タスク自動化からプロセス自動化へ
JP1とRPAツールの連携で年間2万時間超の工数を削減
株式会社IHIエスキューブ
- 導入製品/サービス…
- JP1
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IHIグループの情報システムの設計、構築、運用を担うIHIエスキューブでは、IHIグループ全体の業務自動化を促進するためにエンタープライズ向けサーバ型RPAツールを導入しましたが、その運用管理に掛かる工数が課題でした。そこで、基幹システムの運用プラットフォームとして利用していたJP1 と連携させ、他のタスクとともにRPA処理も一元管理し、業務プロセス全体をシンプルかつ効率良く運用できる仕組みの構築を進めています。 |
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導入のPOINT
1.JP1とRPAツールの連携により、基幹業務の広範囲な自動化を実現
2.ユーザーが任意のタイミングでRPA処理を実行できる仕組みにより、業務工数を削減
3.JP1を「デジタルワークフォース」実現に向けたプラットフォームの重要要素として位置づけ
課題
- RPAツールの導入に伴う運用管理の負荷増加が懸念されていた
- RPA処理を、定義されたスケジュール以外でも、ユーザーが任意のタイミングで効率よく実行できる手段を模索していた
- RPA処理を既存の運用タスクと連携させたプロセス完全自動化の実現を目指していた
対策
- RPA処理をJP1のジョブとして登録し、JP1で一元管理する仕組みを構築
- JP1のWebコンソールからユーザーがRPA処理を簡単に実行できる仕組みを構築
- 基幹バッチ処理の前後に行っていた人手によるデータ集計/登録作業を、RPAツールで自動化
効果
- JP1でRPA処理も管理できるようになったことで、運用管理業務の工数を削減
- ユーザーが任意のタイミングでRPA処理を実行できるようになり、効率よく確実に業務を進めることができた
- 夜間の人手による作業が不要になるなど、業務の工数削減や期間短縮を実現
自動化イメージ図
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業務自動化・効率化のために導入したRPAツールの運用が課題に
日本を代表する総合重工業メーカーとして、資源エネルギー、産業機械・社会基盤、航空宇宙など様々な分野で人々の生活を支え続けるIHIグループ。その一員として同グループの情報システムの構築・運用を担っているのが、株式会社IHIエスキューブ(以下、IHIエスキューブ)です。
IHIグループでは現在「DXを活用したビジネスモデルの変革」の取り組みを強化しており、人的リソースを確保するために既存業務の効率化や自動化を進めています。2016年に各事業部門の共通業務を標準化してBPOサービスに委託するとともに、グループ内のICT 基盤も共通化/標準化して攻めのITへの人材シフトを図っています。
亀田 彰 氏 |
こうした施策の効果をさらに高めるために2019年から始めたのが、RPAの検討でした。IHIの情報システム部門とIHIエスキューブの共同プロジェクトで、エンタープライズ向けサーバ型RPAツールの導入を進めるとともに、運用ルールやプロセス、体制を整備してきました。その結果、一定の効果は得られたものの、IHIエスキューブ ビジネスソリューション事業部 副事業部長 亀田彰氏によれば、RPAツールを単体で使い続けることによる限界も明らかになってきたと言います。
亀田氏
弊社では基幹システムの運用プラットフォームとして長年JP1を利用してきましたが、これに加えて新たにRPAツールの運用の仕組みを導入するとなると、運用工数が大幅に増えることが予想されました。かといって、RPAツールのためにJP1と同等の運用プラットフォームや体制をわざわざ新たに組むことも、現実的ではありませんでした。
既存のJP1の運用プラットフォームにRPA処理を組み込んで一元管理
そこで同社は、RPAの処理をJP1のジョブとして登録することで、既存のJP1の運用プラットフォーム上でRPAツールの運用管理も行う方式を採用しました。
この方式には管理工数削減以外にも多くのメリットがありました。例えば、JP1がジョブ管理製品として備える強力なジョブスケジューリング機能により、会社や事業所ごとの「営業日カレンダー」に沿った柔軟なスケジューリングが、RPA処理でも可能になります。また、同社には基幹系システムのバッチ処理の結果を手作業で集計・チェックし、さらに別のシステムに入力してバッチ処理を流す業務があります。その業務の手作業部分をRPAツールで自動化してJP1のジョブとして実装すれば、すべてのプロセスを自動実行できるようになります。
また、RPAの処理を「ユーザーが任意のタイミングで実行できる」という点も重要でした。
