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全社員が「考える力」を継続して育む!
データ活用推進のカギは誰もが使える環境整備と人財育成

ヤスハラケミカル株式会社

導入製品/サービス…
WebFOCUS  DataSpider Servista  

ヤスハラケミカル株式会社様_メインアイキャッチ画像

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「アシストの支援をうけて実施した環境整備と研修により、社員のデータ分析意欲は高まっています。今後は主体的なデータ活用の定着、そしてデータの拡充に取り組む計画です」

ヤスハラケミカル株式会社 情報システム室

課題/背景

  • DX推進に向けデータに注目。経営ダッシュボードを作成し、次のステップでは全社員が主体的に使えるデータ活用への取り組みを計画
  • 従来はユーザーからリクエストがあるたびに情報システム室でデータを準備し提供していたため、時間も工数もかかっていた
  • セルフサービスなデータ活用の全社展開には、社員の理解と意識変革が必要だった

対策

  • 機能性や展開のしやすさ、サポートなどの総合評価により、定型/汎用レポーティングとダッシュボードで利用していたWebFOCUSをアップグレードし、セルフサービスBIとしても全社展開を決定
  • 自由検索用に一部の業務で利用していたBIツールを廃止し、WebFOCUSに移行・統合
  • 人材育成のため、データ活用リテラシーを高める研修をアシストの支援により実施

効果

  • ユーザー自身が必要な情報を必要な時に取得し分析、Excelでの二次利用も可能な基盤を構築
  • 研修を通じ社員の理解やデータ活用への意欲が向上
  • ユーザーからの個別要望への対応が不要となり、情報システム室では年間1,200時間削減の見通し
  • データ連携にはDataSpiderを活用、今後は基幹系だけでなくオープンデータや生産系DWHなど参照可能なデータソースの拡充を計画



システム概要



『人のチカラ』を育てるデータ活用に欠かせないのは、分析環境の整備と人財育成


ヤスハラケミカルは天然由来のテルペン油を主原料とした化学品製造業で、国内唯一のテルペン樹脂製造メーカーです。テルペン樹脂は粘接着剤用途をはじめ、タイヤの改質剤、自動車の塗料原料、香料など多様な製品で利用され産業や人々の暮らしを支えています。また現在テルペンは環境エネルギー関連分野やライフサイエンス分野への応用が期待され、その可能性を未来へとつなげていく活動が続けられています。

『人のチカラ』を大切にするヤスハラケミカルが本格的にDX推進への取り組みを開始したのは2019年です。全社員がデジタルを活用した働き方を目指した「ITグランドデザイン計画」を開始し、DXプロジェクトが発足。これに伴い、帳票のペーパーレス化、FAXから電子化による入出荷業務の効率化、RPA利用での業務自動化などを実施しています。また、従来は基幹システムデータの定型/汎用レポーティングで利用していた「WebFOCUS」を用いて経営ダッシュボードを作成。これにより利益推移や売上を含む業績の経営指標を一目で確認できるようになりました。次いで工場のIoT推進にも着手しています。


金藤 祐司 氏

ITロードマップにおける次の打ち手はデータ活用の強化です。情報システム室 室長 金藤(かねとう)祐司氏は本施策に関する課題と狙いを次のように説明します。

金藤氏  DX推進を遂行するには、さらにデータの重要度が増すことが予想されます。見える化が必要なのは経営層だけではありません。ところが実情は、定型/汎用レポートとして準備していない分析データの作成は情報システム室任せで、ユーザーはExcelの加工や成形に時間をかけています。社員のITリテラシーにもバラつきがありツールだけの手当てでは不十分かつ、BIツールも複数ある状態だったため統合させたいと思っていました。社員の『考える力』を育むためにも、分析環境を整備し、データ活用ができる人財を育成することが必要と捉え、取り組みを開始しました。


WebFOCUS×アシストの魅力は、高い汎用性、展開のしやすさ、そして技術支援とサポート


製品選定の結果、新たなデータ活用基盤として採用したのはアシストが提案したWebFOCUSのアップグレードによる機能追加でした。その理由を金藤氏は次のように語ります。

金藤氏  定型/汎用レポーティングは当社にとって不可欠で、生産性が高く柔軟な設定が可能という点でWebFOCUSは他の製品より優れていると感じています。既存資産が活かせるという優位性も当然ありました。一方で、セルフサービスBIの視点では私たちが求めるに足る豊富な機能は、検討したどの製品にも備わっていました。いずれにせよ権限を含む運用ルール策定、勉強会、他BI資産の移行は必要です。準備期間も考慮した段階的な機能提供が可能という点で、WebFOCUSには全社展開のしやすさを感じました。また、アシストの技術支援とサポートには以前から信頼を寄せていますが、それだけではなく今回の人財教育に踏み込んだ提案には大きな魅力がありました。

