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「グローバル一体経営」推進の中核となるSAP S/4HANAと周辺システムとの大規模なデータ連携基盤をDataSpiderで構築

株式会社荏原製作所

導入製品/サービス…
DataSpider Servista  JP1  

株式会社荏原製作所様_メインアイキャッチ画像

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「インフラ部門の使命はシステムを止めないことです。基幹業務システムをつなぐデータ連携基盤が停止すれば、ビジネスに甚大な損失をもたらしかねません。DataSpiderの高い安定性はデータ連携ツール選定の大きなポイントとなりました」

株式会社荏原製作所
情報通信統括部 ITアーキテクト部 インフラ・システム課
竹之内 遼 氏

課題/背景

  • グローバル展開中のSAP S/4HANAと周辺システム間、周辺システム同士をデータ連携する仕組みが必要
  • 数多くのデータ連携処理を効率的に開発・運用できる手法が必要
  • 従来のデータ連携ツールではiPaaS特有のダウンタイムが発生し、多くの業務に支障をきたしていた。基幹業務に影響が出ないよう、データ連携処理の安定稼働は不可欠

対策

  • 他のシステムで利用実績があり、SAP S/4HANAとのデータ連携実績が豊富な「DataSpider Servista」をデータ連携基盤として採用
  • ジョブ管理ツールの「JP1」を活用して、データ連携システム全体を一元的に管理
  • ログ取得やエラーハンドリングなどを共通部品化し、データ連携処理を標準化することで個別の開発工数を軽減

効果

  • SAP S/4HANAと数多くの周辺システムとのデータ連携をDataSpiderで一元化
  • 連携本数は3,000近くに及ぶ、大規模なデータ連携基盤を構築
  • 品質を担保しながら効率的に連携処理を開発し、運用できる基盤を獲得
  • 以前使用していたデータ連携ツールで発生していたトラブルはほとんど発生しておらず安定稼働を実現



システム概要




SAP S/4HANAと周辺システムのデータ連携が課題に


1912年に創業し、主力製品であるポンプをはじめ、送風機やコンプレッサ・タービン、半導体製造装置など様々な分野でグローバルに社会、産業、暮らしを支えている荏原製作所。現在では建築・産業、エネルギー、インフラ、環境、精密・電子の各市場へ向けて、5つのカンパニーで幅広い事業を展開しています。

同社は、世界117拠点を包括した「グローバル一体経営」を掲げ、「グローバル経営情報の見える化」、「グループのグローバル業務の標準化」、「柔軟性/汎用性/拡張性のある情報システム」の実現を目指しています。その中で、グローバル共通の管理基盤としてSAP S/4HANAの導入を進めています。

しかし、そこで課題となったのが、SAP S/4HANAと周辺システム間のデータ連携です。データ連携基盤構築の背景について、情報通信統括部 ITアーキテクト部 インフラ・システム課 中田 裕信氏は次のように話します。

中田氏  これまで複数のシステムに分散していた生産、販売、財務、管理会計、調達、人事などの基幹業務のデータをSAP S/4HANAに統合する一方で、現場業務を支える周辺の様々なシステムが存在しており、それらとSAP S/4HANAとの連携は欠かせません。また、SAP S/4HANA対周辺システムの1対Nだけでなく、周辺システム同士のN対Nの連携が発生することから、データ連携の仕組みも標準化し一元管理することで効率的に運用する仕組みが求められました。


3,000本近くに及ぶ、大規模なデータ連携を支えるDataSpider


倉庫管理や営業支援、連結会計、工程管理、製造実行・出荷管理などの数多くの周辺システムとSAP S/4HANAとのデータ連携を支えているのがDataSpiderです。DataSpiderは、基幹業務と周辺システムの間だけでなく、周辺システム同士のデータ連携にも活用されており、その連携本数は3,000近くに及びます。