亀田氏
サーバ型のRPAツールなので、あらかじめ定めたスケジュールに沿って処理を実行することを前提としています。しかし実務の現場では、ユーザーが任意のタイミングで処理を実行したい場面も多々あります。その点、RPA処理をJP1のジョブとして登録しておけば、JP1のWebコンソール上からRPAのジョブを個別に指定して、オンデマンド実行できるようになります。
こうした、RPAツール単体でのタスク自動化からJP1と組み合わせた「プロセスの自動化」とオンデマンド実行の活用をすることで、夜間行っていた運用者のチェック作業が不要になり人的負荷が軽減され業務の正確性や効率化が増すという、大きな効果が期待できました。
JP1とRPAツールの連携により2万時間を超える工数削減を達成
JP1とRPAツール連携の実装・展開は、これまでJP1の構築や運用をサポートしてきたアシストの協力を得たこともあり、大きなトラブルもなく順調に進みました。その結果、ある部署では、月平均200枚の図面の中から人手で部品情報を抽出し、それらを整理してシステムに入力していた作業を自動化したところ、年間620時間もの工数削減が実現しました。自動化を実装した業務全体では、2020年度中に39業務/82プロセスが自動化され、年間2万3772時間もの工数削減を達成しました。
また前述したように、各種バッチ処理の合間に行っていた人手作業を自動化したことで、各種データ処理に要する時間が短縮され、業務サイクル全体の日程が1日以上短縮するなど様々な業務で工数削減が実現しているといいます。
こうした作業自動化の効果に加え、コロナ禍により多くの社員が在宅勤務に移行した結果、リモートワークでも生産性を維持して業務を滞らせない仕組みが求められるようになってきました。この要求に対して、まさにJP1とRPAツールの連携ソリューションが役立っていると亀田氏は話します。
亀田氏
RPAツールはあくまでも個々のタスクを自動化できる仕組みに過ぎませんから、個々のタスクを連携させて業務プロセス全体を電子化、自動化する仕組みとしてJP1との連携ソリューションに大いに期待しています。
JP1を中心に各種ツールを一元管理する「デジタルワークフォース」のプラットフォームを構想
現在同社では「デジタルワークフォース」をキーワードに、「Afterコロナ」「Withコロナ」にふさわしい働き方を模索しています。コロナ禍が収束した後もリモートワークが当たり前になると考えられることから、「これからは従業員がいつでもどこでも働ける環境において、最適なデジタルワークフォースをいかに実現できるかが、企業の浮沈を大きく左右するだろう」と亀田氏は予想します。
亀田氏
デジタルワークフォースを実現するには、RPA以外にもワークフローやチャットボット、電子契約など様々なITツールを駆使して業務全体を電子化する必要があります。そのため、これら様々なツールを互いに連携させて業務プロセス全体を電子化するための統合プラットフォームとして、JP1が大いに役立つのではないかと考えています。
こうした将来構想を実現するためにも、同氏は今後もJP1とアシストには大きな期待を寄せていると話します。
亀田氏
RPA以外の様々なツールとの連携を実現するためにも、JP1にはぜひオープンなインタフェースを充実させてもらいたいですね。また世の中には無数のITツールが存在していますから、それらの中からIHIグループにとって最適なものを選ぶために、今後ともぜひアシストさんの“目利き力”に期待したいと思います。
- ※ 本事例は取材時の内容に基づくものです。
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本事例で採用された製品情報
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本事例でご紹介したお客様情報
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会社名 | 株式会社IHIエスキューブ |
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概要 | IHIグループのものづくりを支えるグループ内唯一のICTスペシャリスト集団として、航空エンジンや発電プラントなど様々なものづくりビジネスにおけるICT活用を通じて培った経験とノウハウを基に、総合ICTサービスを提供しています。 |
所在地 | 東京都江東区豊洲三丁目1-1 豊洲IHIビル |
設立 | 2003年4月1日 |
資本金 | 2億6千万円 |
従業員数 | 519名(2021年4月現在) |
URL | https://www.iscube.co.jp/ |
取材日 | 2021年9月 |
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