用しています。
さらに、IP事業本部では事業本部独自の収益分析等での活用を始めています。
利用部門や利用者を拡大。情報活用の更なる活性化へ
── 今後の展開をお聞かせください。
現状、QlikViewの活用は一部の利用者だけですが、今後は利用部門や分析対象データを拡大し、部長クラスの方々に事業本部のマネジメントツールとして活用してもらいたいと考えています。また、経営本部を中心にRPA(Robotic Process Automation)への取り組みも進めていますが、将来的にはそれらも合わせたデータ活用や運用の効率化を促進したいと思います。
アシストは、レスポンスが素早く、当社が要求したことへの対応だけでなく、積極的な改善提案もありました。開発元への単なる連絡役にすぎないベンダーも存在しますが、アシストは自らの技術力やノウハウがあるため、臨機応変な対応をしてくれるので大変助かりました。今後の更なる情報活用の推進に向けて、引き続き協力いただきたいですね。
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●基幹システムを補完する新たな情報活用基盤の確立
●様々なシステムへの汎用性と、高いコストメリット
●開発手法の標準化とコスト削減を実現
●業績管理レポートの作成期間を大幅に短縮
●利用部門や利用者を拡大
●情報活用の更なる活性化へ
お客様情報
※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。
会社名 | トヨタテクニカルディベロップメント株式会社 |
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概要 | 知的財産(IP)事業と計測制御事業に特化した企業として、世界的自動車メーカーであるトヨタ自動車およびトヨタグループをサポートし、その競争力と開発力の基盤を支えている。 |
本社 | 愛知県豊田市花本町井前1番地9 |
設立 | 2006年4月1日 |
資本金 | 5.5億円 |
従業員数 | 950名(2017年4月1日現在) |
URL | http://www.toyota-td.jp/ |
取材日 | 2017年10月 |
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