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全社員1万人の働き方を変える!
「検索」と「動画」で実現するオフィス業務DX

関西電力株式会社

導入製品/サービス…
Glean  Panopto  

関西電力様_メインアイキャッチ画像

(左)IT戦略室 業務改革推進グループ 笹井 香菜 氏
(中)IT戦略室 業務改革推進グループ マネジャー 杉浦 一成 氏
(右)IT戦略室 業務改革推進グループ 田倉 有夏 氏

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「Gleanの導入から2ヵ月後に全社員アンケートを実施したところ、『BoxとSPOを1つの検索窓から検索できて便利』という横断検索の実現に対する評価が多く寄せられました。利用者の9割以上が『満足』と回答、検索時間は全社で『年間41,000時間以上』の削減効果を確認しました」

関西電力株式会社
IT戦略室 業務改革推進グループ

マネジャー 杉浦 一成 氏

課題/背景

  • 情報の一元化、組織内外のコミュニケーションの活性化が課題に
  • BoxやSharePoint Online(以下、SPO)にファイルが分散、検索に時間がかかる
  • ナレッジの蓄積と伝承の手段として、動画の有効性に着目

対策

  • デジタルワークスタイルの推進に、「検索」と「動画」のツールを導入
  • BoxとSPOをGleanで横断検索。2億件のファイルから必要な情報を一気に探し出す
  • 動画を作成できるPanoptoを導入。ナレッジの動画化と共有へ

効果

  • オフィス業務DXの推進で新たな働き方と生産性向上を実現
  • 情報へのアクセスが大幅改善し、年間41,000時間以上の時間削減
  • 公開動画数は累計9,300本。新しいコミュニケーション手段に

システム概要図


システム概要図


オフィス業務DXでデジタルワークスタイルを推進


関西電力グループは1951年の創業以来、電気・ガスをはじめ多様な社会インフラサービスを提供し、ブランドステートメント「power with heart(まごころと熱意を込めたサービスで、お客様や社会の『力』になりたい)」のもと、持続可能な社会の実現に貢献することを目指されています。

同社は2023年を「生成AI元年」と位置づけ、2030年頃のAI産業革命を見据えたDXビジョンをバックキャストで再構築し、DXロードマップを策定しています。このインタビューでは、IT戦略室 業務改革推進グループが取り組むデジタルワークスタイル変革について、推進者の杉浦 一成氏にお話をお聞きしました。

── 関西電力が掲げる「KX(Kanden Transformation)」について教えてください。

KX(Kanden Transformation)は、関西電力グループの中期経営計画の取り組みの柱となっていて、2030年頃にはAI産業革命が到来することを見据えたDXビジョンを策定しています。

「事業部門DX」と「オフィス業務DX」を両輪で進めていまして、オフィス業務DXでは「AIエージェントと創る新たな働き方」を目指して、価値創出と生産性向上に取り組んでいます。

── デジタルワークスタイルの推進にいち早く着手されていますね。

IT戦略室 業務改革推進グループでは、全社が利用するツールの企画や利活用に取り組んでいます。

時間や場所にとらわれない新しい働き方を目指すデジタルワークスタイルの推進、そしてスマートデバイスとクラウドITツールを導入して、ハイブリッドなワークプレースを構築しています。いつでもどこでも、誰とでも、どんな端末からでも仕事ができる環境の実現を目指しています。

そのためには、情報が一元化されていること、そしてコミュニケーションを活性化して、情報伝達や意思決定をスピードアップしていかなければなりません。

── デジタルワークスタイルでは、どのような課題に取り組まれましたか?

関西電力では、オフィスツール(Microsoft 365)、クラウドストレージ(Box)、Web会議ツール(Zoom)を全社導入して労働効率を大きく引き上げられていたのですが、2点の課題がありました。

1点目は、所在が分からないファイルの検索に非常に時間がかかっていました。
Box、SharePoint Online(以下、SPO)など複数のシステムに保管したファイルを探すには、それぞれのシステムを検索する必要があり、また、システムによっては全文検索できないことから、必要なファイルをなかなか見つけることができませんでした。

2点目は、動画を「視る」環境は整っていましたが、「作る」環境は整っていませんでした。
社内からは現場の作業手順を録画してナレッジとして蓄積したり、Web会議を録画して後から振り返ったり、議事録として活用したいといったニーズが多数寄せられていました。

そこで、デジタルワークスタイルをさらに推し進めるために、横断的な検索ができる「Glean」と、動画を簡単に作成してナレッジを動画化できる「Panopto」の導入を決めたのです。