以前は別のデータ連携ツールを利用していましたが、多くの問題が発生していたと、同課で国内のデータ連携基盤を担当する木戸 祥晶氏は語ります。

木戸氏  SAP S/4HANAの導入に際し、当初は他社のiPaaSを利用していました。しかし、メンテナンスなどサービス提供側の都合によるダウンタイムが度々発生し、多くの業務に支障が生じていました。加えて、頻発する不具合への対応の遅さなど、サポートの品質も問題点の1つでした。さらに、連携するデータ量に応じた従量課金によって跳ね上がるコストも利用上のネックとなっており、このまま利用を続けるのは不適当との判断に至りました。

そこで同社は、SAP S/4HANAの導入以前から一部のシステムで活用していたDataSpiderを、データ連携基盤に採用する方針を決定しました。

木戸氏  DataSpiderであれば、アシストによる迅速なサポートが期待できます。そして、製品としての歴史があるため成熟しており、予期せぬ不具合に悩まされることなく安定して利用できます。当社で既に多くのシステム間連携でインターフェースを開発してきた実績からDataSpiderを全社共通のデータ連携基盤として活用することになりました。


大規模開発の工夫とJP1を活用した運用体制


荏原製作所では、大規模な連携でも効率的に開発・運用管理できる体制を整備しました。同課でSAP周りの連携を担当する竹之内 遼氏は、開発における工夫を次のように説明します。

竹之内氏  トラブル発生時の切り分けを容易にするため、DataSpiderでは極力、最低限のデータ加工に留めています。さらに、データ連携処理を標準化するため、DataSpiderの導入にあわせてデータ連携構築サービスのフレームワークを採用しました。現在、約3,000本の個別処理が稼働していますが、フレームワークに落とし込み、ログ取得やエラーハンドリングなどを共通化することで、開発工数の削減・データ連携処理の品質担保を実現しています。

SAP S/4HANAと周辺システムとの接続にあたっては、よりシンプルかつ容易に進められるようにDataSpiderが提供しているERP Adapter for SAPを利用しています。

また、先述したように、同社のシステム間連携の仕組みは非常に大規模かつ複雑であることから、ジョブ管理ツール「JP1」を利用して、データ連携システム全体を一元的に管理・制御しています。

DataSpiderは本番・検証・開発の3つの環境を設け、全てをオンプレミス上で構築しています。本番環境については、冗長構成にすることで可用性を高めています。今後も連携数が増加していく同社では、可用性の確保と柔軟なサーバーサイジングを実現するため、データ連携基盤のクラウドへの移行も検討しています。


安定稼働を支えるDataSpiderの信頼性とアシストの迅速なサポート


現在、データ連携基盤は安定的な運用を実現しており、経営のリスクを低減する大きな後ろ盾となっています。

竹之内氏  インフラ部門の使命はシステムを止めないことです。日々の業務に不可欠な基幹システムと数多くの周辺システムとの連携を支える基盤が仮に停止した場合、ビジネスに甚大な損失をもたらしかねません。優れた安定性のDataSpiderは多岐にわたる事業を陰から支える重要な役割を担っています。

限られたインフラチームの人員で効率的な対応が求められる中、アシストの情報提供や支援にも助けられていると言います。

竹之内氏  依頼や問い合わせに対して、アシストから迅速に回答をもらうことができます。待ち時間が発生しないので、私たちが考える時間が増えてより良い方向性を見出すことができます。

中田氏  当社インフラチームの人員も決して潤沢とは言えないだけに、接続対象のシステムが増えたとしても担当者の負荷を増やさずにすむための工夫が必須となります。今後求められるのは、システムがさらに大規模化した際にも、より効率的に監視を行える仕組みにほかなりません。その意味でもアシストのサポートに頼る部分は大きく、私たちがより良い方向に向かっていけるよう、引き続き的確な情報提供やソリューション提案に期待しています。



  • 本稿は取材時の内容に基づくものです。製品やお客様情報など最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
  • 記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

お客様情報

会社名 株式会社荏原製作所
本社 東京都大田区羽田旭町11-1
創業 1912年11月
URL https://www.ebara.co.jp/
従業員数 連結 19,629名 単体 4,688名(2023年12月末時点)
取材日 2024年10月

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