TOP>事例>製造業>SAP S/4HANAと周辺システムをつなぐ共通基盤基幹システムの刷新とDX推進を支える環境整備に貢献

SAP S/4HANAと周辺システムをつなぐ共通基盤
基幹システムの刷新とDX推進を支える環境整備に貢献

古河電気工業株式会社

導入製品/サービス…
DataSpider Servista  HULFT  JP1  

古河電気工業株式会社 DataSpider Servista導入事例

通信・エネルギーインフラ、電子部品、自動車部品、金属材料など、多彩な事業を国内外で展開している古河電気工業株式会社。同社では、基幹業務の改革とビジネス環境の変化に対応できる事業基盤の整備を目指してSAP S/4HANA(以下、S/4HANA)を導入しました。S/4HANAの活用に必須な周辺システムとのデータ連携にはDataSpider Servista (以下、DataSpider)を採用し、DXを推進する共通基盤としての活用が期待されています。

(お客様ロゴ挿入)▼お客様名

導入のポイント


1.S/4HANAと周辺システムをつなぐ共通基盤にDataSpiderを採用し、基幹システムの刷新に貢献
2.900を超えるS/4HANAとの接続インターフェースを、8つのパターンに集約して共通化
3.DXを推進する過程で、周辺のシステム環境が変化しても柔軟に対応が可能な共通基盤化を実現


課題

  • システムの老朽化により属人化や複雑化が発生し、基幹システムの刷新が迫られていた
  • S/4HANAと多岐にわたる周辺システムとの確実なデータ連携が求められていた
  • 900を超えるS/4HANAとの連携インターフェースを集約化する必要があった

対策

  • S/4HANAと連携するアダプタの親和性やパフォーマンスを評価し、DataSpiderを導入
  • DataSpiderの処理にデータ加工用の業務ロジックを内包せず、データのレイアウト変換とマッピングに特化
  • データ連携をパターン別に分類し、エラーハンドリングを含めて共通部品化

効果

  • S/4HANAへの確実な移行を実現するとともに、日々の安定的な運用に貢献
  • 共通部品化により、柔軟性や拡張性のある仕組みを実現
  • S/4HANAとの連携にとどまらず、DXを推進するデータ連携基盤を整備

システム概要



基幹業務改革プロジェクトを契機に懸案だったデータ連携基盤の整備が急務に


情報通信ソリューションやエネルギーインフラ、自動車部品・電池、電装エレクトロニクス材料、機能製品、サービス・開発などの事業分野において多岐にわたる製品・サービスを展開している古河電気工業株式会社。現在は、中期経営計画「Road to Vision 2030-変革と挑戦-」を推進しており、既存事業の収益最大化や新事業創出に向けた基盤整備を進めています。

同社では、長年利用されてきた基幹システムの老朽化が属人化や複雑化をもたらし、組織変更への迅速な対応も困難な状況でした。そこで、One FIT(One Furukawa IT)を合言葉に、グループ全体での基幹業務改革プロジェクトが2018年よりスタートし、業務のシンプル化・標準化の実現を目指した基幹システムの刷新に着手しました。

基幹システムの刷新と並行して検討されていたのが、ICT部門としてデータ連携基盤の整備でした。データ連携基盤の構想は以前からあったものの、具体的に動き出したのは基幹システムの刷新プロジェクトが大きな契機となったのです。同社 戦略本部 デジタルイノベーションセンター DX推進部 部長の内澤 雅彦氏は次のように語ります。

内澤氏  経理や購買、販売などの基幹システムが老朽化していたため、グループ経営を支援する仕組みとしては不十分でした。業務のシンプル化と標準化を狙っていくべく、グローバルスタンダードなERPであるS/4HANAの導入を決断しました。そこで残された周辺システムとのデータ連携について、基盤整備のニーズが顕在化したのです。


S/4HANAと連携アダプタの親和性やパフォーマンスなどを高く評価しDataSpiderを導入


モノづくりを行う同社だけに、特に各工場に展開しているシステムとS/4HANAとのデータ連携はもちろん、製造や物流、人事、営業といった各部門で運用している周辺システムとのデータ連携の手法を検討することになりました。特に900を超える連携インターフェースが発生するため、可能な限りレイアウトを絞ってパターン化し集約する必要があったのです。同時に、ジョブの監視とエラーハンドリングが可能なインフラ基盤の整備も求められました。そこで注目したのがDataSpiderでした。システムの開発・運用に携わるFITEC株式会社 基幹統括事業部 SAP推進部 基盤システム推進課 課長 竹澤 一弘 氏は次のように振り返ります。

竹澤氏  データ連携可能なツールを複数検討するなか、S/4HANAと連携するためのアダプタの親和性や導入実績、パフォーマンスも含めて我々に最適だったのがDataSpiderでした。

ツール選定時は、事前にデータ連携時の処理パフォーマンスを含めた検証を実施。100万件の検証データを用意し、そのパフォーマンスを計測した結果、想定通りの結果を得られたのがDataSpiderだったのです。また、FITECの技術メンバーがDataSpiderに関する知見を持っていたこともポイントの1つでした。

更にDataSpiderに関しては、データをマッピングしてデータをつなぐ手法や、業務ロジックを組み込む場合の考慮点などのパターンを具体的に検討し、その質問に対する的確な回答を得られたのがアシストでした。

竹澤氏  今回ジョブ監視にはシステム運用管理ソフトウェアのJP1を採用していますが、周辺システムとの連携で活用するファイル連携ツールのHULFTも含め、関連する製品をワンストップでサポートできる点もアシストを高く評価したポイントでした。

