TOP>事例>商社/流通/卸/小売>変化を追随!現場の感じる力、考える力を引き出す「素(ルゥ)」は 情報の見せ方にあり

変化を追随!現場の感じる力、考える力を引き出す
「素(ルゥ)」は 情報の見せ方にあり

R.O.U株式会社

導入製品/サービス…
WebFOCUS  

R.O.U株式会社 WebFOCUS 導入事例

<取材協力>
R.O.U株式会社 海外事業推進G 兼 MDシステム・物流G グループマネージャー 矢野 健 氏

イオングループの雑貨専門店R.O.U(アール・オー・ユー)では、単に新商品や限定商品を導入するだけの店舗運営は行っていません。自分たちが生活者の一人としてお薦めできるモノに対するこだわりが、商品やサービスを通してお客様に伝わり、“共感”を得られてこそ商品の購入に繋がると考えています。共感を得るためには、店長が最前線のマーケターとして店舗の販売力を最大化することが重要です。しかし、GMS(総合スーパー)にチューニングされたグループ共通基盤では、雑貨専門店独自の切り口での情報参照も、タイムリーな意思決定も叶いませんでした。そこで、現場力を高める「道具」として採用されたのがWebFOCUS でした。

R.O.U株式会社

導入のポイント


1.重点商品の売上・納品状況をタイムリーにキャッチし、販売チャンスロスを軽減
2.数値を見て、目で現場を確認する事実確認の文化が定着。現場力・営業効果を最大化
3.WebFOCUSを通じて店長と本部が同じ数字を見て協議できる土壌が整備


課題

  • GMSにチューニングされたグループ共通基盤では、独自の切り口で分析できない
  • 必要な情報の取得に工数・時間がかかり、タイムリーに情報を取得できない
  • システムごとに数値がバラバラで正しい解が不明瞭なため、適切な意思決定が困難

対策

  • WebFOCUS導入とデータマート構築により、自社専用の情報活用環境を整備
  • 業務プロセスに沿った自然の流れで操作できるように、業務で使う用語でナビゲーションを実装
  • 従来は把握し難かった指標を活用し、 チャンスロス削減に取り組む

効果

  • 雑貨専門店として独自の切り口による分析が可能になり、見えていなかった最小分類単位での数値把握が可能に
  • 店内の売上構成から展開規模や陳列の課題を深掘りするようになるなど、現場力、営業効果が向上
  • 本部では道具の使いこなしが定着しはじめ、現場の店長も数値を見て目で売り場を確かめることで、変化を敏感に察知

システム概要



雑貨専門店の現場が直面していた課題とは


「暮らし、あそんでる?」をブランドスローガンに、日々の暮らしを彩る多様なアイディアやアイテムを揃えるイオングループの雑貨専門店。2009年にイオンリテールの「Zakka」事業プロジェクトとして始動し、2015年の分社化でR.O.U株式会社が誕生。社名の由来は「Rock Our Utopia」(思いっきり、毎日の暮らしを楽しもう、の意味)。文房具、ビューティーケア、家庭用品、バラエティ雑貨を中心に取り揃え、国内、海外に店舗を展開しています。

── R.O.Uとして大事にしていることを教えてください。

生活者の一人として、毎日の暮らしの中で自分たちが自信をもってお薦めできるモノだけを集めたいというコダワリは大切にしていますね。売り手のコダワリが商品やサービスを通してお客様に伝わり、“共感”を得られてこそ商品購入につながり、結果的に売上に繋がると考えているからです。新商品や限定商品のような売れそうな商品を単に揃えるのではなく「それ、いいね!」とお客様に思っていただけるような共感軸をいかに創り出せるかを大事にしています。

── 共感を得るために必要なことは何でしょうか。

店舗を創る現場、つまり店長の仕事が重要になってきます。最前線のマーケターとして常にお客様の変化を感じ取り、深い洞察力をもって品揃えやサービスに反映させる。そういう業務が店長には求められています。お客様とどのような共感軸で結びつきたいのかを考え、お客様の立場になって売場を観察し、期待以上の売場鮮度を保てているのかを常に確認しなければなりません。これがなかなか難しいのですが……ここは日々精進です。共感軸のバロメーターとして、客数を大事にしています。

── 独自の商品分類「ユニット」とは何でしょうか。

時流に対応した売場創りが雑貨専門店の使命であり、常に新たなユニット編成を生みだす必要があります。ユニットとは売場の分類体系ですが、商品の分類体系とは異なります。例えば、ミッキーマウスのヴィンテージテイストのボールペンは商品分類では「文具」の中の「筆記具」ですが、売場では「キャラクター」の中の「ヴィンテージテイストシリーズ」です。ヴィンテージテイストシリーズには文具とは異なる分類のランチボックスもあったりします。このように、商品分類上の領域を超えて柔軟な売場構成を具現化し続けることは、鮮度をもたらす要素の一つと考えています 。商品分類と売場分類(ユニット)の2軸で分析していくことがとても重要でしたが、当社のシステムでは叶えることができない状況でした。

── どのような課題がありましたか。

多品種のコダワリ商品を少ロット高回転でハンドリングしたかったのですが、日用品を主に取り扱うGMSにチューニングされた基幹システムを使用する当社では、業務そのものをそれに合わせていくことができないケースが多かったのです。そのため、必要な情報の収集には大変苦労しました。

旬や走りのモノを市場から探してきて、少ロットで次から次へと販売し続けていくのはGMSとは異なる特性です。必然的に店長の売場判断一つで売上も大きく変わります。店舗の売上は店長のセンスにかかってくると言ってもいいのかも知れません。だからこそ、店長の意思決定を、事実に基づいてタイムリーにアシストするための“道具”を手に入れたかったのです。