BoxとSharePoint Onlineを横断検索!2億件のファイルをGleanで探し出す


── 検索にまつわる課題を具体的に教えてください。

なによりも、ファイルの検索に非常に時間がかかっていました。
BoxやSPOなど複数システムにデータが分散しているので、所在が分からないファイルを見つけるために、各々のシステムを何度も検索することになります。

また、システムによっては全文検索が不十分で、必要な情報に迅速に到達できない・・という事象が全社規模で頻発するようになっていました。

社内の組織風土改革を進めるなかでも、業務過多の要因のひとつに検索に時間がかかることが取り上げられるようになり、複数のプラットフォームを横断的に検索できるツールを選定することにしました。

── 横断検索ツールには、どのような要件を求めましたか?

最も重視した要件は、大容量でも確実にクローリングできることです。
関西電力ではBoxを全社員に容量無制限で提供しており、ファイルの保有量は約470TB、約2億ファイルで、月あたり約10TBの増加が続いています(2025年2月時点)。

まずはこの膨大なファイルのなかから、ほしいファイルを確実に見つけ出せることを必要不可欠な要件としました。

あわせて、高い検索精度、接続先システムの権限継承(越権不可)、費用対効果、メンテナンスのしやすさを要件化しました。

横断検索ツールに求める要件

  • 大容量のデータでもクローリングできること
  • 十分な検索精度を有すること
  • 接続先システムの権限をきちんと継承すること
  • 費用対効果が確保できること
  • 維持運用の負荷が低いこと

── GleanのPoCはどのように進めていきましたか?

ツールを調査していくなかで、Gleanが全ての要件を満たしていることが分かりましたので、アシストからの提案を受けながらPoCを実施することになりました。

PoC期間は約3ヵ月間で、参加者は375名、横断検索ツールの利用ニーズが高い部門を中心にメンバーを選定して実施しました。

重点評価した項目は、「検索精度」「Boxへのクローリング速度」「費用対効果」の3つです。PoC実施の工夫としては、TeamsにPoC用のチームを設けて、質問受付やユースケースをTips投稿して利用を促進しました。

── 検証の結果はいかがでしたか?

検索精度の検証では、数十のテストケースを作成しまして、それぞれのケースごとにBoxとSPOで横断検索のテストを行い、結果に得点を付けていきました。テストの結果はいずれも高得点で、十分な検索精度を有していることが確認できました。

また、Gleanはユーザーごとに検索結果がパーソナライズされるので、今後利用していくことでさらに高い検索精度が見込める可能性も評価できました。

次は、クローリングについてです。
PoCでは、Boxに直近6ヵ月内に保存された2,600万ファイルを対象に、これらのクローリングにかかる所要時間を測定しました。当初は1日あたり約70万ファイルの取得ペースでしたが、まもなくGlean社によりBoxクローラーの改修が進められ、1日当たり約100万ファイルのペースに改善したことで、39日間で完了できました。

Box全体にある2億ファイルを取り込むには約7ヵ月の期間が想定されましたが、PoCで取得済みのデータは既に検索可能だったため、全ファイルのクローリング完了を待たずに全社展開できると判断しました。

── 実際に利用した社員の方からの反応や効果をお聞かせください。

PoC後にアンケートを実施しまして、検索にかかる時間が週にどの程度削減されたかを尋ねました。すると、「週に30分以上の削減ができた」という回答が全体の42%に達し、そのうち「週に1時間以上の削減ができた」という回答は10%にのぼりました。

PoC全体の結果からも、充分な機能・非機能を有しており費用対効果が見込めたことから、Gleanの採用を決定しました。

── 現在は、全社1万人がGleanを利用されていますね。

2025年1月から、全社1万人がGleanの利用を開始しています。

先ほど、PoCの段階ではBoxの全ファイルのクローリングに7ヵ月を見込んでいたとお話ししましたが、実は本番開始後にクローリングの機能はさらに改善されていまして、10倍の速度に向上しました。結果的に、2億ファイルを約1ヵ月でクローリングできています。

Gleanの導入から2ヵ月後に全社員を対象にアンケートを実施したところ、「BoxとSPOのデータを1つの検索窓から検索できて便利」という横断検索の実現に対する評価が多く寄せられました。「画面がシンプルで使いやすい」といったUIへの評価もあり、全体では利用者の9割以上が「満足」と回答、検索時間については会社全体で「年間41,000時間以上」の削減効果を確認しました。