また、竹澤氏のチームに所属する雪丸 英俊 氏はサポート時のエピソードを振り返ります。

雪丸氏  課題に関する事前調査や技術者のアサイン、詳細な技術情報の提供なども含めアシストには手厚く支援してもらったことで、運用開始後のサポートに対する期待には高いものがありました。


膨大なインターフェースを8つのパターンに集約、共通部品化により柔軟性の高い仕組みを
整備


S/4HANAへのデータ移行時にも活用されたDataSpiderですが、データ移行後のデータ連携に関する処理はデータのレイアウト変換とマッピングに特化しています。900を超える接続インターフェースを約6分の1のレイアウトにまとめ、最終的には8つのパターンに集約し、共通部品化することに成功しました。データの受渡しはHULFTを介したファイル連携の仕組みを採用し、ジョブの制御と監視にはJP1を活用することで円滑なシステム運用を支えています。

DataSpiderを共通基盤として、SAPが提供するクラウドサービス「RISE with SAP」上のS/4HANAと各工場に展開している業務システムや物流システムといった社内システムとの連携をはじめ、取引先への注文書や請求書など各種帳票を発行するSaaSとの連携も実現しています。

竹澤氏  DataSpiderで、HULFTへのテキスト連携やSaaSへのWeb APIによる自動連携とともに、 S/4HANAへの仕訳データ連携なども行っています。S/4HANA側で取込エラーが発生した場合は、DataSpiderで通知を受け取り業務的なエラーとして管理者に通知するロジックを組み込むなど、運用面の工夫も実施しています。

内澤氏  データ連携のパターンとレイアウトが共通部品として集約できたことで、新たなインターフェースを追加する際にもクローンとしてコピーし、パラメータの変更だけで対応できるようになっています。S/4HANAとのデータ連携を全てDataSpiderにて共通化できたことが何よりも大きいですね。柔軟性や拡張性のある仕組みが整備できました。


DXの推進とともに、共通基盤としてDataSpiderの活用範囲の拡大に期待


基幹業務改革プロジェクト自体は完了しており、現在は共通化された基盤を積極的に活用していくフェーズが進行しています。今後については、営業領域も含めたデータ統合基盤の整備を進めていきながら、経営側にデータを集約していくことでDX基盤としての進化を続けていく計画です。

内澤氏  各工場の製造システム側はいまだに部分最適化された形で残っています。将来的には生産管理も含めた全体的な刷新を実現することで、シームレスに全ての仕組みがつながっていくことになるでしょう。周辺環境に変更が生じても柔軟な対応が可能な共通基盤としてDataSpiderが存在することは、大きな強みと言えます。

竹澤氏  S/4HANAへの入り口としてDataSpiderは共通基盤化されていますが、今後はSaaS活用が増えてくると予想しています。SaaSとの直接連携の他にも、APIによる連携でDataSpiderに集約する部分もあるはずです。今後も幅広い分野で活用していきたいですね。



  • 本事例は取材時の内容に基づくものです。
  • 製品内容は、予告なく変更される場合があります。
  • 記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。


古河電気工業様のインタビュー記事(PDF)はこちら




古河電気工業株式会社様へお話をお聞きしたインタビュー記事をPDFでお読みいただけます。


 

お客様情報

※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。

会社名 古河電気工業株式会社
概要 「メタル」「ポリマー」「フォトニクス」「高周波」の4つの技術力を核として、情報通信やエネルギーなどのインフラ分野や自動車部品分野、エレクトロニクス分野へ、多岐にわたる技術・製品・サービスを展開しています。
所在地 東京都千代田区大手町2丁目6番4号(常盤橋タワー)
設立 1896年
資本金 693億9,500万円
従業者数 連結 50,786名 単体 4,201名 (2022年3月末現在)
URL https://www.furukawa.co.jp/
取材日 2022年7月

関連製品/サービス

DataSpider Servista

DataSpider Servista(以下、DataSpider)は、異なるシステムのデータやアプリケーションをノンプログラミングで「つくらずにつなぐ」データ連携(EAI)ツールです。アイコンを使用した簡単開発、充実した運用管理機能で連携処理の自動化を実現。DataSpiderなら、開発生産性の向上と運用コストの低減を図れます。

  • ノンプログラミングによるデータ連携開発を実現
  • 豊富なアダプタでExcelからクラウドまで幅広く連携可能
  • 顧客満足度実績No.1 EAIソフトウェア

詳細へ

HULFT

HULFT(ハルフト)はファイル連携、データ連携ツールです。企業の情報システム内に混在するWindows、Linux、UNIXのほか、AWSやAzureなどのクラウド上のシステムで生成されるログデータやCSVファイルなどのあらゆるデータを、ファイル単位で安全、確実に転送します。

  • 安全・確実なファイル連携
  • 高度な暗号化によりセキュアな転送を実現
  • 国内シェア15年以上実績No.1

詳細へ

JP1

JP1は、国内トップシェアを誇る統合システム運用管理ソフトウェアです。システムの自動化や稼働性能監視、資産管理等を統合的に行うことができます。JP1のことなら、実績豊富なアシストにご相談ください。

  • システム全体の監視、ジョブ運用等の一元管理を実現
  • システム規模に合った最適な投資で開始可能
  • 様々なプラットフォームに対応

詳細へ

事例に関するお問い合わせ

資料請求/お問い合わせはこちら(専門の担当者が確認し、ご対応します。)

ご興味のある事例がございましたら、お気軽にお問い合わせください。より詳しい情報をお届けします。

ページの先頭へ戻る