タイムリーな情報取得と独自の切り口での分析をする道具としてWebFOCUSを導入


データ収集と加工・集計に本部と店舗で月間約300時間も費やしており、様々な日々の変化に追随することなどはとても難しい状況でした。そこで、タイムリーに情報を取得して独自の2軸の分類体系による切り口で分析ができるように、専用のデータマートとレポーティング基盤という当社独自の情報活用システムの検討を始めました。この独自のシステムを開発導入することは、歴史の浅い当社にとっては大きなチャレンジであると同時に、最低条件でもあった訳です。

── WebFOCUS採用の決め手をお聞かせください。

お仕着せの物を使うのではなく、業務のオペレーションに沿った仕組みを自分たちで実現できると実感したことが大きいですね。店舗の業務を左右する大事な道具ですから、シンプルな操作で誰もが必要な情報にアクセスできないとダメなんです。普段の業務で使う用語でナビゲーションを実装できたことも良かったですね。別のIT用語に変換されていたら、用語に慣れていない店舗では業務自体のリズムも悪くなってしまうでしょう……。ノリは重要ですよ(笑)。


チャンスロスを軽減する改善アクションが活発化


レポートのホーム画面では、店長が包括的に把握すべき情報を掲載しています。客数や売上等の基本情報の他、ロングセラー商品の把握が容易になるように工夫し、重要な商品の欠品防止に役立てています。自店の強み・弱みを他店や過去実績と比較した「TOP100単品」は、自店舗の強化・改善点の把握に活用されています。また、各自が見たい切り口で自由に検索できる検索画面も用意しており、定型レポートでは把握が難しい“死に筋商品”を発見し、仕入れの改善につながる効果も生まれています。

── 店舗と本部の情報共有も進んでいるようですね。

発注後、2週間未入荷の商品を掲載している「2週連続欠品レポート」があります。売上上位の商品が掲載されている場合、販売のチャンスロスを意味するので、何らかの手を打つ必要があります。欠品の原因を深堀りしながら店舗と本部で共有し、それぞれがやるべきことを明確にしてチャンスロスの軽減に取り組んでいます。店舗と本部が共有の指標を基に協議できるようになったことは、大きな成果ですね。

── 道具の定着状況はいかがですか。

本部ではデータの加工・集計時間を約1/3に削減できたこともあり、適用範囲が拡大しています。現場でも、元々数値に対する意識が高かった店長ほど道具の活用が進んでいます。道具を使い始めたことによる最も顕著な変化は、「数値を見て、目で確認するようになった」ことです。数値を科学的に分析し、店舗の棚の前で現物を確認する、リアルの店舗運営業務にとって、とても大切なこのアクションが現場で再認識されてきました。事実に基づいた判断が定着することは、常に変化への追随が求められる雑貨専門店にとっては大きな意味があります。


店舗運営の教育にWebFOCUSを活用。実践を通じて売上の最大化を図る


変化に柔軟に対応していくにはレポート開発のスキルアップは欠かせませんが、並行して、人事部門と連携した店舗運営の教育に取り組んでいます。店長にWebFOCUSを使ってもらい、数値の見方(読み方)やプランニング、活用方法といった店舗運営に欠かせないノウハウを、OJTを通して教育していきます。それぞれの店舗が品揃えや売場展開、オペレーションについて考え、活用することで「最良の(楽しい)暮らしの”素(ルゥ)”を発信し続ける店」でありたいと思います。


  • 本事例は取材時の内容に基づくものです。
  • 製品内容は、予告なく変更される場合があります。
  • 記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。


R.O.U様のインタビュー記事(PDF)はこちら




R.O.U株式会社様へお話をお聞きしたインタビュー記事をPDFでお読みいただけます。


 






お客様情報

※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。

会社名 R.O.U株式会社
概要 日々の暮らしを彩る「あそびの雑貨店」として、毎日を思いっきり楽しめるための、いいもの、いいアイデア、旬のスタイルを追求するイオングループの雑貨専門店。国内のみならず海外にも店舗展開をしています。
本部 東京都中央区日本橋蛎殻町1丁目36-5 いちご箱崎ビル 7階
本社 千葉県千葉市美浜区中瀬1-5-1
設立 2014年12月5日
従業員数 443名(2018年12月現在)
URL https://www.rou-web.jp/
取材日 2019年2月

関連製品/サービス

WebFOCUS

WebFOCUSは、社内外のユーザに情報を届け、情報活用を定着させるBIプラットフォームです。現場のビジネスユーザから経営者、顧客やパートナーまで、あらゆる人がいつでも、どこでも、必要な情報をリアルタイムに活用できる“オペレーショナルBI”をベースコンセプトに、ユーザが“使いやすい”情報活用環境を実現します。

  • 全社での情報活用を可能にする「オペレーショナルBI」
  • 社内外問わず誰もが簡単に使える操作性
  • さまざまな業種/業態での事例を公開中

詳細へ

aebis

アシストは40年以上にわたって、お客様の情報活用のお手伝いをしてきました。aebisはそのノウハウをすべて詰め込み、完成しています。絶対に失敗しない「お客様それぞれに最適なカタチの情報活用」を実現します。

  • 情報系システム「つなぐ」「ためる」「いかす」「じゅんびする」の視点
  • お客様の目的・課題に対する「適材適所」の組み合わせ
  • 情報活用に欠かせない「使う人を意識した仕組み作り」

詳細へ

事例に関するお問い合わせ

資料請求/お問い合わせはこちら(専門の担当者が確認し、ご対応します。)

ご興味のある事例がございましたら、お気軽にお問い合わせください。より詳しい情報をお届けします。

ページの先頭へ戻る