── 全社で年間41,000時間以上の検索時間を削減できたということですね!
今後の展開についてもお聞かせください。


GleanでBoxとSPOを横断検索できるようになりましたので、今後はOutlookやTeamsにも検索範囲を拡張させていく予定です。

また、Gleanには生成AIの機能があり、検索した文書の要約や、チャットを活用した社外情報の検索や文書生成も可能です。この生成AI機能を今後導入していきたいと考えています。

あわせて「AIエージェントと創る新たな働き方」の実現に向けて、GleanにはAIエージェント機能の充実を期待していますし、当社も利用していきたいと思っています。


ナレッジの伝承・蓄積・共有は動画で!Panoptoでコミュニケーションを活性化


── 続いて、動画共有プラットフォーム「Panopto」の導入背景をお聞かせください。

多くの社員から、「作業手順を動画撮影してナレッジを蓄積したい」「あらかじめ資料の説明を動画で共有して、会議での説明時間を省略したい」といった要望が寄せられていまして、動画作成のニーズが全社的に高まっている気運がありました。

その現状も踏まえて、社員の誰もが簡単に動画を作成して、共有できる環境を整えたいと考えました。

── 動画コンテンツはデジタルワークプレースと親和性が高いと言われています。
動画の作成者が増えると相乗効果も大きくなりそうですね。

もっと手軽に動画を利用できるようになれば、直感的なコミュニケーションを増やせる分、コミュニケーションロスを削減できます。

さらに、より高品質なナレッジの共有や技術継承にもふみ込んでいけるのではないかと。
新しい動画ツールの導入をきっかけに、業務での動画利用が浸透すれば、オフィス業務DXが目指す生産性向上と働き方改革を実現できると考えたのです。

── Panoptoを選定された理由をお聞かせください。

関西電力では、2024年3月にPanoptoを全社導入しました。

動画共有ツールに求めた要件はこのとおりです。

動画共有ツールに求める要件

  • 動画のトリミングなど編集機能が充実していること
  • iPhoneなどのスマートデバイスでも動画の撮影や視聴ができること
  • 検索性が優れていること
  • 動画の公開範囲を細かく制御できること
  • 視聴分析ができること
  • 当社想定の利用シーンに活用できること

── 全社展開後の利用状況はどのようになっていますか?

PanoptoもGleanと同じく全社1万人が利用していまして、動画の登録状況はこのようになっています。

登録ユーザー数 9,740名
登録動画数 9,279本
総動画時間 6,304時間
総視聴時間 47,482時間
  • 全社展開した2024年3月以降の利用実績


代表的なユースケースの「視聴」では、社内広報や全社イベントのコンテンツがよく視られています。「作成」では、社内研修や、会議録画の録画・共有・振り返り、議事録作成、マニュアルの動画などがよく作られています。

── 社員の方々からの評価はいかがですか?

ほぼ全社員がPanoptoで動画の視聴を経験しており、期待していたとおりにコミュニケーション活性化が進んでいると考えています。

アンケートでも利用者の90%以上が満足と回答していまして、社内報関係の動画が以前よりも充実したことに加えて、文字起こしなどの便利機能があることが高い満足度の要因になっています。

一方で、作るという点では、動画の作成者は全社員の約4%にとどまっており、2024年度に作成された動画の約7,400本のうち、約7割を上位作成者50名で作成している状況です。

動画を作成していない理由に「そもそも録画できることを知らなかった」「動画の作成方法が分からない」などが挙げられていることから、まだまだ道半ばの状態です。

── 今後はどのような取り組みを考えていますか?

誰でも簡単にPanoptoで動画を作れることをもっと周知していきたいですね。

録画・編集ノウハウをメールマガジンで継続発信して、まずは簡単に動画をもっと作ってもらうことを支援したいです。

他にも、社内外のユースケースの展開も強化していきます。 アシストが積極的にPanoptoユーザー会を開催しているので、そこで得られた知見を社内に展開し、動画を作成できるユーザーを増やしていきたいですね。

── 最後に、オフィス業務DXの今後の構想をお聞かせください。

オフィス業務DXの実現に向けて、必要なツールの整備はできあがってきましたので、今後は導入したツールのさらなる利活用を進めていきます。部門横断でユースケースを収集しながら、ナレッジの蓄積と共有、展開を推し進めていき、オフィス業務DXをさらに加速させていきたいと考えています。


  • 本稿は取材時の内容に基づくものです。製品やお客様情報など最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
  • 記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

お客様情報

会社名 関西電力株式会社
本社 大阪市北区中之島3丁目6番16号
設立 1951年5月1日
URL https://www.kepco.co.jp/
従業員数 8,258名(2025年3月現在)
取材日 2025年5月

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