2023年5月にアシスト参画で開始したプロジェクトは、2つのステップで進められました。まず、WebFOCUSのバージョンアップを実施し、2023年9月には既存環境からの切り替えをしています。その後、セルフサービス機能の展開準備や他BI資産からの移行を進め、2024年8月から全面的に運用を開始しています。


利用される工夫。自発的で全方位的なデータ活用環境の展開を目指して

WebFOCUSの展開では、ユーザーが迷いなく必要な情報にたどりつけるように工夫を施していると情報システム室の竹下 彩加氏は言います。

竹下 彩加 氏

竹下氏  グループウェアから呼び出されるポータル画面では、まず「マスタ」「実績分析」「自由検索」のカテゴリーから必要な機能を選べます。さらにレポートやデータは利用者の所属部署や業務の権限であらかじめ制御され、業務や用途ごとのグループから必要なメニューを選ぶだけという、ユーザーが迷いなく安全に利用できる導線を意識しました。実績分析と経営ダッシュボードでは、グラフでの可視化により直感的な状況確認とドリルダウンによる詳細確認ができます。マスタは汎用検索やレポートです。WebFOCUSから基幹システムを直接参照するレポートも提供しており、中には現場要望により細かいレイアウトのExcel帳票もワンクリックで出力できるものもあります。自由検索にはWebFOCUSのセルフサービス機能である「WebFOCUS Designer」を追加し、ユーザーのニーズを全方位的にカバーできるようになりました。



セルフサービス活用に向けては、アシストの支援のもと3つの研修を実施しています。

竹下氏  最初に実施したのはデータ活用のリテラシーを向上するための研修です。これはツールには触れず、データ活用の基礎や具体的な進め方を学ぶ場です。この研修には広く理解を得るため管理職にも参加していただき、4回の実施で95名、社員の約4割が受講という実績でした。実務担当者にも目的意識を持っていただいたところで「自由検索の操作研修」、そして特にExcelヘビーユーザーをターゲットとした「自由検索の関数、グラフ研修」を実施しました。

研修後のアンケートには「データとの付き合い方を見直す機会となった」「早く実業務での分析を進め課題解決に役立てたい」 といった狙いに沿った声も多く、今後のデータ活用の推進が期待されています。また、従来は情報システム室にデータ作成を依頼していたユーザーが自発的に分析レポートを作成することで、業務スピードの大幅向上が期待されており、「この効果は年間約1,200時間の工数削減に繋がる見通し」(竹下氏)だと言います。


利用の定着に向けたアクションと今後のデータの拡充


新しい価値の創造、生産性・利益の向上に向けて社員の『考える力』を継続して育みDXを推進するとしているヤスハラケミカルでは、新環境の全面運用開始後も人財育成、環境整備を継続して行う予定です。


光成 桂 氏

社員が課題解決や意思決定にデータを活用していく行動を根付かせるためにも、継続して研修や現場フォローに取り組むと情報システム室 主任の光成 桂氏は言います。

光成氏  研修受講後のアンケートから社員のデータ分析意欲が高まっていることを実感しています。また、このアンケートは潜在ニーズの把握や気付きにも繋がっています。今後も研修機会は必要だとは考えていましたが、「使う時には忘れそう」という不安やフォロー研修を望む声もあり、問い合わせを受ける体制だけでなく研修受講済みの社員フォローを考えるきっかけになりました。また「ダッシュボードや見やすい表現方法を学び日常業務で利用したい」 「Excelの関数を学び直したい」などという声もあります。今の機運を逃さないためにも現場の声に応える研修や学ぶ仕組みを作る検討を進めています。


今年度は社員の主体的な利用の定着に注力するとしながらも、参照データを充実させる取り組みも計画が進んでいます。

光成氏  環境面でも現場ニーズに応え、より使われる基盤に育てていく必要があると考えています。当社ではDataSpiderを利用して参照データを集める仕組みにしていますので、変更や追加の要望に対しては設計は必要なものの柔軟性をもった対応ができます。現在、基幹システムの更新を実施しており、今後はユーザーに公開する基幹系データやオープンデータの拡充をはかる計画です。また、研修アンケートでは今は利用対象外としている「製造系データのグラフ化でも利用したい」という声もありました。工場IoTの生産系DWHのデータもDataSpiderを活用してWebFOCUSから参照できる仕組みを、来年以降は整備していきます。


アシストではヤスハラケミカルのDX推進に向けた取り組みを引き続き支援してまいります。


取材協力

ヤスハラケミカル株式会社
 
情報システム室 
   室長 金藤 祐司 氏(写真 左)
   主任 光成 桂 氏 (写真 左より2人目)
      竹下 彩加 氏(写真 右より2人目)
      藤井 邦憲 氏(写真 右)



  • 本事例は取材時の内容に基づくものです。
  • 製品内容は、予告なく変更される場合があります。
  • 記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

お客様情報

※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。

会社名 ヤスハラケミカル株式会社
本社 広島県府中市高木町1071番地
設立 1959年2月24日
URL https://www.yschem.co.jp/
従業員数 230名(2024年3月末現在)
取材日 2024年5月

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